美島奏城  豊饒の海へ

豊饒の海をめざす、教育と文芸と風流に関する備忘録

「小説 山脇東洋 江戸解剖始記」

2008年12月27日 | 読書もどき

 林太郎氏の『小説 山脇東洋 江戸解剖始記』を古本屋にて購入。小さな出版社の本のなので、なかなか流通にはのらないものだ。

 私の読書の守備範囲は結構広い、その一分野に「医学史」「科学史」がある。歴史の範囲ではあるが、科学の進歩がわかって面白い。それは人類がより幸福になろうとした営みでもあるからだ。

 江戸時代は人体解剖のことを「腑分(ふわけ)」といっていた。解剖のような科学的な意味合いがないからである。

 その腑分を我が国で初めて公式に行ったのが山脇東洋という京都の漢方医だった。

 私も山脇が腑分の結果を『臓志』に著したことまでは知っていたが、その詳細は知らなかった。『解体新書』に先立つこと17年前のことだ。

 何事も初めてのことは勝手がわからず混乱するものだが、その様子がわかってよかった。

 

 それにしても寒い一日だった。雪国では大雪だそうで、その苦労がしのばれる。庭に薄綿のように積もる雪なら風情もあるだろうが。

 

 


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