座るのももどかしいらしく、ブランは立ったまま話をはじめた。
「はじめまして、フェン・・・といったかな?
私は、龍皇国ヴァルド・ライツの皇王護衛兵長、ヒルデブラン・エツィールだ。
ブランと呼んでくれ。よろしく。」
そう言って差し出された手にフェンが戸惑っていると、
「“あくしゅ”っていう龍皇国の風習だよ。握りかえしゃあいいのさ。」
サーガがまるで以前から知っていたかのような口ぶりで説明した。
「あ、よろしくお願いします。ブランさん。僕は“フェン・ルイム”です。」
「あんまり強く握っちゃダメなんだぜ、軽くな。」
握り返したフェンの手は確かに少年のものであったが、ブランはなにか違和感を感じずにはいられなかった。
少年のものではない・・・というより人間のものではないような感覚・・・
若い頃から軍隊で鍛え、多くの部下を育ててきたブランだからこそわかる感覚であった。
「あの・・・?それで護衛兵長さんが僕に話というのは?」
その一言でブランはふと我に帰った。
先ほど、サーガが引いてくれたイスにようやく腰を落ち着け、話しはじめた。
「そうだ。それなんだが、龍皇国が戦獅子(いくさじし)エイシアに攻め込まれている。」
「まじかよ!」
「“竜の頭脳”に“戦竜国”が!?同盟国だったんじゃないですか?」
大きな声を出したサーガとフェンに酒場中の視線が集まる。
「ばか、あまり大きな声出すなよフェン。すんません、こいつ女にフラれたんで、やけになってるんですよ!」
そうサーガが説明すると、酒飲みたちはまた元のように自分たちの会話に戻った。
「なんだよ、それ・・・。だいたい僕はまだフラれては・・・」
不満そうな顔をするフェンを差し置いて、ブランは話を続けた。
「はじめまして、フェン・・・といったかな?
私は、龍皇国ヴァルド・ライツの皇王護衛兵長、ヒルデブラン・エツィールだ。
ブランと呼んでくれ。よろしく。」
そう言って差し出された手にフェンが戸惑っていると、
「“あくしゅ”っていう龍皇国の風習だよ。握りかえしゃあいいのさ。」
サーガがまるで以前から知っていたかのような口ぶりで説明した。
「あ、よろしくお願いします。ブランさん。僕は“フェン・ルイム”です。」
「あんまり強く握っちゃダメなんだぜ、軽くな。」
握り返したフェンの手は確かに少年のものであったが、ブランはなにか違和感を感じずにはいられなかった。
少年のものではない・・・というより人間のものではないような感覚・・・
若い頃から軍隊で鍛え、多くの部下を育ててきたブランだからこそわかる感覚であった。
「あの・・・?それで護衛兵長さんが僕に話というのは?」
その一言でブランはふと我に帰った。
先ほど、サーガが引いてくれたイスにようやく腰を落ち着け、話しはじめた。
「そうだ。それなんだが、龍皇国が戦獅子(いくさじし)エイシアに攻め込まれている。」
「まじかよ!」
「“竜の頭脳”に“戦竜国”が!?同盟国だったんじゃないですか?」
大きな声を出したサーガとフェンに酒場中の視線が集まる。
「ばか、あまり大きな声出すなよフェン。すんません、こいつ女にフラれたんで、やけになってるんですよ!」
そうサーガが説明すると、酒飲みたちはまた元のように自分たちの会話に戻った。
「なんだよ、それ・・・。だいたい僕はまだフラれては・・・」
不満そうな顔をするフェンを差し置いて、ブランは話を続けた。
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