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観客席で思ったこと ~200文字限定のスポーツコラム~
 



日本代表 1対0 バーレーン代表
2009/3/28 埼玉スタジアム2002


日本が勝ち点3を獲得し、他会場の試合の結果も合わせ、2010年W杯南アフリカ大会への出場を、ほぼ決定づけた。そして、来年のW杯を戦う日本代表の骨格も、スタイルもほぼ固まってきたように思える。

ボールを奪われた時、攻撃から守備に素早く切り替え、前線からプレスをかける。奪ったボールを確実なパスでつなぎ、相手ゴールを目指す。日本人選手の頭の良さ、俊敏性、まじめさが、組織に生かされている。

しかし、あいかわらずゴールを奪うのが下手なのも事実だ。この試合でも、終始優勢だったにもかかわらず、得点はフリーキックからの中村俊輔のシュートだけだった。

流れのなかで、どのように得点しようとしているのだろうか。ドリブルやパスで、前へ、前へ、だけで得点が取れると思っているように見えて仕方がなかった。

守備意識を高くして試合に臨んでくるはずのバーレーンに対して、玉田、田中(達)、大久保という前線陣の編成は正しかったのだろうか。3人ともドリブルが得意で、前へのスピードがある。彼ら3人に加え、長友、内田という両サイドバックも、得意のドリブルで攻めがることが多い。その結果、待ち構えるバーレーンの守備に向かって行っては、最後の突破にいたらず、シュートを放つことができない。これの繰り返しだった。

ペナルティエリアを集中的に守りこむバーレーンの守備に対して、ペナルティエリア外からのシュートチャンスが何度もあったにもかかわらず、守備網に突っ込んでいくアイデアのなさが気になった。強い、そして巧みなミドルシュートを打つ能力のある俊輔、遠藤、長谷部らが、自らゴールを狙うという意味で、おとなしすぎたのではないか。

これからの日本代表の戦いは、2010年のW杯本大会での世界の上位チームとの戦いを想定したものになる。前線のメンバーの組み合わせ選択肢を増やすこと、そして、ゴールを挙げるためのアイデアの構築が、今、見えている課題だろう。



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