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[366]我が家平謝り物語

2008年11月12日 19時18分06秒 | ろっきーにっきー
2006年の最後に書いたのが、我が家停電物語
普段会話のない家族が見せた団結力がテーマでした。
フィクションのようなノンフィクション…それが停電物語。

そして今回、停電物語に続く話…

普段会話のない家族が見せた団結力。
それは悲劇と喜劇、両方を起こしたという話です。



父:しゃべっていても何を言っているのかわからない、おっさん。その為、家族との会話は出来なくなった。
母:普通の会話をしていても、何かのスイッチで直にキレる。そのスイッチの数の多さは星の数よりは少ないがかなり多い。
長男:口から出る沢山の言葉の殆どが、どうでもいい話。
長女:気分次第でコロコロ態度が変わる。
ペット:吠えだすと止まらない、犬。

我が家の食卓は常に会話がなく、静かな食卓だった。
裏の道を通る車の音は当然ながら、人が歩く足音までもが聞こえるくらい静かな食卓だった。
もちろん、その日も普段通り静かに夕食を取っていた。

そんな静かな食卓に聞こえてきた音…

ピーポーピーポー♪

救急車のサイレンの音、しかも近付いてくるよう様子。

この音に一番敏感なのはペットで、
わぉ~~~~ん♪わぉ~~~~ん♪と遠吠えし始めている。

次いで敏感なのは長男、
死・ん・だ!死・ん・だ!とテンション高く騒ぎ始めた。

それに踊らされたように父、
死・ん・だ!死・ん・だ!とテンション高く騒ぎ始めた。

母は五月蠅いから止めなさい!といった感じだったが、長男に促されて一緒になってやってしまった。

家族3人で死・ん・だ!騒いでいると、どんどん近付いてくる救急車。
そして、遂に我が家の大接近した!!

…と思ったら、救急車はサイレンを止め停車した。
その位置は間違いなく我が家の裏の道だった。
我が家の窓を見ると、救急車の赤い光が光っているのが分かるくらいだった。

その瞬間、焦る3人。
特に母の焦り方は尋常ではなかった。
人間だけでなく、犬までもが何かを察したように遠吠えを止めてしまった。

確か我が家の裏には、長男が幼い頃からおじいちゃん・おばあちゃんの老夫婦が住んでいた。
そんなどちらかを迎えに救急車は来たと予想された。

そんな救急車、むしろ老夫婦に向って言ってはいけない言葉を発してしまっていた。
しかし、あのサイレンの音なら人間の声なんて掻き消されるに違いない!
そう考え、何事もなかったように暮らしていた家族。

あれから1ヶ月…

今まで挨拶してくれていた、裏のおばあちゃんは挨拶をしてくれなくなった。
そういえば、裏のおじいちゃんの姿は一度も見かけない。
きっと…

それから我家ではただ只管に謝ることしか出来なかった。
しかし、今でも心に突き刺さるあの言葉「謝ったからって帰ってくる訳じゃない」には疑問を感じずにはいられない。

最近度々見かけるあの光景は…
裏のおじいちゃんとおばあちゃんが自転車2人乗りしていたり、手を繋いで歩いている姿は何なんだろうか。
あのときのあの発言は何だったんだろうか。

謝罪以来、一緒に食事に行くくらい仲良くなった今でも、それに付いては聞くことが出来ないでいる。

ただ1つだけ得た教訓は、下手な団結力は危険ということです。

コメント
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