高知の自然 Nature Column In Kochi

南四国で見かけた蛾をおもに紹介していましたが、現在更新を中止しています。

オビマダラアツバ

2009年04月30日 09時10分15秒 | Weblog
オビマダラアツバは小さいが赤く美しい模様のとても可愛いアツバだ。
色合いは変異があり、黄色い個体もあるが類似した種がいないので同定はそれほど難しくない。

本州、四国、九州に分布している。
四国では低山地で見つかるが数少ない。
手元の標本では4月、6月、7月、8月に見つかっている。

幼虫の食草など生態は明らかでないようだ。

(撮影:日高村 2009.4.17)


ウラモンアカエダシャク

2009年04月29日 09時50分47秒 | Weblog
ウラモンアカエダシャクは赤みを帯びたエダシャクで前翅先端が尖り格好がいい。
種名の通り裏面がさらに赤っぽい特徴がある。

春と夏に年2回発生するらしく、手元にある高知県の標本を調べると春型は4月と5月、夏型は7月と8月に記録されている。
春型は夏型に比べて大きい。

山間部ではどこでもいるが個体数は少なく、前翅の黒点がほとんど消失した個体もある。

本州、四国、九州、屋久島に分布し、幼虫はクマヤナギやイソノキを食べることが知られている。

(撮影:日高村 2009.4.17)



帰りました。

2009年04月28日 09時42分07秒 | Weblog
ブログをいつも見てくださる方々、長らくお待たせしました。
やっと昨夜帰宅しました。
実は沖縄本島に再び行ってきました。

沖縄本島では7夜過ごしましたが2夜は風雨が強くて断念し、何とか5夜ライトトラップを行うことができました。
期待して行きましたが今回は残念ながら気温が低く強風の夜が連続して飛来数は思っていたより少なかったのですが、それでもいくつか初めて出会う種があり、それなりに楽しく有意義な旅行が過ごせました。

蛾を中心に虫の生態撮影枚数が722枚、採集した蛾だけでも240頭になりました。
これから展翅標本の作成作業、写真整理、同定に追われかなり日数がかかりそうです。
そこそこまとまったらホームページやこのブログで順次紹介していきますのでまた見てください。
とはいうものの、こちらのアップはいったい何時になることやら
これは予告編ということでとりあえず「手乗りハグルマヤママユ」でーす

明日からはまた高知県の虫の紹介にもどります。

(撮影:沖縄本島国頭村 2009.4.24)

バイバラシロシャチホコ

2009年04月19日 10時15分51秒 | Weblog
今年9番目に出会ったシャチホコガはバイバラシロシャチホコ?である。

たいへんよく似たシロシャチホコと混生するので識別はいつも迷ってしまう。
この個体は後翅が濃い黒色なのでバイバラシロと同定してみたがいかがだろうか?
もし間違っていたらおわかりの方はご教示願います。

前翅はバイバラシロは黒色斑の発達が弱く、シロはより発達しているということだが、並べて比べないと違いがわかりにくいし個体変異もある。
両種とも普通種なので野外では結局どちらかわからないままほとんど見過ごしている。

触角は両種とも両櫛歯状だが♂は枝が長く、♀はこの個体のように短い。

本州、四国、九州、対馬に分布する。
幼虫はオニグルミ、クマシデを食べることが知られているが、もっと多種の樹木を食べている可能性が高い。

(撮影:日高村 2009.4.17)

いつもブログ見てくださる方々ありがとうございます。
明日から旅に出るのでしばらくブログをお休みします。
帰ってきたらそのうち成果報告しますのでお待ちください。

アオシャチホコ

2009年04月18日 10時29分02秒 | Weblog
今年8番目に出会ったシャチホコガはアオシャチホコになった。

アオと名がつくと「青い色の蛾」と思ってしまうが、見た目では灰色をしている。
新鮮な個体では薄く金緑色の鱗粉があるのでこの色から種名がついたのだろう。

よく似たオオアオシャチホコと混生しているので、見慣れないと同定に迷ってしまう。
オオアオシャチホコは前翅付け根の金緑色が濃く、前翅中央(外横線と内横線の間)が黒っぽくなること。
アオシャチホコは前翅全体がほぼ同じ色合いで中室内に小さな白色点が現れることが多いので区別できる。
この白色点が出るのはアオシャチホコだけの特徴になる。

本州、四国、九州に分布する。
高知県では低山地で見られる普通種である。
幼虫はエゴノキを食べる。

(撮影:日高村 2009.4.17)

ユミガタマダラウワバ

2009年04月17日 09時07分45秒 | Weblog
灯火にユミガタマダラウワバが飛来した。

マダラウワバ(Abrostola属)の仲間は日本に6種いてどれも外観がよく似ていて同定しにくい。
しかし、これだけは一回り小型なので一目で判別できる。

北海道と沖縄を除く全国に分布している。
高知県では数少なくこれまで4度しか出会ったことがない。
春と夏の年2回発生するようだが、私が発見したものはすべて5月の個体だった。
幼虫はクワクサを食べる。

(撮影:宇佐町 2009.4.13)


ホソバネグロシャチホコ

2009年04月16日 09時20分35秒 | Weblog
今年7番目に出会ったシャチホコガはホソバネグロシャチホコである。

枯れ葉色の地味な色合いは保護色だろうか、なかなか味わいのある模様をしている。
ホソバ(細羽)という名前から前翅の幅が狭いという印象を受けてしまうが、取り立ててそのようには見えない。

本州から沖縄にかけて分布していて四国では普通種になる。
幼虫はヒサカキを食べる。

(撮影:宇佐町 2009.4.15)

ウスイロオオエダシャク♂

2009年04月15日 08時57分37秒 | Weblog
ウスイロオオエダシャクは大型のエダシャクである。

北海道、本州、四国、九州、対馬、屋久島に分布する。
図鑑では「普通種で山地や平地に多い」ということだが高知県では普通種というよりはやや少ない部類になる。
しかし、この地では割合個体数が多いようでよく見られる。

本州では黒化型が時々見つかるようだが、四国ではまだ見たことがない。
この画像の個体は♂だが、♀は斑紋が少し違っていてさらに大きい。
幼虫はマユミ、ツリバナ、マサキ、ツルウメモドキを食べる。

(撮影:日高村 2009.4.11)




シロスジトモエ

2009年04月14日 09時37分55秒 | Weblog
シロスジトモエが今年も灯火に飛来した。

トモエと名の付くこの仲間は数種いるが、これは白い筋があって目立ちすぐにこれとわかり一番美しいと思う。

春から夏にかけて見られる普通種である。
北海道、本州、四国、九州、対馬、屋久島に分布する。
幼虫はサルトリイバラ、シオデなどのユリ科植物を食べる。

(撮影:日高村 2009.4.11)

アオバシャチホコ

2009年04月13日 09時56分11秒 | Weblog
今年6番目に出会ったシャチホコガはアオバシャチホコになった。

前翅は黒く少し黄色い筋が入り、後翅は内側が白く半透明になる。
山地では春から秋にかけてどこでもよく灯火に飛来する普通種である。
これは♂だが、♀は二回りほど♂より大きいので雌雄の区別は一目でわかる。
アオバという名前は「青葉」という意味に思えるが、この成虫の色とはつながりがないように見える。

北海道、本州、四国、九州、対馬、伊豆諸島に分布している。
幼虫はヤマボウシ、ミズキなどを食べ、春と夏の年2回発生する。

(撮影:日高村 2009.4.11)