「ロミオとジュリエット」は、蜷川さんが過去に3回公演を演出を行っています。
1974年日生劇場 市川染五郎さん(現 松本幸四郎)、中野良子さん
1998年さいたま芸術劇場 大沢たかおさん、佐藤藍子さん
2004年日生劇場 藤原竜也さん、鈴木 杏さん
4回目の今回は、過去のものとの一番の違いは、オールメールでの上演となったことです。
しかも、今回の劇場は、客席数はわずか300席ほどで、ステージはおよそ8m×15mほどのコンパクトなものです。
客席以外の通路はもちろん、客席上部の通路も総て使っての上演でした。
劇場内は黒のイメージで、劇団四季のハムレットをイメージする方もいらっしゃるかも知れません。
天井には大きなシャンデリアが吊り下げられ、シーンに応じてセットされます。
ステー上のセットは、ミニマムなものが暗転中にセットされるのみです。
若手の俳優中心にキャスティングしながら、ベテラン勢も加えて要所を締めています。
エネルギッシュな舞台は、順序が逆と言われそうですがウエストサイドストーリーをイメージさせるほどで、前から2列目で俳優の出入り通路脇に座っていましたが、両家の若者たちの乱闘では、迫力に押され思わず身体を避けてしまうほどでした。
蜷川さんの演出ゆえに、序盤で観客いじりもあれば、コミカルな部分も多分にあります。
しかし、それ以上に松岡和子さん訳の台詞は、日本語の美しい響きを存分に楽しませてくれます。
ご贔屓さんへのメッセージに使いたいなんて一瞬考えたりしましたが、冷静になると単なるラブレターになりそうなのでムリですが・・・。
ロミオとジュリエットが互いの思いを伝えるシーンは、上手奥最上部の通路上にジュリエットが、ステージ上にはロミオが。
ジュリエットの背後からロミオに向かうライトは、キャッツのヴィクトリアソロのようで、とても印象的でした。
過去の蜷川さんのオールメールシリーズにも出演されていたジュリエット役の月影悠貴さん、今回は台詞を何度かかんでいたのと、時折イントネーションに違和感をかんじることともあって、ちょっと残念でした。
ラスト、ティボルトの遺体、ロミオに殺され横たわるパリス。
ジュリエットの寄り添い服毒死した、ロミオ。
ロミオの死を知り、短剣で自ら命を絶つジュリエット。
客席も涙しているのが、ハッキリ判りました。
キャピュレットとモンタギューが和解した後、エンディングにはとっても驚かされました。
15分の休憩を含めての3時間15分が、あっと言う間でした。
お時間があれば、ぜひ観ていただきたい作品ですし、私も観に行きたいです。
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