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sky is blue

言わなければよかったのに日記

スピッツ “さざなみOTR”

2007-12-02 22:44:24 | ライヴ
友達にスピッツの大ファンがいて、その人に誘われて、スピッツのライヴに行ってきた。アルバム『さざなみCD』発売後の“さざなみOTR”というツアーで、場所は川口リリア・メインホール。スピッツのライヴは、イベントで一回観たことがあるんだけど、ワンマンは初めて。

ライヴは、「チェリー」からスタートして、『さざなみCD』から全曲と、「夜を駆ける」や「8823」、「ハチミツ」、「ヒバリのこころ」、「けもの道」などをやったかな。あと、「俺のすべて」も。間違ってたらごめんなさい。
「8823」が聴けて嬉しかったけど(椎名林檎もライヴでカヴァーしてたよね?)、ライヴではよくやるんだそうだ(友達談)。「ヒバリのこころ」も大体やるんだって。「夜を駆ける」も良いよねぇ。「けもの道」も力強い。「ハチミツ」はやっぱり不思議な曲だ。

そして、気付いたんだけど、スピッツは、基本的に「CDと同じ」に演奏するのね。「CDと同じ」にライヴをやるのよ。アレンジもCDとほぼ同じだし、CDをほぼ忠実に再現している。だから、ライヴで聴いた感触も、CDで聴いた感触と変わらないと言えば変わらないんだ。

これを「退屈」と言えば言えるのかも知れないけど、私はそこに彼らの「美学」を感じたよ。まず、言っておかなければならないのは、CDと同じように演奏するってことは、彼らがとても「器用」だってこと。要は、演奏が上手いってことだよね。あと、歌も。

私は、スピッツのようにCDを忠実に再現するようなライヴよりも、音楽的にもっと冒険していたりCDからはみ出してしまうようなライヴの方が好きだ。だけど、この日スピッツのライヴをじっくり体験してみて、彼らには彼らの「美学」があるんだってことを知った気がした。

例えば、ライヴに限った話じゃなく、スピッツの曲は、私からしたら、良い曲ではあるんだけど、「似たような曲ばっかりだなぁ」と思っていたところもあるのよ。しかし、よくよく聴いてみると、新しいサウンドや試みを取り入れたりしてて、小さいかも知れないけれど確かに変化しているのよね。それでも「同じように」聴こえてしまうのは、それが彼らの越えられない壁であり限界なのかと思っていたんだけど、そうではなくて、どんなことをしていても、「同じように聴かせる」ことが彼らの目的であり「美学」なのかな~って思ったんだ。

確かに、「似たような曲だなぁ」と思うところはある。けれど、それならどうして、こんなにも感触が「フレッシュ」なんだろう。

変化し続ける「ロック」はカッコ良い。
けれど、スピッツのようなやり方を貫いていった先にも、「何か」はあると思った。「継続は力なり」と言うけれど、「まだやってんのかい!」っていう先にも「素敵な何か」はある気がするのよ。というか、そう思いたいのよ。だって、「音楽は美しい」って、そう思いたいじゃない。

スピッツには「守りたいもの」があるんだろうなぁ、そう思った。

草野マサムネは、「これからも、ちょっとずつ変化しながら、変化といってもこれが難しいんだけど、やっていきたいと思います」というようなことを言っていた。スピッツは、2007年で「結成20年」だそうだ。

それを記念して『旅の途中』という本が出ているらしい。
スピッツの貫く先に何があるか、見てみたい人は行けば良いし、そうじゃない人はまた別の旅を行けば良い。

自分の愛すべき音楽を愛して、そしてそれが美しい音楽でありますように。


3 Great American Voices

2007-11-10 00:38:09 | ライヴ
アメリカ出身の3人のディーバが競演する、『3 Great American Voices』に行ってきた。
出演は、キャロル・キング/メアリー・J.ブライジ/ファーギー。

キャロル・キング。私は、大ヒットアルバム『つづれおり』しかちゃんと聴いたことがない。しかし、ビートルズ(ジョン・レノンとポール・マッカートニー)は、キャロル・キングとジェリー・ゴフィンによるソングライター・チーム「ゴフィン=キング」に憧れて、クレジットを「レノン=マッカートニー」にしたという話を知っている。そんな人のライヴを体験できる日がくるなんて。

このイベント、会場ごとで出演順が違っていたようだ。私が行った日は、ファーギー、キャロル・キング、メアリー・J.ブライジの順番。

●ファーギー
私にとっては、ブラック・アイド・ピーズの人という印象が強いのだが、それはただ単に、私がブラック・アイド・ピーズしか聴いたことがなかったから。パワフルなヴォーカル、声量に驚く。途中、側転しながら歌ってたよ。ブラック・アイド・ピーズのメドレーで、「ホエア・イズ・ザ・ラヴ」が聴けて嬉しかったのだが、本当にさわりだけだったので、オマケという感じ。

