製造業におけるサービスの重要性に関しては,1990年代後半にも「スマイルカーブ現象」の議論の中で叫ばれてきた.しかし,2000年にネットバブルが崩壊し,さらにトヨタやシャープのような勝ち組企業が「擦り合わせ型ものづくり」に機軸を置いていることもあり,昨今の「ものづくり回帰現象」の中でサービスの重要性に関する議論は少なくなったように思われる.しかしながら,ネットバブル崩壊後も地に足が着いた形で,製造業のサービスシフトは一歩一歩進んでいるのではないだろうか.その状況をハイプカーブで表すと添付の図のようになる.サービス・サイエンスはその着実な進化を学問分野としても認識し,地固めをしようという動きと見ることができる.