高知の自然 Nature Column In Kochi

南四国で見かけた蛾をおもに紹介していましたが、現在更新を中止しています。

ナカグロモクメシャチホコ

2009年06月29日 09時33分37秒 | Weblog
今年出会ったシャチホコガで50番目に紹介するのは北海道のナカグロモクメシャチホコになった。

ナカグロモクメシャチホコはホシナカグロモクメシャチホコによく似ているが、この個体は全体に色彩がくすみ、翅が透けているような感じを受けるのでこちらだろうと判断してみたがいかがだろうか。

北海道、本州、四国、九州に分布している。
幼虫はヤナギ、ポプラを食べる。

四国ではホシナカグロモクメは割合いるが、本種はまれで深山にいかないと見られない。
深山の種が北海道では海岸の平地にいるというのはどうしても奇異に感じてしまう。
ずっと北の北海道だからというということは頭では分かっているつもりだが・・・

(撮影:北海道小清水町 2009.6.19)

ナカスジシャチホコ

2009年06月28日 10時58分05秒 | Weblog
今年出会ったシャチホコガで49番目に紹介するのは北海道のナカスジシャチホコである。

本州中部以北に分布していて、本州の山地では少なくないと思われる。
図鑑によると四国でも見つかっているそうだが、私はまだ出会ったことがないのでまれな種になるようだ。
食草がナナカマドやマメザクラということなので、四国では1000m以上の山岳部にいるのだろう。

この奇抜で特徴のある模様は見慣れていないこともあって普通種とはいっても私にとってとても魅力高い。

(撮影:北海道層雲峡 2009.6.18)

コフタオビシャチホコ

2009年06月27日 09時25分14秒 | Weblog
今年出会ったシャチホコガで48番目に紹介するのは北海道のコフタオビシャチホコである。

シャチホコガの中では小型で黒いが、見慣れていないせいもあってかわいくやさしい魅力を感じる。

北海道、本州中部以北に分布している。本州西部では少し離れた京都や岡山で発見されている。
もちろん四国では見られない種である。
幼虫はヤマナラシを食べ、成虫は5月から8月にかけて発生する。
北海道では普通種になるようだ。

(撮影:北海道層雲峡 2009.6.18)

トビマダラシャチホコ

2009年06月26日 09時48分56秒 | Weblog
今年出会ったシャチホコガで47番目に紹介するのは北海道のトビマダラシャチホコである。

灯火に飛来して最初見たときはシャチホコガ科ということはすぐにわかったが、模様がほとんどなく一様に黒く忍者のようでいったい何だろうと思ってしまった。
さっそく図鑑を開いて照らし合わせてやっとトビマダラシャチホコらしいとわかった。
今回の旅行でシャチホコガではチョウセンエグリに続いて2番目に嬉しい初めての出会いであった。

北海道、本州中部の山地に分布している。
幼虫はヤナギ科のドロノキを食べる。

この発見場所は深山だが、翌日海岸でも飛来したので北海道では(高い山はどうかわからないが)平地や山地に広く生息しているようだ。

(撮影:北海道層雲峡 2009.6.18)

チョウセンエグリシャチホコ

2009年06月25日 09時19分08秒 | Weblog
今年出会ったシャチホコガで46番目に紹介するのは北海道のチョウセンエグリシャチホコにした。

今回北海道で出会ったシャチホコガの中では一番の大物といえる。
開張62mmというその大きさや色模様は迫力満点である。
ネットで検索した範囲では生きた個体の画像は見つけられなかった。
北海道各地で見つかるようだが数は少ない。
3年前の7月下旬に北海道入りしたときは1週間かけても見つけられなかったので、今回はとてもラッキーだった。

日本では北海道のみに生息していて夏に発生する。
チョウセンと名がついているように国外では朝鮮や沿海州に分布している。
幼虫はヤナギ科を食べる。

(撮影:北海道層雲峡 2009.6.18)

オオチャバネヨトウ

2009年06月24日 09時13分03秒 | Weblog
オオチャバネヨトウは絶滅危惧種に指定している県が多い。
これは自然環境の残された湿地帯という局地的な分布からきているようだ。

