高知の自然 Nature Column In Kochi

南四国で見かけた蛾をおもに紹介していましたが、現在更新を中止しています。

サンカククチバ

2007年09月30日 14時09分01秒 | Weblog
今朝は曇って雨が降りそうだったが横浪半島に出かけてみた。昨夜の雨のせいか草は水滴がついて濡れている。
ヤマトシジミが飛び交う道の草原をかき分けながら進むとさまざまな蛾がひらひら飛び出した。
コブノメイガ、キアヤヒメノメイガ、アカマダラメイガ、シラホシトリバ、ベニスジヒメシャクsp.、フタテンオエダシャク、ホソオビアシブトクチバ、タイワンキシタアツバなど・・・・
ほとんどは葉裏など見えないところに止まるし、昼間は敏感で近寄るとすぐに飛び立つのでカメラ撮影はなかなか思うように進まない。
それらの中で黒い三角紋のあるサンカククチバを見つけた。
サンカククチバは南方系の蛾で、10年ほど前までは足摺岬周辺でわずかしか見つかっていない珍しい種だったが、近年高知県の海岸付近ではどこでも割合よく見かけるようになってきた。
(撮影:土佐市 2007.9.30)


ヤクシマルリシジミ

2007年09月29日 09時50分14秒 | Weblog
9月末になったが相変わらず昼間は連日30℃を越える残暑が続くが、夜や朝はかなり涼しくなってきた。
今朝は一段と涼しかったので庭に出てみた。
朝日のすがすがしい光の中、ナンテンの木に止まっているシジミチョウの♀が目に入る。
ヤマトシジミは庭でよく見かけるが、この蝶は地面近くしか止まらないはず・・・・
よく見ると裏面の斑紋がヤマトシジミとは違うしルリシジミでもない。
まさかと思って部屋に戻り、図鑑で確認するとヤクシマルリシジミだった。
昔は室戸岬までわざわざ探しに出かけたものだが・・・、近年高知市でも見られるようになってきたとは聞いていたが・・・、ついに我が家の庭にもやってきたのか!
あわててカメラを持って庭に飛び出し撮影した。
(撮影:高知市 2007.9.29)

ミドリヒョウモン♀

2007年09月28日 09時21分55秒 | Weblog
国見山でアサギマダラとともに見かけたミドリヒョウモンの♀。
ヒョウモンチョウの仲間は、高知県では平地や低山地ではツマグロヒョウモンがいちばん多く、標高500~1000mの山地ではこのミドリヒョウモン、1000m以上の高山になるとウラギンヒョウモンが多いようだが、近年ミドリヒョウモンやウラギンヒョウモンの個体数は減りつつあるような気がする。
ツマグロヒョウモンは高山地でも平地でも相変わらずよく見かける一番普通の種になる。
国見山では他にキチョウ、ウラギンヒョウモン、キマダラセセリなども見かけた。
(撮影:高知市国見山 2007.9.27)

アサギマダラ

2007年09月27日 16時10分50秒 | Weblog
朝、二度寝をしていてふと窓の外を見るといつのまにか雨が上がり晴れていた。
ならばと急に思い立って出かけることに決めた。
里山に入るとあちらこちらでヒガンバナが真っ赤に咲いていてとてもきれいだ。
今まで通ったことのない山道を適当にどんどん登ると思いがけず国見山(標高926m)に着いてしまった。
道ぶちでは所々にヒヨドリバナが咲いていてアサギマダラが妖精のように舞い降りおいしそうに吸蜜している。
山では普通種だが何度見ても心和む蝶である。
これから気温が下がってくるにつれて暖かい麓に降りてくる。
アサギマダラは数百キロも海を渡って移動することでよく知られている。
この蝶も体力をつけてこれから南西諸島に向かって長い旅路に出るのだろうか。
(撮影:高知市国見山 2007.9.27)


エダナナフシ

2007年09月26日 12時42分16秒 | Weblog
何げなく目の前の木の葉をみているとエダナナフシが止まっていた。
シャクトリムシの擬態はすごいが、この虫も見事に枝に擬態していて注意しないと見落としてしまう。
ゆっくりではあるが足を動かしていたので気がついた。
カメラを近づけると両前足を前に伸ばして触角とともにそろえて動きを止めた。
枝になりきったつもりらしい。
触角の短い方がただのナナフシなので触角の長さですぐ区別できる。
双方とも珍しい虫ではないが、見過ごされることが多いので一般にはあまり知られていない。
私の見た限りではエダナナフシの方がやや多いように思われる。
(撮影:虚空蔵山 2007.9.25)


ニジオビベニアツバ

2007年09月25日 10時06分06秒 | Weblog
ニジオビベニアツバは小型だが蛾の中でも特に鮮やかな朱色で宝石のような光沢をもっていてとても美しい。
珍しい種といわれ昔はほとんど見かけなかったが、近年は高知県の低山地から高山まで巾広い範囲で比較的よく見かけるようになってきた。
とはいっても一夜に飛来しても3頭までという数で、一度に多数発生するということはないようだ。
(撮影:宿毛市 2007.6.20)


オナガササキリ

2007年09月24日 09時22分06秒 | Weblog
秋になるとバッタやコオロギの仲間をよく見かけるようになってくる。
灯火にやって来たこのオナガササキリ(キリギリス科)の♀は産卵管が日本刀のようにとても長い。
触角も長くてスマートでとても格好よく見える。
8月頃から現れて草原やあまり暗くない林のススキなどに止まっているようである。
昼間はシャー、シャ-と鳴き、夜はジリー、ジリーとゆっくり鳴く。
(撮影:宇佐町 2007.9.4)

ナチキシタドクガ

2007年09月23日 09時43分41秒 | Weblog
ナチキシタドクガは内陸低山地のカシ林で夏に見かける。
比較的珍しいとされているが、高知県では一夜に二桁飛来することもあり普通種といってもいいだろう。
前翅は地味な色で目立たないが、♀は後翅を出すと鮮やかな黄色をしていてよく目立つ。
♂は♀に比べてずっと小さく、後翅が黒いのでまるで別種のように見える。
♀は灯火によく飛来するが♂はほとんど飛来せず、今までに見たのは2回のみである。
ナチという名前の蛾は他にナチアオシャチホコがあるが、和歌山県の那智の地名からついたものだろう。
(撮影:仁淀川町 2007.8.12)

ウラナミシジミ

2007年09月22日 16時09分33秒 | Weblog
秋になると野外でよく見かけるのはウラナミシジミだ。
飛翔力は強く目にも止まらない速さで飛ぶが、花に止まっているときは近づいてゆっくり観察できる。
種名の通り裏面は波形の模様があり、♂の表面は美しいスカイブルーの色をしていてとても美しい。
本州の関東から南の太平洋岸で見られる暖地性の蝶だが、近年の温暖化でさらに北まで分布を広げているかもしれない。
移動性があり小さなからだでかなり遠くまで飛んでいくことができるそうだ。
(撮影:土佐市 2005.10.30)

サンコタケ

2007年09月21日 09時04分57秒 | Weblog
久しぶりにサンコタケ(アカカゴタケ科)に出会った。
高知県立牧野植物園で見かけて以来2度目になるが、かなり珍しいキノコということだ。
夏から秋にかけて林内の地上で生育し、高さ5~10cmでかさはなく、上部は3~4本のオレンジ色の腕に分かれて先端がくっつく変わった形になっている。
サンコは密教で用いられる仏具の三鈷(さんこ)に形が似ていることからついたものである。
(撮影:久万高原町 2005.9.18)