きょうの俳句

癌と闘う自分への応援詩
--志賀たいじ[花冠同人]の俳句ブログ

きょうの俳句(2/2)~  冬渚       

2008-02-02 07:22:15 | Weblog
雪しきり降りて水面に積らむか
誰か来てうしろに佇てる流氷野
冬渚釦のような貝燦と

妻に今年は一度も近くで見ていないと言われ、冬の渚で接岸した流氷を見に行った。これが海かと思う海氷原である。人の気配に振り返ると観光客が吐息まじりに見惚れていた。忘れられたかの様に浜砂にめり込んで煌めく釦の様な貝が印象的だった。

4 コメント

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好きな句 (中村光声)
2008-02-02 18:23:04
雪しきり降りて水面に積らむか
流氷に埋め尽くされた海でなければ、この句のような詠みはなかなか出来ませんね。寒さ厳しい地で生活する人々の声にも聴こえます。
「海氷原」という言葉も初めて目にしました。
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中村光声様へ (志賀たいじ)
2008-02-02 19:39:53
"雪しきり"の句に嬉しいコメント有難うございます。流氷に埋め尽くされた海をみた後、海に繋がる300m近く幅のある川を見て驚きました。ここ10年程は凍ったことのなかった川が、水面から凍り初めて居る様に感じたです、降る雪がシャ-ベット状に水面に濁って行っては消えるのを繰返します。このまま降り続けば蓮氷になり、明日には川も白野になっているのでは、明日朝一番に来てみようと思いました。"水面に積らむか"は思った侭の感情、理解し難い景を読み取って戴き感激です。追記思った通り今朝行ってみたら川は厚さは解りませんが完全に凍結、真っ白でした。
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好きな句 (かつらたろう)
2008-02-02 19:41:38
☆誰か来てうしろに佇てる流氷野
流氷野という言葉は初めて目にしましたが、その現場に立って眺めればなるほどと思うでしょうね。毎年見慣れた光景とはいえ、自然の織り成す巨大な仕組み、脅威も感じて感慨を新たにされている作者がよく窺えて素敵な句です。「うしろに佇てる」の中七の語句に、作者もまた、見惚れておられた様子を巧みに表現されていると思いました。
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かつらたろう様へ (志賀たいじ)
2008-02-03 08:02:56
"流氷野"の句にコメント有難うございます。妻に誘われて久しぶりに海岸まで行って流氷を見てきました。ふと人の吐息を感じ降りむくと数名の観光客が声なく立ち尽くしていました。彼らは私たちも観光客と思っていたのでしょう。見慣れた筈の流氷野も身近に触れて素晴らしさと大自然の威力に只、佇ちつくす私たちでした。その侭に詠んだ作者の心まで読み取って戴きとても嬉しく思います。
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