高知の自然 Nature Column In Kochi

南四国で見かけた蛾をおもに紹介していましたが、現在更新を中止しています。

ミカンコエダシャク(沖縄編32)

2008年12月31日 11時42分27秒 | Weblog
前翅先端がかぎ状にとがっているので一見カギバガの仲間かと思ってしまうが、
これはシャクガ科のミカンコエダシャクである。

種名の通り幼虫は柑橘類(ミカン類)を食べる害虫とされていて、
奥深い森林より果樹園のあるような人里近辺で灯火に飛来する。

以前、西表島でも出会ったことがあるので、見つけた瞬間すぐにわかった。
奄美大島以西、台湾、インド、マレー、ニューギニアにかけて分布している。
(撮影:沖縄県大宜味村 2008.11.28)

シラホシベニコヤガ(沖縄編31)

2008年12月30日 09時55分23秒 | Weblog
ピンク色をしたとても美しいシラホシベニコヤガに出会った。

本州中部以西、インド、アフリカ、オーストラリア、南太平洋諸島にかけてとても広い範囲に分布している。

当然四国にもいるはずなのだが、四国では個体数がかなり少ないようで今まで見かけたことがない。
それだけに沖縄で思いがけず出会えたのはとても嬉しかった。

幼虫はハルノノゲシやアキノノゲシを食べる。
(撮影:沖縄県国頭村 2008.11.26)


マダラチズモンアオシャク琉球亜種(沖縄編30)

2008年12月29日 09時23分30秒 | Weblog
マダラチズモンアオシャクは四国南部にもいるらしいがまだ出会ったことはない。
分布は四国南部、九州以西、インドやマレーにかけてで地域変異が大きい。

現在、本土離島以外亜種、伊豆諸島亜種、琉球亜種、男女諸島亜種の4つの亜種に分けられているようだ。
今回見つけた琉球亜種は沖縄本島から石垣島や西表島にかけて分布していて他の亜種と比べてやや小型になるらしいがこれは何が原因しているのだろう。

幼虫の食草はインドではキョウチクトウ科で、日本ではリュウキュウテイカカズラが判明している。
(撮影:沖縄県国頭村 2008.11.26)

ヒメゴマフコヤガ(沖縄編29)

2008年12月28日 10時17分56秒 | Weblog
グレーの地に黒い丸い紋をもつ可愛い蛾はヒメゴマフコヤガだ。
この画像の個体は左前翅の前縁がえぐれているが、これは奇形個体と思われる。

これまで2度西表島と石垣島に行っているが、そちらでも灯火によく飛来したので沖縄全体で普通種になるのではないだろうか。
私の経験では飛来してもせいぜい2~3頭以内なので普通種といっても多くはない。

九州南部以西、インドネシア、マレーにかけて分布している。
幼虫はカラスザンショウの枯れ葉を食べることが近年わかった。
(撮影:沖縄県大宜味村 2008.11.28)


ウスキツマキリコヤガ(沖縄編28)

2008年12月27日 10時10分32秒 | Weblog
初めて出会ったウスキツマキリコヤガ
屋久島以西、台湾、インド、スリランカにわたって分布している。
幼虫はハマサルトリイバラから見つかっている。

沖縄諸島ではそれほど珍しくはないのだろうが、初めて見るものはどれも胸が高鳴り、とても新鮮ですべてが珍しく感じてしまう。
沖縄諸島は四国では見ることのできない虫が多く魅力一杯の場所だ。
(撮影:沖縄県国頭村 2008.11.25)



モモタマナコブガ(沖縄編27)

2008年12月26日 11時06分10秒 | Weblog
モモタマナコブガは小型の茶色を帯びた地味な蛾で目立たない。

1年前に西表島で初めて出会ったときは、蛾類大図鑑で探したが載ってなく、
同定に困ってHP「みんなで作る日本産蛾類図鑑」の掲示板に投稿して問い合わせたところやっと本種であることがわかった。
おかげで今回は2度目の出会いとなりすぐにこれだと気づくことができた。

