七七ブログ

タダの詩人「七七」による人心体実験の記録 

神問題

2007-02-22 23:26:45 | 雑文
 
 GOD=神
 
 一般的にこのような等式がまかり通っているがこの式は間違っている。
「神」(かみ)とは多神教文化の東アジア地域における一般名詞であるのに対して、
「GOD」は一神教であるキリスト教の唯一神の名前である、つまり固有名詞である
からだ。キリスト教の信者であれば神はGODしかいないのでこの式も間違いとは
言えないが、他の神を想定する必要もないので一般名詞は必要ない。
一般名詞が必要なのは差し示される対象の種類が複数ある場合であり、
多神教文化に特有の単語であるといえる。

 中国における聖書の翻訳の際に、「GOD」を「上帝」とする案もあったようだが
これもまた正しくない。「上帝」もまた一般名詞であるからだ。そもそも
固有名詞を一般名詞に置き換えることそのものが不可能である。
後の時代にイスラム教やユダヤ教が知られるようになり、それら一神教の神は
それぞれ「アッラー」「エホバ」というように固有名詞として訳されたのだから、
「GOD」は「ゴッド」と訳される以外にない。

 英語には多神教における神を表すDEITYという単語があり、我々が「神」という
時にはGODではなくDEITYを表している。「GOD」を「神」と訳したのはつまり
誤訳であり、一神教と多神教の混同である。先に「GOD」は神の名前であると
書いたが正確にはそうともいえない。多神教において神は複数いるので識別する
ためには名前が必要だが、一神教においては神(絶対者)は一人(ひとつ)なので
名前という概念が成立しない、と同時に一般名詞で表される「神」という概念も
存在しないはずだ。

 「GOD」≠「神」
 それはつまり
 「一神教」≠「多神教」
 と書き換えられるかもしれない。
「GOD」を真に理解するにはキリスト教の信者になるしかないだろう。  



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