七七ブログ

タダの詩人「七七」による人心体実験の記録 

絶対無名

2008-10-30 00:28:57 | 雑文
 世界で一番高い山はエベレストと呼ばれる。
ヒマラヤを測量した人物にちなんでつけられたという。
しかしヒマラヤ測量以前からこの山はあった。
チベットではチョモランマと呼ばれ
ネパールではサガルマーターと呼ばれていた。
ほかにも様々な民族が様々な名前で呼び、
さらには人がこの山に名前をつける前からも存在していた。
この山は一体何と言う名前で呼べばよいのか。

一時期ヨーロッパ諸国による世界植民地化政策への反省から
現地(チベット)語のチョモランマが多く使われる時期があった。
しかしそれでは「サガルマーター」はどうなるのか。
チョモランマと呼ぶことは解決にならなかった。
今はまたエベレストと呼ばれる機会が多くなったような気がする。
この山を何と呼ぶべきかという明確な指針は未だ無い。
それでは新しい名前をつけたらどうか。
それを地球人全員が採用するならば問題は解決するだろうか。
それは絶対的な名前だろうか。

地球外生命体のような未知なるものが訪れて
別の名前をつけてしまわないとは言い切れない。
ものに名前をつけるような知性体が
人の未だ知らない次元に存在しないとも限らない。
便宜的に相対的な名前をつけることはできても
絶対的な名前はつけられない。
それは一般名詞にも言えることである。
あれは山なのかマウンテン(mountain)なのか、
それとも別の何かなのか。

万物は絶対的な名前を持つことができない。
万物には本当の名前がない。
万物には絶対的に名前がない。

つまり万物は

絶対無名

である。





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