前翅は黒ずんだ茶褐色で新鮮な個体では中央にかすかに青白い小点、青白い筋模様も認められる。
後翅は黄白色をしている。
♂は開張40mmほど、♀は開張50mm前後と大きさが異なる。
♀は腹部が長く下に折れ曲がる。
これは食草のガマなどの茎に産卵するためと思われる。

北海道東部、本州、四国、九州に分布して夏に発生する。
高知県では2005年6月に宇佐町の池で1♀出会って以来いくら探しても見つからなかった。
そこで今年は場所を変えて日高村の池でライトトラップすると今回10頭が飛来した。

今回新しくわかったことは、
① 蛾類大図鑑によると「灯火では♂の方が採集しにくい」とあるが、持ち帰った9個体を調べると7♂2♀と♂の方が多かったので発生時期によるのかもしれない。

② 明るい蛾幕には止まらない。蛾幕で見つけたのは光の当たらない裏側の下隅の暗い場所で2頭、その他はすべて1~3m離れた場所で発見した。
光源の近くまで飛来しても離れた暗い場所に止まるので注意してよく探さないと発見しにくい。

高知県でもこのような湿地帯は限られているので絶滅危惧種に指定するべきだと思われる。

(撮影:日高村 2009.6.14)

ギンモンシャチホコ

2009年06月23日 09時16分15秒 | Weblog
今年出会ったシャチホコガで45番目に紹介するのはギンモンシャチホコである。

首に銀の首飾りをつけた模様はなかなかおしゃれに感じる。

北海道、本州、四国、九州、対馬に分布している。
幼虫はハルニレやケヤキなどのニレ科植物を食べる。
高知県では6月から8月にかけて見られるが少ない。

(撮影:越知町 2009.6.9)

ヘリスジシャチホコ

2009年06月22日 09時40分30秒 | Weblog
お待たせしました。
昨夜帰宅したので、またこのブログをはじめます。

今年出会ったシャチホコガで44番目に紹介するのは以前も取り上げたヘリスジシャチホコである。

とても美しい色合いで、これを見つけたときはいつも思わずうっとり見とれてしまう魅力高いシャチホコガである。
幼虫は知られていてアセビを食べるようだがまだ詳しい生態は判明していないらしい。

本州、四国、九州、対馬に分布している。
高知県では5月下旬から9月にかけてみられ、低山地から四国中央山地の標高1000mあたりまで広く分布しているが少なく狙って見つかる種ではない。

(撮影:越知町 2009.6.9)

クビワシャチホコ

2009年06月17日 09時54分10秒 | Weblog
今年出会ったシャチホコガで43番目に紹介するのはクビワシャチホコである。

前翅に黒帯が走ることでは慣れないと一見ケンモンガの仲間と混同しそうだが、クビワシャチホコの方が一回り大きいこと、黒帯が1本につながっていることで区別できる。

北海道、本州、四国、九州、屋久島に分布している。
幼虫はカエデ類各種を食べる。
カエデ類を見かけない場所でも見られるので他の樹木も食べている可能性を感じている。
高知県では低山地から1000m級の四国中央山地まで広く分布していて、5月から9月にかけてシャチホコガの中では最も多く見られる種である。

(撮影:越知町 2009.6.9)


〈お知らせ〉
明日から北海道に出かけるので少しの間このブログを休みます。

タテスジシャチホコ

2009年06月16日 09時13分29秒 | Weblog
今年出会ったシャチホコガで42番目に紹介するのはタテスジシャチホコである。

シャチホコガの仲間の中ではやや小型になる。
独特のこの模様は他に似たものがなく、他種と混同することはないだろう。
派手ではないが落ち着いた色合いが結構気に入っている。

北海道、本州、四国、九州に分布している。
幼虫はカエデ類の各種を食べる。

四国では深山で初夏から夏にかけて見られるが、飛来しても1~2頭程度で多くない。

(撮影:瓶ケ森林道 2009.6.4)