何かひとつのきっかけ
孫が先輩の卒業制作展に出品した作品です。
楠の丸太を削って作った木彫の椅子。2ヵ月以上かかって作り上げたそうです。
百万円で売ってくれと言ったけど、手放してくれそうもありません。欲しいのになあ。
孫が書いた作品のモチーフ:
〈前略〉
早く、早く、風になって喧騒の隙を縫って空を漂っていたい。
誰にも迷惑をかけないものになりたい。ただ流れ去る風のように。
風が「倚子(いす)」を置いて行った 座る
足は地につく感覚を忘れ、視界はゆるやかに流れる 揺らす
体は揺れる、時間も空間も超えた思念が踊る そっと立つ
今度はちょっと大丈夫かもしれない また頑張れるだろうか
どこかで何か見えたなら、いつもと違った見え方ができたならそのとき私は前へ動き出し、そしてまた悩むのだろう。
そんな何かひとつのきっかけがあなたを無数に取り囲む。いろんなものを見て、悩んで、眺めて、ふと何かひとつ見つかるだろうか。
本作では定まらない風景や非日常な感覚を提供する。それによって、普段とは違う視点をもって物事の新たな側面や切り口に気付くことを企図する。「難しそうに思えていたが違う方面から取り掛かれば上手くできるかもしれない」「あの時のわだかまりは視点を変えるとこう考えられる」今ここのあらゆる現実から自身にとって起点となることを見つけることを<何かひとつのきっかけ>と名付けている。
STOP WAR!