やっと普通のことが書けるーーー!!
と、その前にトランス後記――。
東京事変のセカンド・シングル『遭難』に入っている「心」という素晴らしい曲があるのですが、<心と云う毎日聞いているものの所在だって 私は全く知らない儘大人になってしまったんだ>と歌われています。やっぱり! 「心」と「体」を超越している人の表現やわ~。ちなみに林檎ちゃんはソロ時代、<心>という言葉は「あおぞら」という曲でしか使っていません。心って何だろうって思って分かんないから使わないということみたいで。そんな人が「心」という曲を作ったんですよ! しかも昨年の誕生日に自分の誕生日を祝ってくれる人のために作ったらしいんですよ! なんで心の所在が分からないかって、そりゃ貴方、これが心そのものだからですよ! それに、Syrup16gの「リアル」。<本当のリアルはここにある>。そうです! 「心」も「体」も「もう一人の自分」も含んでいる「全自分」がそこにあるんです! そして、ふいにエレファントカシマシの「必ずつかまえろ」を思い出した。<自由なんて瞬間なんだ 感じるものさ>。そう、「心」と「体」を超越して「自由」を感じる瞬間なんて一瞬なんだよ! この曲全部まんまそれ。歌詞読んで勝手にビックリさせてもらった。引用しようと思ったらほぼ全部だった(だから引用はこれだけにしておいた)。
――と、自分が書いた内容と勝手にリンクさせて言い聞かせて喜んでいる私でございました。しょーもない。しかし、こんな風にして、トランス状態から抜けさせてもらうのでした。ちゃんちゃん。
というわけで本題。カナダのスティルズというバンドのライヴに行ってきた。今年の6月にファースト『ロジック・ウィル・ブレイク・ユア・ハート』を出し、フジロックとそのアフター・パーティーにも出演した、「最近気になるアーティスト【洋楽編】」でも取り上げたバンド。キラキラしてるのに憂鬱で気だるくて切ないそのサウンドと詞世界に何気なく魅了されたのだが、ライヴまではどうしようかな~と悩んでいて。でも、外国のアーティストは一回来日を逃すとなかなか次来てくれなかったりするから、やっぱり行っておこうかな~と、そんな軽~い気持ちでチケット取っておいたんだけど、いやぁ、行って良かった! 久々にええもん観させてもらいました!って感じ。こんなに良いなんて。CDじゃ、全然その魅力が伝わり切ってないよ! もったいない!
この日は前座にOCEANLANEという日本のバンドが出た。日本のバンドといっても、一人は外国人?ハーフ? 数曲での、サポート・ギターを入れたトリプル・ギターは分厚かったぁ。ギターの音が好きなんだろうなぁと思った。映画『16歳の合衆国』にインスパイアされて書いたという「Out Of Reason」って曲が良かった。ストリングスの音と絡めて綺麗な曲だった。オアシスっぽい? っていうかUKっぽい? その次にやった曲「Ships And Stars」も良かった。特に説明があったわけじゃないけど、この曲はバンドの代表曲なんだろうなって思った。ずっとバンドと一緒に歴史を歩んできたんだろうなって。そういう曲っていうのは、やっぱり、そのバンドの歴史とかが滲み出てくるんだろうね(違ってたらアレだけど…笑)。最後は、「Sign」って曲だったろうか、40分くらいのライヴだった。
そう言えば、ここ「リキッドルーム恵比寿」は初めての会場。新しいしやっぱり綺麗。カフェやロビーもあって広々してるのが良い。ライヴ・スペースは、渋谷クアトロと旧・新宿リキッドを足して2で割って綺麗にした感じ? 場所も恵比寿で、渋谷や新宿の喧騒とはまた違った空気で良いんではないだろうか。しかし今日の客はおシャレな人が多かった気がするな。外人も結構いたし。でもスティルズの感じからするとそれも分かる気がする。素敵な感じなんだよね、4人とも。
スティルズの登場を待つ間、スキンヘッドのR.E.M.みたいな人が(私よく分からないし目悪いから全然似てないかも知れないけど)、ちょろちょろちょろちょろ何回も楽器のチェックしてるから、まだかな~まだかな~、あ!またR.E.M.が!と心の中で呟いておりました。ドラムセットがステージ向かって右側にセッティングされてた。なるほど。このスティルズはもともとドラムのデイヴ・ヘイムリンとヴォーカル&ギターのティム・フレッチャーが始めたバンドで、ほとんどの曲をデイヴが書いているらしいから、ドラムも前線に置くのかな? スクリーンも用意され、VJありらしい。
