高知の自然 Nature Column In Kochi

南四国で見かけた蛾をおもに紹介していましたが、現在更新を中止しています。

ムラサキミツボシキリガ

2007年11月30日 11時55分18秒 | Weblog
初めてムラサキミツボシキリガに出会ったのは14年前のこと、四国東部の深山でライトトラップに飛来したもので、あこがれの希少種を得たことで興奮して心躍ったことを覚えている。
しかし何のことはない。
その後、四国東部の剣山系では少ないが、西部の石鎚山系では普通種であることが分かった。
ライトにもぼつぼつ飛来するが糖蜜トラップには多数集まる。
場所によってはキリガ類の中で一番多く2桁は軽く見つけてしまうごくありふれた種に成り下がってしまった。
あの感激はいったい何だったのだろう?
でも全国的には少ないキリガのようだ。
(撮影:愛媛県久万高原町 2007.3.21)

ナンキンキノカワガ

2007年11月29日 11時31分39秒 | Weblog
ライトトラップに飛来したナンキンキノカワガ。
成虫越冬し年間を通して見かける普通種である。
見かけるとはいってもこれが林内で樹幹に止まると保護色でまず見つけることは不可能だろう。
ナンキンの名は幼虫がよくナンキンハゼにつくことから、キノカワガの名は「木の皮蛾」で樹皮模様によく似ているという意味をもっている。

白いシートに止まるとからだつきがよく分かる。
前足に見事なふさふさ毛がはえていて感心してしまった。
今まで幾度もこの蛾を見たが、このことは今まで全く気がつかなかった。
(撮影:愛媛県面河渓 2007.11.27)


オオトビモンシャチホコ

2007年11月28日 14時04分51秒 | Weblog
秋に出現する低山地のシャチホコといえばキエグリシャチホコとこのオオトビモンシャチホコ、深山ではクシヒゲシャチホコやエゾクシヒゲシャチホコが思い浮かぶ。
オオトビモンシャチホコは地味な色合いをしているが晩秋でないと出会えないこともあってそれなりに気品と味わいを感じる。
全国に分布していて幼虫はミズナラ、コナラ、クヌギ、アベマキ、カシワ、クリなどを食べ、どこでも見られるありふれた蛾ではないが場所によっては多いようだ。
(撮影:高知市 2007.11.26)



ゴボウトガリヨトウ

2007年11月27日 14時17分40秒 | Weblog
庭に出てみると冬の訪れを知らせるといわれる雪虫が多数舞っていた。
よく考えればもう今週末は12月で晩秋とはいえなくなった。

本日の画像は昨夜出会ったゴボウトガリヨトウ。
10月から11月にかけて山間部でぼつぼつ見かけるが少ない。
独特の味わいのある模様をもつやや大型の蛾で、前翅先端が尖ってなかなか素敵な格好をしている。
もういらないと思っていても、見つけるとつい手が伸びてしまう好きな蛾である。
(撮影:高知市 2007.11.26)

エゾギンモンシャチホコ

2007年11月26日 10時31分27秒 | Weblog
虫が少なくなって最新話題が見つからないので、こういうときは以前撮った画像で今後穴埋めし、できる限り毎日続けていこうと思います。
いつまで続けられることやら・・・・・

目立つ銀色の三角紋をもつエゾギンモンシャチホコ
北海道から九州まで全国に分布している。
幼虫はブナを食べることから、四国では標高1000m以上の高山でしか見られないが珍しい種ではない。
低山地ではコナラやミズナラを食べるよく似たウスイロギンモンシャチホコがいるが、このエゾギンモンの方が色が濃くずっとかっこいい。
(撮影:香美市 2004.8.14)

キョウチクトウスズメの顔

2007年11月24日 10時11分03秒 | Weblog
これはキョウチクトウスズメの顔。
足も大きく立派で迫力があって品格もある。
気温が低いためか刺激を与えない限り動かない。
触角は前に出さず腹部先端を少し持ち上げた状態のまま静止しているので、フェロモンを出して異性を呼んでいるのかもしれない。
(撮影:高知市 2007.11.23)

キョウチクトウスズメ2

2007年11月23日 10時45分12秒 | Weblog
今朝、飼育ケースをのぞいてみるとキョウチクトウスズメが羽化していいた。
蛹が黒ずんできているので近日中に羽化するかもしれないと思っていたが、ここ数日の気温の低下で南方系のこの蛾が無事羽化できるのか・・・、ストーブでも出すかと迷っていた矢先のことだった。
数日前に愛媛県東部で成虫が見つかったとメールが入った。
これで今年は四国4県すべてで発生したことになる。
キョウチクトウスズメは寒さにはそこそこ強いようだ。成虫は何度見てもやはり美しい。

イチジクヒトリモドキの蛹は一度低温になるといくら暖めても春まで羽化しなかった。
今年、アカマダラヨトウの蛹はすべて羽化したのに、ハマオモトヨトウの蛹は全くその兆候がない。
同じ南方系の蛾でも種類によって違いがあるようだ。
(撮影:高知市 2007.11.23)

2007年に採集した四国の蛾

2007年11月22日 17時11分38秒 | Weblog
これは2007年に採集した四国の蛾標本の一部。
キョウチクトウスズメやシンジュキノカワガなど、10月以降の個体はまだ展翅中で含まれていない。
大型の蛾を紹介すると、
左上から下にオナガミズアオ、クロウスタビガ、ヒメアケビコノハ2、オオモクメシャチホコ、ヒロオビクロモンシタバ、ネジロフトクチバ。
右から2列目は上からクロスズメ2、アサマキシタバ3、キモンクチバといったところ・・・
右から4列目の黄色い10頭はナンカイキイロエダシャク、その下がシロモンケンモン、エゾキイロキリガ2、一番下がリュウキュウオオスカシバ。
その他小型の種はこの画像ではよく判りませんね。
今年は昨年捕らえたムラサキシタバやナマリキシタバに会えなくて少し心残りだった。
(撮影:2007.11.20)

2007年に採集した沖縄の蛾2

2007年11月21日 09時40分23秒 | Weblog
これは2007年5月に石垣島と西表島で採集した2箱目の蛾の標本。
右端のオレンジ色はオビベニホシシャク、左下がシンジュサン。
シンジュサンは四国産のものと同種だが、四国の個体と比べると小さくて色も薄い。
このような地域による変異はよくあることで、気温や食草の違いが原因しているのだろうか?
(撮影:2007.11.20)