七七ブログ

タダの詩人「七七」による人心体実験の記録 

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2009-05-14 00:35:38 | 自動書記
灰色の 直線が 奥深く
目つぶしをくれる 
冷えすぎた冷房の中で凍死した
夏の思い出
乾燥した精神が燃える 枯れて
骨が落ちているぞ 拾え
モノリスが俺の墓だ
黒い固まりに押しつぶされた飛行船が別次元で離陸する
終わりに向かって走る始まり
長過ぎる中間地点を圧縮する
鋭い切れ味の素朴を研ぎすませる
奇跡を呼び寄せるためには犠牲にならなければならない
バランスを失って不条理の狂信者となった悪夢の出口
地獄の向こうにある清浄な世界にはもはや誰も住むことができぬ
自らの切実さに切られて滅多刺し
振り上げたハンマーは下ろされる場所がないまま高くかかげられ立ち往生
不動身が死んだ
血液が吹き出て肉体を去ってゆく都市の下水道
聖が暴走列車に乗って暴虐の限りを尽くした時代の遺跡
暗い顔で押しとどめている毎日の裏側に
全てを許すことのない審判の日に出現する永久革命家
遥か高みに降り立つ暗黒神話
この時代それを白日夢の中に見たものが奪う主導権
逃げ道を自ら塞いでしまった窮鼠が猫に返り討ちをくらい
炸裂する衝撃の敗北の中のそのまた負け
誰もがあきらめた憧れを拾ってしまった運命
この世界はいつか反転する 
この世界はいつか逆転する
右回りが左回りになる
光が闇になり闇が光になる
6が9になる
こんなふうに考えられなくなる
こんなふうに生きていけなくなる
やらねばならなくなる
折り返し地点を過ぎた
始めと終わりが分からないのに
真ん中だけはきまっている