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読書感想とロードバイク日記2

週末のお天気の日にロードで走っています。晴耕雨読ならぬ、晴れたらバイク、雨の日は読書の日々

DVD「ブラック・スワン」

2017年10月17日 | 日記
 以前、途中まで見たのだが、その後数年たった今、再度の鑑賞。
 なかなか見ごたえのある心理劇になっていて、さすが心理分析が好きなアメリカだと思った。

 内容紹介は、ネットから。
『『レスラー』のダーレン・アロノフスキー監督と、『スター・ウォーズ』シリーズのナタリー・ポートマンがタッグを組んだ心理スリラー。内気なバレリーナが大役に抜てきされたプレッシャーから少しずつ心のバランスを崩していく様子を描く。芸術監督を演じるのは、フランスを代表する俳優ヴァンサン・カッセル。主人公のライバルを、『マックス・ペイン』のミラ・クニスが熱演する。プロ顔負けのダンスシーン同様、緻密(ちみつ)な心理描写に驚嘆する。

あらすじ
ニューヨーク・シティ・バレエ団に所属するバレリーナ、ニナ(ナタリー・ポートマン)は、踊りは完ぺきで優等生のような女性。芸術監督のトーマス(ヴァンサン・カッセル)は、花形のベス(ウィノナ・ライダー)を降板させ、新しい振り付けで新シーズンの「白鳥の湖」公演を行うことを決定する。そしてニナが次のプリマ・バレリーナに抜てきされるが、気品あふれる白鳥は心配ないものの、狡猾(こうかつ)で官能的な黒鳥を演じることに不安があり……。

映画レポート
(C)2010 Twentieth Century Fox
「ブラック・スワン」激痛と覚醒が観客に感染する。豪華な悪夢を思わせる映画だ
 話の枠はバレエだ。ニナ(ナタリー・ポートマン)というダンサーが苦悩する映画だ。ただし彼女は、芸術を取るか人生を取るかという古典的命題をめぐって苦しむのではない。「赤い靴」とはそこがちがう。私はむしろ、別の映画を連想した。「イヴの総て」と「何がジェーンに起ったか?」の2本。わけても近いのは後者だ。「ジェーン」はサイコパスの映画だった。動けない姉と狂った妹の百年戦争。光と影の落差が激しい画面で、メロドラマとスリラーとゴシック・ホラーが入り混じる。おや、この構造は「ブラック・スワン」と似ていないか。
「ブラック・スワン」に姉妹は出てこない。が、ニナを取り巻く女たちは、彼女の天敵であるとともに彼女の分身だ。競争相手のリリー、過保護で過干渉の母親エリカ、もと花形のベス。そしてだれよりも、ニナはニナ自身に苦しめられる。白鳥は踊れても黒鳥を踊れないニナ。踊るためには、自身のデーモンを解き放ってやる必要がある。だが、そんなことが簡単にできるのか。そもそも、彼女にはデーモンが備わっているのだろうか。
 監督のダーレン・アロノフスキーは、ここで一気に負荷をかける。オーバーロード、オーバードライブ、オーバー・ザ・トップ。似たような言葉が私の脳裡で一斉に明滅する。同時に映画のテンションも急激に高まる。現実と妄想の境界線は溶け合い、映画は強力な薬物のように観客の脳髄に侵入する。
 ここが「ブラック・スワン」の勇敢なところだ。いや、勇敢というより無謀に近い大胆さか。「赤い靴」が追求した二元論はすでに吹き飛ばされている。ニナは、芸術と人生を串刺しにして……いや自分自身をも突き貫いて、世界の中心に迫っていく。その激痛、その覚醒は観客にも感染する。これは、映画が豪華な悪夢になりうることを証明した作品だ。(芝山幹郎)

・・・バレエの監督のフランス人役、とても迫力がありまた同時に芸術家の怪しい部分もかもしだし好演している。バレエの舞台裏もちょっと知っており、身につまされると言うか共感するところ大だ。
・・・主役のナタリー・ポートマンはあの「レオン」に出演した子役の子で懐かしかった。
・・・怖いものが平気な方にお勧めです。

DVD「バタフライ エフェクト」

2017年10月16日 | 日記
久しぶりにレンタルで映画を見た。
バタフライエフェクトは地球の裏側で蝶が羽ばたくと、それが大きな気候変動を及ぼす・・・というような話で、「風が吹けば桶屋が儲かる」に近い感じ。

