美島奏城  豊饒の海へ

豊饒の海をめざす、教育と文芸と風流に関する備忘録

『ごんぎつね』のイラストにみる実証性

2011年03月06日 | 教育

  40歳以下の日本人で、日本の公立小学校で国語の勉強をした者なら必ず読む物語りがある。それが新美南吉作の『ごんぎつね』だ。南吉の草稿では『権狐』だった。

  来年から新しくなる小学校教科書も全社でこの物語を扱っている。

  その物語中の一つの「?」に「赤いいど(井戸)」という表現があって、昔から小さな話題になっていたように思う。

 一説には夕日を浴びた井戸であると云われたが、どうも正解はこの三省堂の教科書(画像参照)のイラストにあるように素焼きの土管ではないかと思われる。南吉の生誕地では、このような土管を井戸として使用でいたのだろうということだ。

 実はこの「赤いいど」のイラストを掲げた教科書は他にはない。物語のイラストにも実証性がほしいものだと歴史好きな私は思う。