全国大学ラグビー選手権・決勝
早稲田大学 26対33 関東学院大学
(2007/1/13 国立競技場)
「スターは要らない。雑草に花が咲きました」。
関東学院大学、春口監督の優勝インタビューである。
3連覇を狙う早稲田には、SH矢富、SO曽我部、WTB首藤、FB五郎丸ら、鋭く大胆な動きで観客を沸かす、そして大舞台での実績のあるスター選手が顔をそろえる。それに対し、関東学院は、堅実な、どちらかというと地味な選手が多い。決勝戦の予想も、早稲田有利だったのではないか。
しかし、前半、風上に陣をとった関東学院は、長身を生かして、ラインアウトのボールをことごとく自分たちのものにして、3連続トライで早稲田を圧倒する。その後、早稲田が2トライを返したのを見て、後半、早稲田が爆発するかと思ったのだが……。
後半、風下になった関東学院は、まるで早稲田ラグビーのように、自陣からパスを回す作戦に出た。そして、それが功を奏して、後半も関東学院が先にトライを奪った。
その後も、関東学院は、CTB高山を中心に前へ、前へと進み、試合を関東学院のペースに引き込んでいった。戦前のゲームプランどおりに試合を進めた関東学院が、攻守に、フォワード戦でも、バックス戦でも、そして高さでも、すべての面で早稲田を上回った決勝戦だった。
後半の開始前に、早稲田、竹中監督は、「後半には、早稲田ラグビーの完成形をお見せする」と言っていたが、途中、主将の東条がケガで退くなどのアクシデントもあり、完成形どころか、その片鱗をわずかに披露したにとどまった。関東学院の前に、早稲田のスター選手たちの輝きは失われていった。
「次は、打倒、サントリーです」。
春口監督の優勝インタビューの最後の言葉だ。
関東学院の、早稲田に対するリベンジはなった。しかし、春口監督にしてみれば、昨年まで早稲田を率いていた現サントリー監督、清宮氏へのリベンジが残っている。
春口監督の気持ちをくんだ関東学院の選手たちは、日本選手権でどんな戦いを見せてくれるのだろうか。
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