これを映画仕立てにしたものだが、結構複雑で、最初はよくわからず、途中でネットで「ネタバレ」解説まで読んでしまったが、最後のシーンでは感動したのです。

内容紹介は、ネットの映画評を引用。映画批評家の前田有一氏のもの:
『『バタフライ・エフェクト』99点(100点満点中)
運命に挑戦した男の切ないラブストーリー

アシュトン・カッチャー主演のタイムスリップ系サスペンス。アシュトン・カッチャーは米国ではTVのバラエティ番組等に出演し、アイドル的人気を博す若手俳優だが、日本ではそれほど知名度が高くない。『バタフライ・エフェクト』は非常にシリアスで感動的な物語であるのだが、多くの日本人にとっては主人公役の彼に対する先入観がないであろうから、よりニュートラルに本作を楽しめると思う。そうした点まで含めて判断した高得点である。
主人公(A・カッチャー)は少年時代、記憶が時折ブラックアウトする症状に悩まされていた。成人後はすっかりよくなったかに見えたが、ある日当時の日記を読み返した彼は、失った記憶を突然取り戻した。しかもその恐るべき記憶を、彼はあとから変更する事ができるのだった。
さて、現在もこの主人公は、幼馴染の少女に恋をしている。ところがその女の子とは、よくわからないうちに疎遠になってしまっていた。なぜ理由がわからないかというと、「何か大変なことがあったらしい」肝心な部分の記憶が失われているからだ。
その虫食い部分の記憶こそが、まさに驚愕の事実というやつで、主人公が覚えていない時間帯にトンデモない事がおきていた事がわかる。ああ、こうなると知ってりゃあんな事するはずないのに! 変えたい、過去を変えたい! ……誰もがそう思うだろう。
そして、この主人公にはそれを行う能力があった。失われた記憶の瞬間に向け一種のタイムスリップを行い、史実通りのA選択ではなく、B選択をしてやりなおす。そういうことができる能力があったのだ。
「そうか、よかったね、じゃあハッピーエンドだね」と思うだろうか。それはあまりにお気楽な発想というものだ。この映画のタイトルは『バタフライ・エフェクト』。蝶のはばたきが地球の裏側では竜巻を引き起こすという、カオス理論を象徴する言葉だ。つまり、「主人公が良かれと思って変えた過去のちょっとした選択が、とんでもない未来を巻き起こす」のである。
彼は、愛する彼女の人生を救うために過去に戻って「誤り」を修正したはずだった。しかし時間の法則はあまりに残酷で、彼女と彼の人生は、主人公がまったく予想もしなかった方向に転落してゆく。そして、そのたびに彼は何度も過去に戻り、自らの人生をやり直すのだ。たとえ何度地獄を見ることになろうとも……。これは愛する女性のため、気まぐれで残酷な「運命」に挑みつづけた、ひとりの男の物語だ。
次々明らかになる恐るべき記憶、ミスを修正したはずなのに全く望みどおりにならない未来。果たしてどこが真の分岐点だったのか? 何度もやり直す彼の人生に、やがて訪れる破滅の予感……。
すこぶるエキサイティングで知的なスリラーだ。全編まったく緊張感が途切れず、あたかもクライマックスの連続のよう。とてつもなく残酷な展開でありながら、この上なく感動的な愛の物語でもある。
ジグソーパズルのように綿密に組み立てられた脚本は、見終わった後、観客の頭の中のすべての謎が氷解し、心震わす感動を与える良質なものだ。今年ここまで紹介してきたすべての映画の中で、『バタフライ・エフェクト』こそナンバー1、ベストであると断言しよう。ほとんど完璧といっていい見事な映画だ。
ではマイナス1点は何か? 実はこの映画、もとはエンディングがちょいとこの公開バージョンとは違っていたのだ。そのエンディングの方がディレクターズカット版ということだから、恐らく監督が最初に意図したものであったのだろう。私はそれを直接見てはいないが、宣伝会社の人懐っこいお姉ちゃんに聞いたところによると、確かにそういう終わり方もあるね、と思わせる結末であった。
しかし正直なところ、結末だけそうしてしまうと、明らかにストーリーの終盤に矛盾が生じる。私はこの公開版のエンディングのほうが整合性の面でずっと良いと思う。しかし、これがまた憎たらしいところで、この公開版のエンディングだと最も大きな伏線に小さな矛盾、というか釈然としない要素が残ってしまうのである。それも無理はない。なぜならその最大の伏線こそ、ディレクターズカット版の結末に合わせて作られた伏線であるからだ。
まあ、サラリと見た観客は恐らく気づかない程度の事だとは思うが、ここまでパーフェクトにくみ上げられていただけに、唯一残されたキズのようでどうしても惜しい。そこでマイナス1点というわけだ。
ともあれ、私は強く『バタフライ・エフェクト』をオススメする。日本では、ほうっておくとすぐに公開終了となりかねないマイナーな作品だが、こういう映画を紹介できるからこそ、このサイトをやっているようなものだ。ぜひ皆さんにも、こういう傑作を見て欲しいと願う』

・・・最後に最初の場面で机の下でメモを書くシーンにもどる。その意味が最期に分かる仕掛けも非常に印象的だ。ここも感動的なところ。
・・・この解説の「唯一残されたキズ」なる伏線が分からなかった。一度見て見つけてください。お勧め映画です。

「メディアの驕り」

2017年10月12日 | 日記
廣淵升彦(新潮新書)

