goo blog サービス終了のお知らせ 

社会人大学院で学ぶ技術経営

社会人大学院で技術経営を学びながら日々の気づきを書きとめてみます.

社会科学における先行研究を効率化するには

2005年10月10日 | 技術経営
技術経営では,社会科学と自然科学の「協働」が必要であり,長年自然科学(正確には計算機科学/ソフトウェア工学)に慣れ親しんできた身ではあるが,最近は社会科学(経営学)に接することが多い.

社会科学(経営学)では,過去の論文を調べる先行研究がたいへん重要視されているように感じる.これは,経営学の先人の知恵だろう.すなわち,過去の研究成果(定理,法則,ソフトウェア)の上に新しい研究を蓄積していく自然科学と異なり,社会科学では下手をすると言い放しで終わり,蓄積されず,それでは「科学」ではないと非難されてきた.そこで,「先行研究」が過去の研究成果の蓄積の上に新しい研究を積み重ねるための規範的な縛りとして位置づけられてきた.

しかしながら,「先行研究」は書くのも読むのも義務的で退屈であるように思われる.ソフトウェア工学で使われている設計方法論の標準化などの手法を援用して,もっと効率化することができないだろうか?これは,過去の研究成果の「知識継承」と捉えることもできる.

社会科学者だけの閉じた世界であれば,「先行研究」は司法試験と同様に無節操な新規参入を排除する道具として意味があったかもしれない.しかしながら,社会科学と自然科学の「協働」が必要な技術経営やサービス・サイエンスが注目され,より多くの実務家が社会科学の道具を使う必要が出てきた昨今,先行研究のシステマティックな知識継承が望まれていると感じている.

ソフトウェア工学屋としては,何かしてみたいと思っている.