著者 沢木 耕太郎
第二次大戦末期、敵国の中国大陸の奥深くまで
「密偵」として潜入した若者・西川一三。
敗戦後もラマ僧に扮したまま、幾度も死線をさまよいながらも、
未知なる世界への歩みを止められなかった。
その果てしない旅と人生を、彼の著作と
一年間の徹底的なインタビューをもとに描き出す。
>西川は、若き日、アジアの大陸に在って、多くを求めることなく、
ひとりのラマ僧として、ただ旅を生きた。
同じように、岩手の地でも、多くを求めることなく、
一商店主として、ただ日々を生きることを望んだ。
>ここ何年と、新型のコロナウイルスの流行によって
外国に旅することができなくなってしまった。
だが、実を言えば、私はほとんど退屈していなかった。
ある人物の旅の全体像を把握するため、書物上で、地図上で、
あるいはグーグルアース上で、その足跡を追いつづけていたからだ。
(あとがきより)
私も著作を読ませていただいていた数日、
蒙古、チベット、インドなどの世界に
浸らせていただきました。
沢木耕太郎様、ありがとうございました。