朝から野暮用があって、出かけた。その帰り、野暮の後には粋なことがしたいと蕎麦屋を探したが適当なものがなかったので、いつものように本屋にはいった。
そこで新しいタイプの歳時記、『一日歳時記』小学館。1400円を購入。
俳句が美しい日本語を守る最後の砦だとはよきたとえであろう。
普通の歳時記は春・夏・秋・冬・新年という5つの分類で編集されている。つまり1年を順を追って編んでいるわけだ。
しかし、本書はもっと気軽に一日で風流の世界に親しもうという企画からできたようだ。
一日を朝から順に季語と写真で説明してくれるのだ。
たとえば朝の時の流れは、以下のようになる。
「暁→曙→東雲→朝明→夙めて→朝朗→朝未→彼誰時」となる。これ以外に朝に関する言葉は「昧爽・昧旦・払暁・早暁・黎明・鶏鳴・有明・夜明け・未明・朝(あした)」
たかだか2,3時間のために、我らの先祖はこれほどに多くの名称を考えたのだ。
こちらは夕色のぺージ。左上の暮色を「雀色時」というそうだ。なんと日本的なことであるか!多くの現代人はこの感性も言葉も喪失してしまったのではないか?自戒、自戒・・・・・・。