高知の自然 Nature Column In Kochi

南四国で見かけた蛾をおもに紹介していましたが、現在更新を中止しています。

サンカククチバ

2009年09月12日 10時06分33秒 | Weblog
今年もサンカククチバが灯火に飛来するようになってきた。

サンカククチバは前翅の片方によく目立つ黒い三角紋が2つあることでこの名がついている。

日本では本州(西南部)、四国、九州、屋久島、沖縄にかけて分布している。
幼虫はヤハズソウを食べる。
高知県では成虫は8月より晩秋の11月まで見られ海岸付近に多い。

私がサンカククチバに初めて出会ったのは2000年5月に仕事で沖縄の久米島に行ったとき灯火に飛来していて採集している。
一方、高知県では翌年の2001年8月に西部の土佐清水市でライトトラップに飛来したものを発見して四国未記録種として発表した。

その後、県下では次々と発見されるようになり、近年は県中部の高知市北部の山地でもよく出会うようになってきた。
今では高知市の住宅街にある我が家の庭でも時々見かけ、すっかり普通種に成り下がってしまった。

サンカククチバは沖縄の蛾という思いがあるが、これまで数回出向いた沖縄諸島ではあまり見られず少ないようだ。
そのような南方系の種が遠く離れた北の高知県で増えているのはキモンクチバと共にたいへん興味深いことである。
これは温暖化や天敵の少ないことに影響しているのだろうか。
九州南部ではキオビエダシャクが増えたことはよく聞くがこれらはどうなんだろう。

(撮影:横浪半島 2009.9.11)