社会人大学院で学ぶ技術経営

社会人大学院で技術経営を学びながら日々の気づきを書きとめてみます.

サービスと情緒と形

2006年01月22日 | サービスサイエンス
サービスの課題(=サービスサイエンスの目的)は以下の3点である.
(1)サービスの定式化・計量化
(2)サービスの生産性・効率の向上
(3)サービスによる新しい価値の創造

グローバリゼーションは,全世界で共通する(と米国が主張している)価値尺度の導入である.それは,「お金」であり「論理」である.しかしながら,サービスによる価値は,国,地域,家族,個人によって異なる.特に,新しい価値の創造に関しては,世界中誰でも共通して欲しいものなど少なくなってきているのではないだろうか.数学者であり作家新田次郎の次男である藤原正彦の最新著作「国家の品格」では,「論理」や「お金」の限界と日本人が昔持っていた「情緒」と「形」の重要性を述べている.

「情緒」とは数学における「公理」のようなもので,論理的に価値が証明できるものではない.情緒は論理の出発点であり,国,地域,家族,個人によって異なるかもしれない.「情緒」のように,論理の出発点となる個別の公理系を「価値観」と総称するとすれば,「サービスによる新しい価値の創造」とは,今まで気がつかなかった個人ごとの「価値観の発見」が必要である.

しかしながら,「情緒」のようなフワフワしたものを取り扱うのは非常に難しい.そこで,「形」が必要となる.茶道,華道,拳法などでは,まずは形から入って,徐々に個人が価値観を発見していく.

サービスによる定式化・計量化においては,「論理」や「お金」の前に,「形」の考察が必要であり,長い歴史の中で洗練化されてきた茶道,華道,拳法の方法論が役に立つだろう.


最新の画像もっと見る