モモタマナコブガは1996年に新種発表された種で、沖縄本島、西表島、インド、ネパール、ブータンに分布している。

幼虫は一面白色毛に覆われ、シクシン科のモモタマナやシクシン、ミソハギ科のオオバナサルスベリを食べることがわかっている。
(撮影:沖縄県国頭村 2008.11.25)

コウセンポシロノメイガ(沖縄編26)

2008年12月25日 10時14分03秒 | Weblog
コウセンポシロノメイガは白地にオレンジ色と黒色と銀色の混じった網目模様が入って美しい。
この模様は個体変異が大きく、中央部分が黒くなったものや全体が黒化したものまでいろいろみられる。

沖縄では多くはないが普通種のようで各地でよく灯火に飛来する。
幼虫はハマイヌビワその他イヌビワ類から見つかっている。

この可愛いメイガは九州以西、台湾、中国南部、インドにかけて広く分布している。
(撮影:沖縄県国頭村辺土名 2008.11.26)

リョクモンエダシャク異常型(沖縄編25)

2008年12月24日 09時00分35秒 | Weblog
宿に戻った後、同行仲間が不明エダシャクを採集したといって取り出したものを見てとても驚いた。
図鑑でも全く見たことのない色模様・・・・・一体これは何者 
 
大きさ、翅形、裏面の色だけでみるとリョクモンエダシャクに似ているが、
濃緑色の部分が薄黄色なのだ。 
これは日本未記録種かもしれない

帰省してさっそく専門の方にお聞きしてみると、これもリョクモンエダシャクであるという返事が返ってきた。

リョクモンエダシャクは色や斑紋の変異が大きくてこれも変異の範囲に含まれるそうである。
少なくとも異常型にはなるのだろうが、これほど違っていても同じリョクモンエダシャクとは・・・意外だった。
(撮影:沖縄県国頭村 2008.11.27)

リョクモンエダシャク(沖縄編24)

2008年12月23日 09時11分23秒 | Weblog
濃緑色の紋をもつシャクガはというと、ミドリヒメシャクとこのリョクモンエダシャクが思い浮かぶ。

屋久島、奄美、沖縄、石垣、西表にかけて分布し、
インド、マレー、台湾のものは別亜種とされている。

森林内にいて灯火に飛来するとこのようにはねを開いてとまり、その後あまり飛び立つことがない。
近年個体数の増えつつある普通種で、幼虫はアカネ科のシロミミズから見つかっているが詳しい生態はまだ不明である。

濃緑色の紋はおそらく林内で保護色となっているのだろう。
この南方系を思わせる特徴的な緑色模様はなかなか魅力高い。
(撮影:沖縄県国頭村 2008.11.27)

ルリモンホソバ(沖縄編23)

2008年12月22日 09時37分27秒 | Weblog
ホソバの仲間で日本で最も大きいのがこのルリモンホソバである。
ルリモンホソバはネパール、シッキム、インド北部、ボルネオに分布し、南九州以西、台湾にかけては亜種が分布するとされている。
四国では偶産蛾と思われるが2頭見つかっている。

幼虫は白色の長い毛があり樹上のコケ類を食べ、春・夏・秋と年3回するようだ。

手元の図鑑類を見ると個体数は「やや少ない」と「きわめて少ない」に分かれている。
私の行った4夜連続のライトトラップでは場所は違うが毎夜普通種のように飛来し計9頭確認できた。
これはちょうど発生期にあたったのか、それとも近年増加しているのだろうか。

ルリモンホソバを含めホソバの仲間は飛ぶのが得意ではなく、一旦飛来するともう飛び回ることはほとんどしない。

黄色地にルリ色の紋は目立ちなかなか美しく多少の個体変異がある。
四国でずっと探していたので沖縄で初めて見つけたときは心ときめいたが、次から次へと飛来したのには驚いた。
(撮影:沖縄県国頭村 2008.11.25)