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観客席で思ったこと ~200文字限定のスポーツコラム~
 



全日本大学サッカー選手権・決勝
駒澤大学 6対1 早稲田大学
(2007/1/14 国立競技場)

なんとも退屈な試合だった。

退屈だった理由は、どちらのチームにも、こうやって攻めていこう、相手を崩そうという、攻撃面での意図が感じられなかったせいではなかったか。とくに勝った駒澤のほうに、サッカーという競技の本質と思われる、ボールを媒介としたコミュニケーションが感じられなかった。

駒澤は、前線から積極的に相手にプレッシャーをかけることで優位に試合を進めたが、中盤のつなぎは雑だし、最終ラインはボールを前線に蹴り返すばかり。もっと精度の高いサッカーを見せてもらえると期待していただけに残念だった。

6対1という結果から見れば、駒澤の完勝だが、未熟な早稲田の守備陣に助けられての大量得点でもあった。評価できるのは、隙を逃さず得点に結びつけた点だけか。

一方、どちらかというと早稲田の方が、ボールをつなごうという意識は高かった。しかし、いくつかのゴール前でのチャンスにシュートではなく、パスを選択していたのが悔やまれる。前日のラグビーに続いて、サッカー部も敗戦。この週末は、早稲田蹴球部の時間(とき)ではなかったようだ。

さて、この試合に出場した選手の中から、何人かがJリーガーになるようだが、相当がんばらなくては、出場機会を得ることさえ難しいのではないか。Jリーグに進む選手、そして大学サッカー全体の、今後の努力に期待したい。

なお、会場管理の効率化とテレビ映像の見栄えなどを考えてのことだろう。観客席はバックスタンドの中央(15番から25番入り口エリア)だけが開放され、そこに1万人強のサッカーファンが詰め込まれた。皮肉にも、暖かい冬の日差しがあたるバックスタンドは、寒い内容の試合を見るのはぴったりの場所だった。


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