そしてメンバーが登場するや否や、その佇まいが何ともまぁ素敵で。どう表現したら良いのだろうか。ジョイ・ディヴィジョンやニュー・オーダーが引き合いに出されるのも分かる気がするね、こりゃ。「ローラ・スターズ・アンド・ストライプス」から始まって3曲目くらいまでアルバムの曲順通り(そのままアルバムの順番通りやるのかと思った)。特に1曲目のベースにはびっくりしちゃいました。こんなにゆっくりグルーヴしながらコチラの気持ちを昂ぶらせていくなんて。
演奏もヴォーカルも素晴らしく血の通ったものだった(サポート・キーボードあり)。CDで感じたキラキラした気だるさは、こんなにも情熱的で激しいものに裏打ちされていたのかと驚いてしまった。それとともに、申し訳ない気持ちともったいないという気持ちが込み上げてきた。だって、CDからナイーヴで小奇麗なライヴをみせてくるのかと思っていたら、こんなにも熱く激しいものをみせてくるんだもの。まさか“血”を感じるとは思わなかったよ。非常に官能的で、体内に侵入してくるし、犯されてしまうんではないかと思った(笑)。これがCDにも封じ込められればなぁ。ああ、もったいない! ああ、惜しい! CDではピンと来なかった人も、ライヴ観たらこれ変わるよ。これがCDにも反映されれば、もっと人気出るはず!
そして、「スティル・イン・ラヴ・ソング」。<I'm still in love(いまでも愛してる)>、なんて切ない歌なんだ! そしてダンサブルな曲。スティルズが何故こんなにも切なくて官能的なのか分かった! それはこの音に込められた想いが、片想い、届かぬ想いだからなんだ! しかも、その相手はもうここには居ないって感じ。星を見つめて、「ああ、これは何百年も前の光なんだよなぁ」と感じる、あの気持ちに近い。スティルズは、何百年も前に光っていた星の光を今届けにきたバンドなのか? バンド名の「スティルズ」もなんかそんな感じだし。ああ、切ない。でも、出会えて良かったぁ。
新曲が披露されたんだけど、これがまたスティルズらしくない! キーボードがリズムを刻むちょっと陽気な曲で。こんな曲も出てきてるのかぁ。こりゃ今後が楽しみ。最後は「イエスタデイ・ネヴァー・トゥモロウズ」で、デイヴがヴォーカルをとる。アルバム中、1曲だけデイヴがヴォーカルの曲があるって聞いてたけど、この曲だったのかぁ(聴き分けられなかった…)。打ち込みの音に乗せて、ハンドマイクで楽しそうに歌うデイヴ。さっきまで背筋をピンと張って誠実なのに投げやりにも見える叩き方で(でも正確)ドラムを叩いていたけど、歌う前に「イッツ・ジョーク」とか言ってとてもリラックスした感じ。ティムもスピーカーの上に乗ったりして、さっきまでの官能的な雰囲気とは違って解放的にギターを弾いている(でも色っぽさはどうやっても隠し切れないのよね)。ベースのオリヴァー・クロウはやんちゃですねぇ。最後、客席にダイヴして客と触れ合って踊ってました。リード・ギターのグレッグ・パケットは物静かで可愛い。ちょっと何考えてるか分からないけど(笑)。淡々と、でも確実にギターを弾いていた。そんな風に、最後の曲では、さっきまでの官能的な雰囲気とは打って変わって、突然少年のように飛び跳ねるものだからもう、男の人って素敵ですね。しかし最後はしっかり、スクリーンの映像と音が合うようにセットしてから帰っていきました。誰も居なくなったステージにその音と映像が浮かび上がる。
カナダ出身だからなのか、イギリスのバンドにもアメリカのバンドにもないものを感じた気がする。ライヴ行くのさえ迷っていたのに、観終わった後は、次来たら行かなくちゃ! CDも早く次出さないかな~と高揚していた私でありました(でも「レッツ・ロール」聴きたかったな)。どうにかして、ライヴでみせてくれた魅力をCDにも反映させてくれぃ! 今日の血の匂いをさぁ!
