ぶふぉぶろぐ

小説などをつらつらと・・・

龍の末裔 第30話

2006-02-25 | 小説
およそこの場に似つかわしくない少年の前には、ミルクの入ったガラス製のコップが置かれている。
容器は汗をかききっており、中身にはほとんど手をつけられていない。
「おーい、フェン!やっぱりここだったか!」
フェンと呼ばれたその少年は、サーガに呼びかけられても全く反応がない。
優しいが、どこか鋭い瞳は、サーガには向けられておらず、常に何かを追いかけているように見える。
その瞳の先には、さっきの少女がいた。

「おい!聞いてんのか!!」
耳元で大声を出されて、フェンはようやくこっちの世界に帰ってきた。
「あ、あぁサーガか。いつからそこにいたんだ?」
「相変わらず、ハナカバのようにボーっとしたやつだ・・・ ちょっと頼みたいことがあるんだけどよ?」
そういってフェンの向かいにさっさと座り込んだサーガはブランにも座るように促した。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