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観客席で思ったこと ~200文字限定のスポーツコラム~
 



K1ワールドグランプリ2006 (2006/12/2 フジTV)

セーム・シュルトが2年連続のK1チャンピオンに輝いた。2m12cmの長身を生かし、リーチの長いパンチと懐に相手を抱え込んでの鋭角的な膝蹴りにますます磨きがかかっていた。「不動」「無敵」という言葉がふさわしい正真正銘の王者といえよう。

しかし、今年の決勝大会の主役は、連覇を果たしたシュルトではなくて、1993年のK1のはじまりから活躍しているピーター・アーツだった。今年、初めてグランプリ決勝への出場権を失ったが、リザーブマッチで武蔵を一蹴し、チャンスを待った。そして、レミー・ポンヤスキー、ステファン・レコのトラブルによって、準決勝への出場が決まった。

準決勝の相手は、極真代表のクラウベ・フェイトーザ。昨年は、クラウベがリザーブマッチからチャンスを得て、アーツを破り決勝に進んだ。昨年と反対の立場での対戦。しかし、結果は昨年と同じ。リザーブマッチから勝ち上がった戦士の勝利。アーツが2ラウンドでKO勝ちし、雪辱を果たした。

決勝戦。アーツが巨人シュルトに果敢に向かっていった。アーツのパンチが的確にシュルトを捉える。はじめてシュルトが後ずさりをした。アーツが久々に王者に返り咲くのか。この日のアーツには、その資格が十分にあったと思ったが……。

ピーター・アーツの姿に、忘れかけていたK1の魅力を思い出した気がした。

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