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観客席で思ったこと ~200文字限定のスポーツコラム~
 



大林杯ジャパントップ12卓球大会
2009/2/11 代々木第2体育館

文字通り日本の男女トップ12人の選手による卓球大会である。12人を3人づつ4組に分けてリーグ戦を行い、各組の1位4人がトーナメントで優勝を決める。強豪ばかりの密度の濃い戦いを期待して、会場は大会開始直後から満員である。そして、生涯スポーツ「卓球」らしく、高齢のファンが多い。高齢の方と中国人を多く見かけるのが、今の卓球会場である。

4月の末からの大型連休に横浜で行われる世界選手権に向けて、代表に選出されている、男子の水谷、女子の平野や福原がどんな活躍を見せるのかに注目した。

結果は、男子は決勝で水谷を破った岸川が優勝。世界選手権にダブルスでしか選出されなかったうさをはらした恰好になった。

一方の女子は、もっと意外な結果になった。リーグ戦で、正月の全日本の決勝を戦った平野と王輝が敗退。石川佳純も敗れた。対して、絶好調に見えたのが福原愛だった。

福原は、リーグ戦からトーナメントの1回戦=準決勝まで、すべてストレート勝ち。イージーミスが少なく、巧みな組み立てで、相手を揺さぶり、パワフルなショットでポイントを重ねた。全日本で王輝に翻弄されてベスト4に終わってから約1か月。ずいぶんたくましくなっていた。いよいよ、シニアの大会で初優勝かと期待がふくらんだ。

しかし、決勝戦で、第1ゲームを奪ったものの、その後、藤沼に逆転され、またしても優勝を手にすることができなかった。それまでの試合では、福原にあまり見ることのなかったミスが多くなったのは、優勝へのプレッシャーのためなのか。関係者によれば、世界を舞台にしのぎをけずってきた福原でさえ、国内大会でも極度の緊張に見舞われるという。この日は、試合の合間にサインをしたり、余裕があったようだが、肝心なところで弱さがでた。

次の大きな舞台は横浜の世界選手権だ。着実にパワーアップし、進化目覚ましい福原が、世界を相手に輝く可能性は高いと思う。2ヶ月後の福原に期待したい。



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