ベルリン・オリンピック・スタジアムの素晴らしさに感動した。
陸上競技場と兼用のためサッカー観戦には不向きな面はあるが、それを差し引いてもあまりある立派で、雰囲気のあるスタジアムだった。
スタジアム自体は、1936年ベルリン・オリンピックのときに建設されたものを、外観はそのままに、内装を改修してきた。そして、今大会のために、ぐるりと観客席を覆う屋根が加えられた。
石でできた重厚な外観には歴史の重みが刻まれているようだった。近代のスタジアムには感じられないオーラが漂っていた。
新たに作られた屋根は未来を象徴するようだった。十分に光を通しながら、観客を雨から守ってくれることだろう。
ゴール裏の席についたときに、8年前のフランス大会で訪れたサン・ドニのスタジアムに雰囲気が似ているなと思った。
兼用スタジアムでありながら、観客席の角度がほどよいためサッカー観戦も苦にならない。そして、屋根がついているにもかかわらず、やわらかい日差しがスタジアム全体に注ぎこむ。視界の快適さを感じることができるスタジアムだ。
サン・ドニは、その外観から未来的なイメージを発している。それは、設計チームのコンセプトとして、すでにパリにあったパルク・デ・プランスというスタジアムの重厚さとの対比があったためだった。
パリのスタジアムは、パルク・デ・プランスとサン・ドニをセットで見ることによって、建築物としての歴史と未来を表現していたのである。
ベルリン・オリンピック・スタジアムは、それひとつで、見事に歴史と未来を表現していた。
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