しゅぷりったあえこお nano

ブログ版 シュプリッターエコー

だれにも何もわからない―原発災害

2011-04-22 23:04:00 | 社会
 どのくらいの放射線を浴びればぼくたちの体にどれくらいの症状が出るのか、そのもっとも基本的なことが実はだれにもわからないんですからねえ。
 東京電力の話を聞いていてももわからないし、政府の話を聞いていてもわからないし、専門家というひとたちの話を聞いていてもわからないし、ジャーナリストというひとたちの話を聞いていてもわからない。
 具体的な話になると、みんなそこをスリぬける。
 周りはもうこれ以上ないくらいにぎやかに議論がくりひろげられているけれど、中心は空洞。
 確かなことは、だれもわかっていないんです。

 ぼくらのいのちにかかわることが、この緊急時にみんな手さぐり。
 何キロ先まで避難しろっていったって、その底にあるのはみんな、このくらいならいいんじゃないの、というきわめてあいまいな判断だから、説得力がすこぶる弱い。

 それを今まで、みんなわかったような顔をして、原子力発電所の建設を推し進めてきた。
 電力会社や政府やそこにつながる学者・知識人や有名人たちが、安全だ、心配いらない、おれたちにまかせておけ、って言ってきたのは、たくみなパフォーマンスだったわけですよ。
 かれらの演劇で、危険な政策が強引に進められてきた。
 原発立地の地元の住民たちも、そんな根拠のあいまいな説明で、受け入れを決定してきたんですからねえ。

 よくもまあ、っていう感じ、しません?
 この国、もう中心ががらんどうの、虚構の国家になっているんじゃないですか。
 末期症状におちいっているのと違います?