と、その前にトランス後記――。
東京事変のセカンド・シングル『遭難』に入っている「心」という素晴らしい曲があるのですが、<心と云う毎日聞いているものの所在だって 私は全く知らない儘大人になってしまったんだ>と歌われています。やっぱり! 「心」と「体」を超越している人の表現やわ~。ちなみに林檎ちゃんはソロ時代、<心>という言葉は「あおぞら」という曲でしか使っていません。心って何だろうって思って分かんないから使わないということみたいで。そんな人が「心」という曲を作ったんですよ! しかも昨年の誕生日に自分の誕生日を祝ってくれる人のために作ったらしいんですよ! なんで心の所在が分からないかって、そりゃ貴方、これが心そのものだからですよ! それに、Syrup16gの「リアル」。<本当のリアルはここにある>。そうです! 「心」も「体」も「もう一人の自分」も含んでいる「全自分」がそこにあるんです! そして、ふいにエレファントカシマシの「必ずつかまえろ」を思い出した。<自由なんて瞬間なんだ 感じるものさ>。そう、「心」と「体」を超越して「自由」を感じる瞬間なんて一瞬なんだよ! この曲全部まんまそれ。歌詞読んで勝手にビックリさせてもらった。引用しようと思ったらほぼ全部だった(だから引用はこれだけにしておいた)。
――と、自分が書いた内容と勝手にリンクさせて言い聞かせて喜んでいる私でございました。しょーもない。しかし、こんな風にして、トランス状態から抜けさせてもらうのでした。ちゃんちゃん。
というわけで本題。カナダのスティルズというバンドのライヴに行ってきた。今年の6月にファースト『ロジック・ウィル・ブレイク・ユア・ハート』を出し、フジロックとそのアフター・パーティーにも出演した、「最近気になるアーティスト【洋楽編】」でも取り上げたバンド。キラキラしてるのに憂鬱で気だるくて切ないそのサウンドと詞世界に何気なく魅了されたのだが、ライヴまではどうしようかな~と悩んでいて。でも、外国のアーティストは一回来日を逃すとなかなか次来てくれなかったりするから、やっぱり行っておこうかな~と、そんな軽~い気持ちでチケット取っておいたんだけど、いやぁ、行って良かった! 久々にええもん観させてもらいました!って感じ。こんなに良いなんて。CDじゃ、全然その魅力が伝わり切ってないよ! もったいない!
この日は前座にOCEANLANEという日本のバンドが出た。日本のバンドといっても、一人は外国人?ハーフ? 数曲での、サポート・ギターを入れたトリプル・ギターは分厚かったぁ。ギターの音が好きなんだろうなぁと思った。映画『16歳の合衆国』にインスパイアされて書いたという「Out Of Reason」って曲が良かった。ストリングスの音と絡めて綺麗な曲だった。オアシスっぽい? っていうかUKっぽい? その次にやった曲「Ships And Stars」も良かった。特に説明があったわけじゃないけど、この曲はバンドの代表曲なんだろうなって思った。ずっとバンドと一緒に歴史を歩んできたんだろうなって。そういう曲っていうのは、やっぱり、そのバンドの歴史とかが滲み出てくるんだろうね(違ってたらアレだけど…笑)。最後は、「Sign」って曲だったろうか、40分くらいのライヴだった。
そう言えば、ここ「リキッドルーム恵比寿」は初めての会場。新しいしやっぱり綺麗。カフェやロビーもあって広々してるのが良い。ライヴ・スペースは、渋谷クアトロと旧・新宿リキッドを足して2で割って綺麗にした感じ? 場所も恵比寿で、渋谷や新宿の喧騒とはまた違った空気で良いんではないだろうか。しかし今日の客はおシャレな人が多かった気がするな。外人も結構いたし。でもスティルズの感じからするとそれも分かる気がする。素敵な感じなんだよね、4人とも。
スティルズの登場を待つ間、スキンヘッドのR.E.M.みたいな人が(私よく分からないし目悪いから全然似てないかも知れないけど)、ちょろちょろちょろちょろ何回も楽器のチェックしてるから、まだかな~まだかな~、あ!またR.E.M.が!と心の中で呟いておりました。ドラムセットがステージ向かって右側にセッティングされてた。なるほど。このスティルズはもともとドラムのデイヴ・ヘイムリンとヴォーカル&ギターのティム・フレッチャーが始めたバンドで、ほとんどの曲をデイヴが書いているらしいから、ドラムも前線に置くのかな? スクリーンも用意され、VJありらしい。
