高知の自然 Nature Column In Kochi

南四国で見かけた蛾をおもに紹介していましたが、現在更新を中止しています。

キササゲノメイガ

2008年06月30日 11時18分03秒 | Weblog
クモの巣を思わせる複雑な模様をしたキササゲノメイガ
幼虫がキササゲ(ノウゼンカズラ科)の枝に潜り込むことからこの名がついた。

九州から北海道まで全国に分布しているようだがキササゲを見かけないせいか、県内では分布が限られており個体数も少ない。
5月から8月にかけて発生し、たまに出会うこの独特な模様がとても気に入っている。
(撮影:宿毛市 2008.6.26)

ツクシカラスヨトウ

2008年06月29日 10時16分26秒 | Weblog
ツクシカラスヨトウは講談社の蛾類大図鑑によると九州、奄美大島、台湾、インドに分布すると記載されているが、四国にもいるのだ。

最初に「げんせい」で報告されたのは1991年に高知県西部で別府氏が発見したもので、その後2000年過ぎまで5月から10月にかけて発見例が増えている。
その頃になると県西部は普通種といっても過言ではないくらいで、県中部や東部の各地でも相次いで見つかり、勢力を広げて四国南部では広く分布していることがわかってきた。
さらに分布を広げるのかと思っていたらその後は発見例が減り、近年は見かけることもなくなった。
絶滅したかもしれないと心配していたら今回久しぶりに飛来して、個体数は減ったもののまだ生存していることが確認でき、安心するとともにたいへん懐かしい思いがした。

最もこれは私個人の少ない経験から想像しているので個体数の増減については間違っているかもしれない。
幼虫はチシャノキ(ムラサキ科)を食べることが知られている。
(撮影:宿毛市 2008.6.26)


カバフキシタバ

2008年06月28日 11時05分22秒 | Weblog
ヤクシマヒメキシタバと共に飛来したカバフキシタバ

ヤクヒメの産地は局地的で狙って行けば割合簡単に複数得られるのに対し、カバフは四国では今のところ決まった産地がなく、見つかることは非常にまれである。
四国では標高500m以上の中央山地で7~8月に思いがけず見つかったという報告を時たま聞くが、私の知る限りそれぞれ1頭のみである。

私が出会ったのはこれで3回目(3頭目)になる。
これまでは四国中央山地だったのに、今回は低山地でしかもまだ6月という早い時季でたいへん驚いた。
羽化したばかりの新鮮な個体と思われ、たいへんラッキーだった。
前翅の紋に特徴があり、一見でこれとわかる美しい蛾である。

右上に止まっている2頭の小型蛾はヨスジキヒメシャク
(撮影:宿毛市 2008.6.27)

ヤクシマヒメキシタバ1

2008年06月27日 17時09分47秒 | Weblog
昨夜飛来したヤクシマヒメキシタバ
この地はしばらく訪れてなく昨年、数年ぶりに行ってみたが自分の灯火には飛来しなかった。
今年は22日に行ったがまたもや飛来0
もうヤクヒメはほとんどいなくなったかもしれないと思っていたが、そうではないことが今回わかった。

ヤクヒメは6月中旬から下旬にかけて県西部でウスイロキシタバと混じって見られる。
カトカラ(キシタバ)の中では小型で後翅はウスイロキシタバと同様うす茶色をしていて黄色くないので少し変わっていて南方系の種を思わせる。
それほど美しいとは思えないが分布が限られていて発生期間も短く、全国的には珍しい種とされていてマニアには人気があるようだ。
時季や天候に恵まれると複数の個体を一度に見られる。
飛来する時間帯は特に決まってなく、夜暗くなってすぐ来るものがあれば夜明け前になって飛来することもある。
昨夜はやや気温が低かったが幸運にも計6頭の飛来があった。
(撮影:宿毛市 2008.6.26)

ヤクシマヒメキシタバ2

2008年06月27日 16時38分12秒 | Weblog
これは前翅の紋が白化した個体でこういうタイプはやや少ない。
幼虫はウバメガシを食べることが近年判明している。

四国のヤクヒメは以前に東京の国立科学博物館より依頼を受けていたので、今回ここで捕獲したオキナワルリチラシ30頭とともに後日送付する予定です。
(撮影:宿毛市 2008.6.26)

オオギンモンカギバ

2008年06月26日 14時30分24秒 | Weblog
オオギンモンカギバは南方系の種で紀伊半島以西に分布している。
高知県では中部から西部にかけて低山地で見られるが、中部ではかなり少なく、西部では比較的多いようで今の季節によく飛来する。
一方、東部はあまり出かけることがないせいか、まだ出会ったことがない。

カギバの仲間では大きい方になり、濃い茶色で前翅に黒ゴマを散らしたような斑紋があるので他の種とは簡単に区別できる。
県中部では昔は出会うことがなかったが、近年は時々見かけるようになってきた。
分布を広げているのだろうか。
(撮影:宿毛市 2008.6.22)

アカネエダシャク

2008年06月25日 09時56分03秒 | Weblog
アカネエダシャクは九州と対馬に分布することが知られているが、四国では西部と高知県中部の海岸付近で見つかっている。
県西部はよく似たウラベニエダシャクの方が少ないほどでアカネエダが普通種になる。県中部ではかなり少ない。
見慣れてはいるがこの蛾に出会うといつも少し嬉しさが込み上げてくる。

アカネエダシャクはウラベニより前翅前縁と側縁が直線的で前翅全体がより三角形に近い形をしている。
また、前翅翅頂の小紋がより黒っぽくはっきりしているので一目で区別できる。
はねの裏面は全体が赤っぽくなることはない(裏紅にならない)。
(撮影:宿毛市 2008.6.22)

ヘリスジシャチホコ

2008年06月24日 11時02分14秒 | Weblog
ヘリスジシャチホコはとても美しいやさしい色をしていて好きなシャチホコの一つである。
低山地から深山にかけて広範囲に分布しているが、個体数は少なく年間を通して1頭前後しか出会うことができない。
全国的にも少ない種のようで、幼虫はアセビを食べる。
幼虫の形態も変わっているので次回♀を見つけたときは産卵させて庭のアセビで飼育してみたい。
(撮影:宿毛市 2008.6.22)

トウカイツマキリアツバ

2008年06月23日 15時35分33秒 | Weblog
昨夜飛来したトウカイツマキリアツバ
きわめて局地的な分布をしているようで、四国では今のところこの1カ所でしか見つかっていない。
5~6月頃に時たま灯火に飛来し、これで4頭目になった。

最初に発見されたのは静岡県できわめてまれな種とされている。
愛知県、岐阜県南部など東海地方にかけて広く分布することからこの名が付いたようだ。
その後九州南部でも見つかったと聞いている。
幼虫はアラカシを食べる。
(撮影:宿毛市 2008.6.22)


セスジスズメ幼虫2

2008年06月22日 09時44分25秒 | Weblog
6月18日のブログに出した庭で見つけたセスジスズメ幼虫は4日間で35mmから85mmにも成長していた。
模様もすっかり様変わりしている。黒いタイプの終齢幼虫でこのようになると図鑑にも出ている見慣れたセスジスズメだとわかる。
探してみると4頭の幼虫が見つかった。
寄生蜂の被害に遭わないで無事成虫まで育ってくれると良いのだが、これ以上庭のカラーを食い荒らされるのも困る。
どうしたものか・・・・・・

(撮影:高知市 2008.6.21)