いつもは主題はずれな画像を使ってますが、上のフィギュア達は3DCGを生活に取り入れた結果の産物ではあります。
「3DCGと生活」という括りで考えると、関係する接点はゲーム位しかありません。
昨今のアニメーション作品には3DCGコンテンツが積極的に取り入れられていますが、それはアニメの生産性を上げるためであったり映像としてのディティールの追求のためであったりしますが映像として見ている分には視聴者にナマの3DCGデータの恩恵がある訳ではありません。
ということで、同様に3DCGを用いて設計&製品化された家電品や自動車に至るまでの工業製品についても、生活社が直接3DCGに触れるもしくは触れたが故の恩恵はありません。
そうなるとゲームも3DCGデータで絵を描いているだけなので厳密にいえば利用者が直接3DCGに触れているという意識は無いと思えますが、ゲーム中の3DCG世界でコントローラを操作して中を覗いたりキャラクターを操作しているので、これはぎりぎり3DCGデータに触れる機会があると判断しています。
それでは、上記以外に3DCGデータを触れる機会が一般的な生活を営む人間にあるのかと言うと、現状ではほぼ皆無と言えます。
例外があるとすれば3DCGで映像作りをするのが趣味な人たちです。最近だとほぼMMDer(=MikuMikuDanceを使って映像作り等を楽しむ人達の事)人口と被ります。
かつてWindows95が発売された時代、PCの利用者が3DCGに注目した時代がありました。
しかし結局PC利用者=3DCG利用者にはならなかったのです。その理由は3DCGデータを扱うという文化がまだその当時存在しなかった、もしくは希薄だったからにほかなりません。
翻って現代はどうでしょうか?残念ながら3DCGをPC利用者が自在に使いこなせるかと言うと答えはノーです。
そもそも「3DCGデータって何?」というレベルの質問を投げかける人の方がまだ圧倒的に多いのです。
「それは3DCGデータを気軽に扱える標準的なアプリがWindowsに装備されていないからだ。」と仰る方もいらっしゃると思います。
残念ながら理由はそれだけではないのです。
3DCGデータがあったとしても、表示可能なデバイスでは2DCG(即ち平面ディスプレイ)に投影するしか手段がないのです。
3DCGデータが3DCGである威力を存分に発揮できるのは、3Dプリンターを使って立体出力する時と、飛び出すディスプレイで表示させた時ぐらいです。
しかし3Dプリンターで立体出力してしまったら3DCGモデルは単なる固定化された人形でしかなくなってしまい、動かすことは不可能です。
飛び出すディスプレイは現状でまだ高価であり、眼鏡方式の3D表示装置の場合は眼鏡をかける等の制約があって普及には至りませんでした。
そうなるともっと3DCGを身近に感じる方法は無いのでしょうか?
そのひとつの答えが先月の日記で少しだけ紹介した「アミッドスクリーン」に代表される透過型スクリーン表示です。
最近では様々なバリエーションが自主開発され、特に農業用のポリエチレンシートを使った透過幕表示がなかなか高解像度で魅力的に見えます。
その他、少し特集ですが蚊取り線香の煙をスクリーンにするという小型プロジェクション方式を研究した人もいます。
アミッドスクリーンは等身大近くにまで拡大したミクさんとツーショット出来るのが最大の特徴ですが、その他にデスクトップで動きまわる小人上の小さなミクさんを出現させる試みも行なわれています。
このように、上のデバイスを使えば自分と同じ生活空間に(スクリーン上と言う制約はあるものの)3DCGを表示させて楽しむ事が出来ます。
こうしたデバイスの革新が無ければ、次の3DCGの有効活用は始まらないと思います。
なによりもロボットと同じく、そこにいて使用者(生活者)を認識してコミュニケーションが取れれば、3DCG(特にキャラクター型)の利用頻度は格段に増すと思います。
そうしたライフスタイルについて今後も研究を進めていきます。(^^)