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豊饒の海をめざす、教育と文芸と風流に関する備忘録

歴史雑誌「歴史人1月号」 ~大河ドラマ「お江」に関連しての特集~ 

2010年12月18日 | 読書もどき

  歴女ブームのせいなのだろうか?この半年間でいくつかの歴史系雑誌が創刊された。その一つがこの「歴史人」。その1月号の特集は他の歴史雑誌がそうであるように「お江」に関連するもの。

 NHKの大河ドラマにはパターンがあるようで、鎌倉・室町もの・戦国もの・幕末もの・徳川ものが繰り返されている。ときどき他の時代が入るがそれもある程度決まっている。再来年の清盛ものは確か二度目だ。

 今回は幕末から戦国・徳川へと時代をさかのぼるわけだ。「お江」は浅井長政とお市の娘(3姉妹の三女)だから織田信長の姪ということになるだろう。「だろう」というのは、お市が信長の妹という最有力の説に乗ればの話だからだ。

 その「お江(お江与)」は徳川秀忠と結婚して家光を生むのであるから、女系でみれば織田の血が徳川を支えていたという言い方もできるだろう。もっともこれも家光が二人の子供であればの話。いわゆる裏歴史では家光の親は徳川家康と春日局という説もあるくらいだからだ。

 他の主な子供は徳川忠長(国松)、駿河大納言として有名だが自刃に追いやられる。その妹の和子は後水尾天皇の中宮となり江戸期の女性天皇の「明正天皇(興子)」となる。

 要は時代が遡れば遡るほど事実の隙間ができ、そこに様々な説が生じるという面白さが出るわけだ。

 徳川幕府初期の人なので、その後の歴史に大きな足跡を遺しているといえるだろう。

 

 姉の「お茶茶=淀殿」は有名だが、その末妹である「お江」は、一般的にはよく知られていない(次女もそうだが)女性なので、正直、歴史好きにはたまらない時代背景と人脈なのだ。

 個人的には「龍馬伝」より期待は大きい!

      
               崇源院(京都:養源院蔵)