高知の自然 Nature Column In Kochi

南四国で見かけた蛾をおもに紹介していましたが、現在更新を中止しています。

オキナワアシブトクチバ

2009年09月13日 09時42分17秒 | Weblog
アシブトクチバの仲間はどれもスマート感があって大好きなヤガである。

これらの中で一番多く出会うのはこのオキナワアシブトクチバになる。
大きさと模様はアシブトクチバによく似ているが、前翅の黒褐色紋の外側が波状にならず弧状に曲がっていることで区別できる。

日本では本州(紀伊半島)、四国、九州南部、屋久島から沖縄にかけて分布している。
高知県では海岸近くで見られる。
室戸岬や足摺岬では少なく、県中部の横浪半島では個体数が多く普通種になる。
オキナワと名がつくので沖縄では多いかと思っていたが、かなり少ないようで沖縄では出会ったことがない。

オキナワと他の地名のついた種が高知県で多く見られるのは嬉しい。
横浪半島で本格的な調査を始めたのは2005年からだが、その頃から毎年よく見られるのでこの地での増減の推移は不明である。

幼虫の食草はわかっていない。
インドではトウダイブサ科のGlochidionが記録されているが日本にはない。
同じ科でよく見かけるのはニシキソウやコニシキソウなのでそのあたりを食べているのかもしれない。
成虫は春から秋にかけて見られるので年2~3回の発生であろうか。
今では見つけても採集はしないが、♀をつかまえて産卵させ食草探しをしてみるとおもしろそうな気がしてきた。

(撮影:横浪半島 2009.9.3)