タイトルが少々長ったらしくて済みません。
3DCGデータはCADで作ったものでない限り、そのほとんどが直接3Dプリンターにかける事が出来ません。
例えばGoogleSketchUpで作成した3DCGデータや、MikuMikuDanceで利用できる3DCGモデルデータなどはほぼ全て直接3Dプリンターでは出力できない形状データになっています。
その理由は以前あにまさ式弱音ハクさん立体出力データ変換シリーズの最初で説明しましたが、「映像用3DCG形状データは"水漏れ"を意識していない」からです。
このように隙間が開いてると普通は水がこぼれてきます。そして3Dプリンターで立体出力する場合この隙間があるとエラーになるのです。
ところがMMDで使われる3DCGモデルデータは大抵の場合以下のように裏打ちの無い形状モデルとなっています。
これを以下のように裏打ちしなければ立体出力にはかけられません。
しかし当ブログをご覧の方ならば御存じのように、MMD等の形状モデルデータに裏打ち等のデータ修正をかける事は非常に時間と手間がかかります。
あにまさ式弱音ハクさんモデルの場合でもざっと2週間ほど修正作業を行なってやっと立体出力可能になったという経緯があります。
今回開発したプログラムはその過程を全てすっ飛ばし、プログラム処理だけで立体出力可能なモデルに作り変えるというある意味画期的なものなのです。
ここで再度冒頭の画像をご覧ください。
MeshLabに表示されたハク姉さんは左上の小さなウィンドウ(これがレリーフ化プログラムです)で表示されたハク姉さんの画像から再立体情報化したものです。
今回はプログラムの動作テストのためSTLファイルで作成したモノトーン画像から変換してます。将来的にはこれをMMD等の映像用3DCGデータを表示可能にし、そこからレリーフ形状へ変換可能にします。
現在モノトーンのモデルで検証してますが、勿論フルカラーやテクスチャマッピングされたモデルもそのカラーのまま再立体化出来ます。変換時ウィンドウのカラー画像を直接モデルにマッピングするだけでOKなのです。
ということでさっきのモデルを少し斜めから見た図です。見事に奥行きまでズドンとポリゴンが続いています。ここで再立体変換された形状データは閉空間を構成しますのでそのまま3Dプリンターに持っていって立体出力する事が出来ます。
それがこのアルゴリズムを設計した目的なのです。最終的にネット上に多く存在する映像用(=非立体出力対応)の3DCG形状データを直接レリーフ形状に変換します。
さらに顔部分を拡大した画像です。このように1ピクセルを直方体状に配置しているのが良く分かります。それ故にこのモデルは56万ポリゴンと言う数になっています。
現状直方体状にしているのは検証プログラムを組む上で手っとり早かっただけの理由です。各ピクセルの中心点をメッシュ状につなげばもっとポリゴン数を減らせます。
ということで、これからこのプロジェクトを本格的に立ち上げて立体出力を便利にしていきたいと思います。
「誰でもMakers」の時代はもうすぐです!(^^)