 本当今のマスコミは変ですよね。トランプ大統領がフェイク・ニュースと言うのも分からなくもないと思えるほどだ。都合の良いことだけを報じて、国家を滅ぼす恐れもある。おまけに「社会の木鐸」気取りで、国民を下に見る。いい加減にしませんかですね。
 この問題をテレビ出身の著者が説く。

内容紹介は
『プラスとマイナスが逆転した価値観、過剰な「社会の木鐸意識」、あいかわらずの中東音痴……いったいなぜ、日本のメディアは間違うのか。「水玉のタイはクリーンの象徴」「ベニスの商人=悪人」論など、かつてのミスリード報道を実例として挙げながら、その背後にある驕りの構造をひもとく。情緒的平和願望に流され、知性と教養をおろそかにしたままでは、国の未来は危うい。ベテランジャーナリストによる渾身の論考』

・・・でも疑問が二つ。①今まで黙っていたのはなぜ? 著者は80代ですから定年で辞めたのしても数十年間はどうしていたのだろう。もっと発言していたのか。
②「ベニスの商人」論のところは、一応、「ベニスの商人」に出てくるシャイロックという金貸しを意識して、その出典であるシェイクスピアの作品をあげているだけではないか? 『商人』自体を”悪人”の代表としているわけではないと思うがどうでしょう?

・・・痛快だから読んで面白い。ド・ゴールの話で、リーダーは孤独だと言う点、確かに「お友達」を造ったり部下に忖度されるようじゃあ、総理としては問題でしょう。心を入れ替えてもらえませんか?
お勧めです。

「ミレニアム3」

2017年10月05日 | 日記
スティーグ・ラーソン(ハヤカワ文庫)

 副題が「眠れる女と狂卓の騎士」で、意味は読まないと分からない。
 これで一応1・2・3と完結である。
 3は法廷劇の要素もあって、面白い。
 内容紹介は
『宿敵ザラチェンコと対決したリスベットは、相手に重傷を負わせるが、自らも瀕死の状態に陥った。だが、二人とも病院に送られ、一命を取りとめる。この事件は、ザラチェンコと深い関係を持つ闇の組織・公安警察特別分析班の存在と、その秘密活動が明るみに出る危険性をもたらした。危機感を募らせた元班長は班のメンバーを集め、秘密を守る計画を立案する。その中には、リスベットの口を封じる卑劣な方策も含まれていた。 世界中に旋風を巻き起こした驚異のミステリ三部作、ついに完結! 』

・・・スエーデン語での名前や、ストックホルムの地名、通りの名前なども慣れてきたが、登場人物の多さに時々混乱する。しかし、下半身のセックス関係も多くてちょっと辟易?ですわ。
これで、お仕舞、完結と思ってもまだ50ページほども残っており、さてなんだろうと推測したら、その通りになったので、わが推理力も捨てたものではないか、と思った。
・・・その後4も出たけど作者は違ってるようです。
さて、映画も見てみるかな?
 

「雪の香り」

2017年10月02日 | 日記
塩田武士(文芸春秋)

 完読できなかったのでここで紹介するのは・・・と思ったけれど、まあ、こういう読者もいるということでお許し願いたい。
 ストーリーが面白そうで、また『罪の声』の作者だったから期待したのだけれど、京都弁というのか関西弁で「東」の人間には読みにくくて、ついにギブアップだった。

内容紹介は
『2012年京都、新聞記者の風間恭平は、馴染みの刑事からある横領事件のメモ書きを見せられ、驚愕する。北瀬雪乃──十二年前、大学生だった風間のもとに転がり込み、ある日ふと姿を消した最愛の人の名が、そこに記されていたのだ。そしてその雪乃はその数カ月前、再び恭平のもとに戻っていた……。
2000年、二人の愛と笑いに満ちた日々と、2012年、事件の真相を追う恭平の視点が絡み合うように進む中、警察や事件関係者との虚々実々の駆け引きの中で明らかになる、哀しき真相とは?? 『盤上のアルファ』で鮮烈なデビューを飾ってから3年、著者が書き終えたくないほどの情熱を注いだ、感動必至の純愛ミステリーの誕生です。

(重複するけど)
舞台は京都。新聞記者・恭平は捜査情報の中に、十二年前に失踪した学生時代の恋人・雪乃の名前を見つけ、驚愕する。なぜ彼女は消えたのか?取材を進める中で浮かび上がる雪の秘密。そして物語は運命の日、祇園祭の宵山へ…。気鋭の著者が「書き終えたくない」ほどの情熱を注いだ純愛ミステリーの傑作が誕生しました』

著者は、
塩田/武士
1979年兵庫県生まれ。関西学院大学卒。神戸新聞社に入社後、2010年『盤上のアルファ』で第五回小説現代長編新人賞を受賞しデビュー。同作は第二十三回将棋ペンクラブ大賞文芸部門大賞を受賞。2012年神戸新聞社を退社

・・・関西弁でも大丈夫な方にお勧め。