クラマーさんを訪ねる旅(16)
8月31日、3日間滞在した、ライト・イム・ウィンクルを出発する日だ。
ミュンヘン市内を観光するために、朝早くホテルを出発した仲間を見送った後、散歩に出ると、小学生くらいの女の子と先生が乗った馬の隊列にでくわした。パッカ、パッカと小気味よいひづめの音が静かな町に響き渡る。
朝、比較的余裕のあるこの旅行では、ぼくは朝食の前に必ず散歩するようにした。
デュイスブルクでは、ピシッ!ピシッ!という、ドングリが爆ぜる音や近くの湖にいる鴨(?)の鳴き声を聞きながらスポーツシューレの森の中を歩いた。ここライト・イム・ウィンクルでは、昨日までは、壮大なチロルの山々を見ながら、静かな澄んだ空気を満喫し、最後の朝は、ひづめの音と少女の「グーテン・モルゲン!」という声で心と体が目覚めることとなった。
出発の11時少し前に、クラマーさんがクルマでやってきた。残っていた者と一緒に、ホテルをバックに記念撮影をする。そして、昨晩のパーティの場で、渡し損ねた中条さんの著書を贈呈する。一人一人としっかり握手をしながら、「さよなら」と日本語で言ってくれるクラマーさんに対して、ぼくらは、心からの「ダンケ・シェン!」でお返しをした。
バスが走りだした後も、クラマーさんはずっと見送ってくれていた。これで、クラマーさんとは、しばしのお別れである。なぜ、しばしの別れなのか?
実は、クラマーさんは、来月10月の中旬に、埼玉サッカー100周年のイベントで、来日する予定なのである。
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