そしてメンバーが登場するや否や、その佇まいが何ともまぁ素敵で。どう表現したら良いのだろうか。ジョイ・ディヴィジョンやニュー・オーダーが引き合いに出されるのも分かる気がするね、こりゃ。「ローラ・スターズ・アンド・ストライプス」から始まって3曲目くらいまでアルバムの曲順通り(そのままアルバムの順番通りやるのかと思った)。特に1曲目のベースにはびっくりしちゃいました。こんなにゆっくりグルーヴしながらコチラの気持ちを昂ぶらせていくなんて。
演奏もヴォーカルも素晴らしく血の通ったものだった(サポート・キーボードあり)。CDで感じたキラキラした気だるさは、こんなにも情熱的で激しいものに裏打ちされていたのかと驚いてしまった。それとともに、申し訳ない気持ちともったいないという気持ちが込み上げてきた。だって、CDからナイーヴで小奇麗なライヴをみせてくるのかと思っていたら、こんなにも熱く激しいものをみせてくるんだもの。まさか“血”を感じるとは思わなかったよ。非常に官能的で、体内に侵入してくるし、犯されてしまうんではないかと思った(笑)。これがCDにも封じ込められればなぁ。ああ、もったいない! ああ、惜しい! CDではピンと来なかった人も、ライヴ観たらこれ変わるよ。これがCDにも反映されれば、もっと人気出るはず!
そして、「スティル・イン・ラヴ・ソング」。<I'm still in love(いまでも愛してる)>、なんて切ない歌なんだ! そしてダンサブルな曲。スティルズが何故こんなにも切なくて官能的なのか分かった! それはこの音に込められた想いが、片想い、届かぬ想いだからなんだ! しかも、その相手はもうここには居ないって感じ。星を見つめて、「ああ、これは何百年も前の光なんだよなぁ」と感じる、あの気持ちに近い。スティルズは、何百年も前に光っていた星の光を今届けにきたバンドなのか? バンド名の「スティルズ」もなんかそんな感じだし。ああ、切ない。でも、出会えて良かったぁ。
新曲が披露されたんだけど、これがまたスティルズらしくない! キーボードがリズムを刻むちょっと陽気な曲で。こんな曲も出てきてるのかぁ。こりゃ今後が楽しみ。最後は「イエスタデイ・ネヴァー・トゥモロウズ」で、デイヴがヴォーカルをとる。アルバム中、1曲だけデイヴがヴォーカルの曲があるって聞いてたけど、この曲だったのかぁ(聴き分けられなかった…)。打ち込みの音に乗せて、ハンドマイクで楽しそうに歌うデイヴ。さっきまで背筋をピンと張って誠実なのに投げやりにも見える叩き方で(でも正確)ドラムを叩いていたけど、歌う前に「イッツ・ジョーク」とか言ってとてもリラックスした感じ。ティムもスピーカーの上に乗ったりして、さっきまでの官能的な雰囲気とは違って解放的にギターを弾いている(でも色っぽさはどうやっても隠し切れないのよね)。ベースのオリヴァー・クロウはやんちゃですねぇ。最後、客席にダイヴして客と触れ合って踊ってました。リード・ギターのグレッグ・パケットは物静かで可愛い。ちょっと何考えてるか分からないけど(笑)。淡々と、でも確実にギターを弾いていた。そんな風に、最後の曲では、さっきまでの官能的な雰囲気とは打って変わって、突然少年のように飛び跳ねるものだからもう、男の人って素敵ですね。しかし最後はしっかり、スクリーンの映像と音が合うようにセットしてから帰っていきました。誰も居なくなったステージにその音と映像が浮かび上がる。
カナダ出身だからなのか、イギリスのバンドにもアメリカのバンドにもないものを感じた気がする。ライヴ行くのさえ迷っていたのに、観終わった後は、次来たら行かなくちゃ! CDも早く次出さないかな~と高揚していた私でありました(でも「レッツ・ロール」聴きたかったな)。どうにかして、ライヴでみせてくれた魅力をCDにも反映させてくれぃ! 今日の血の匂いをさぁ!