羽花山人日記

徒然なるままに

新しい戦前

2023-05-21 19:34:39 | 日記

新しい戦前

昨年の暮れに,テレビ番組『徹子の部屋』で,テレビタレントのタモリさんは,来年はどんな年にと訊かれて,「新しい戦前になるんじゃないでしょうかね」と答えた。この「新しい戦前」という言葉が話題を呼んでいる。

『AERA』最新号に,二人の識者の見解が載っている。

東京大学名誉教授の御厨貴さんは,続けて起きた元首相と現首相への襲撃事件が,1930年代に起きた5・15,2・26などのクーデターやテロ行為を想起させ,しかもそれが選挙という民主主義の根幹をなす時期に生じたことに危機意識を募らせ,戦後育ててきた民主主義の一線が越えられようとする社会の変化に,「新しい戦前」といういい方が成り立つのではないかと述べている。

学習院大学教授の井上寿一さんは,政党政治の行き詰まりがあり,政治に国民の意思が反映されないという閉塞感が,100年前と現代に共通していると指摘する。1925年に二大政党制が成立するが,党利党略をめぐるいがみ合いに終始し,国民の間に政治不信が広まった。現代も,世論調査で支持政党なしが上位を占め,国民の多くは政権交代を希望していているがそれに野党は応えられていない。

さらに井上さんは,社会に対する不安感も,100年前と現代に共通しているという。1930年の世界恐慌のあおりを受けて,日本も昭和恐慌に陥り,農村は疲弊し,人々は困窮するが,財閥や資本家は富を独占した。現代も格差や貧困が広がり,賃上げは物価高に追いつかず,不安と閉塞感が広がっている。

タモリさんが言った言葉は,上記お二人が述べられたことについての気分をうまく表している。

しかし,「新しい」とは「再び」ということで,「戦前」というからにはその後に戦争が控えているということになる。このことは絶対に避けなければならない。

 

ゼレンスキー大統領

ウクライナのゼレンスキー大統領が来日した。執務(戦闘)服での登場は,心意気のあらわれであろう。ここでの対話や会合が,ウクライナへの一日でも早い平和の到来に資することを心から願う。

 

今日の朝日歌壇から

片足で立って靴下履くことを誇り合うなり古希の面々  豊中市  夏秋淳子 様

「古来希だったが今当たり前の歳の諸君。そんなことで喜ぶのはまだ早い」ほぼ米寿の爺

 

識者評す「知ったかぶりの人物と話す感じ」とチャットGPTを  東京都  岡 純様

「全く同感。映画『野菊の如き君なりき』について訊いたら,市川昆監督,三船敏郎出演と得々と答えてくれた。」

 

今日見かけた花

ヒルガオ

ブラシノキ

スイセンソウ

ムラサキツユクサ

 

STOP WAR!

コメント (3)
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