●キャロル・キング
基本的にものすご~くシンプルで、質素という言葉はこのためにあるというくらいのアコースティック構成で、それによって、自分がいかにエレクトリックな音楽、もっと言えば、デジタル・ミュージックに囲まれて生活しているんだってことを思い知る。キャロル・キングは、まるで「音楽とは本来こうやって鳴らすものなのよ」と教えてくれているかのようなのだが、機械の音を愛してしまっている自分もいる。確かにいる。

こんなシンプルな構成でも成立してしまうのは、本当にバカみたいに単純な話ではあるが、「メロディの良さ」なのだろう。私はこの日、メロディにも「温度」があるってことを知った。だって、それは本当に温かくて、気付くと心がぽっかぽかになっていたんだから。

そして、思った。音楽の形態がどのように変化していっても、この「ぽっかぽか」だけは守っていかなければならない。機械の音にだってあるんだよ。「ぽっかぽか」がある音とそうでない音とが。デジタル・ミュージックで育った世代なら、それを嗅ぎ分けてみせよう!

そして、

古い音楽の中にある“未来”に、新しい音楽の中にある“伝統”に、気付いていこう!

●メアリー・J.ブライジ
メアリーといえばさ、『MTV THE SUPER DRY LIVE 2004』で「あゆ」と競演してんのよ! そのときはね、出演順に、浜崎あゆみ、グッド・シャーロット、PE'Z、m-flo loves who?、ミッシー・エリオット、メアリー・J.ブライジが出たの。これは、『MTV Video Music Awards Japan 2004』の「最優秀ライヴパフォーマンス賞」のノミネートアーティストでもあって、この6組の中から、あゆが見事「最優秀ライヴパフォーマンス賞」に選ばれたのよねぇ。(あゆは他にも、「最優秀女性アーティストビデオ賞」と「最優秀ポップビデオ賞」を受賞して「3冠」だったの)

って、ついつい「あゆ」の話をしてしまったよ。ライヴの話に戻らないと。

メアリー、歌い上げたり、歌い上げたり、歌い上げたり、とにかく歌い上げる! 張り上げる!
この日は3番目だったので特別に気合が入っていたのか、いつもこんな調子なのかは分からないけれども、もう半端ない感じ。

あまりにもすべてを歌い上げるものだから、すべて同じに聴こえてしまうのですが、でも、すべて同じで良いのかも知れません。

●3人のディーバ競演
最後、3人が出てきて一緒に歌った!

こういうの嬉しいし、好きなんだよねぇ。たとえ、自分が興味のないアーティストや苦手なアーティストであっても、こういう色々なアーティスト同士が一緒にやるっていうのは、ドキドキするし、私は好きです。

「ナチュラル・ウーマン」を歌ったんだけど、もうなんか、3人が一緒にそれぞれの持ち味でもって歌い合っているその光景だけで、感動もんだったよ。おいしいところは全部、メアリーが持っていったんだけどね(笑)。でも、なんか、ちゃんと響き合ってた気がするなぁ。

今回の3組の組み合わせ、もしかしたら、「なんで?」って思われるようなものだったのかも知れないけど、「ナチュラル・ウーマン」のあの感動的な盛り上がりは、それが確かな何かで繋がっていた証拠だと思う。

ま、「音楽が大好き」って、そういうことかなぁ。


全力投球ホフディラン ~東パク阪ツアー2007~

2007-07-16 23:45:16 | ライヴ
5月に行われたワンマンライヴで本格的に復活し、6月にアルバム『遠距離恋愛は続いた!!』をリリースしたホフディランが、大阪・浅草・恵比寿でライヴを行った。その中の恵比寿、「LIQUIDROOM」でのライヴに行ってきた。

復活ライヴのときにも書いたが、ホフは私にとって、無条件で楽しめてしまう存在なので、こういうライヴレポ的なものも「楽しかった」としか書けない感じなのだが、それはそれで、とてもすごいことなんじゃないだろうか。

「音楽なんて、楽しけりゃ良いじゃん」なんて簡単に言うけれど、その「楽しい」っていうのが結構大変なことだと思うのよ。理屈を煙たがって、「楽しけりゃ良いじゃん」って言い放つ人いるけど、「楽しくない」から言ってるんだよって時、あるじゃん? 「楽しみたい」って気持ちは、きっと皆、大して変わらないと思うんだけどなぁ。

そういう中で、ホフは、いつでも私が楽しめる音楽を作ってくれるから嬉しい。復活後第一弾アルバム『遠距離恋愛は続いた!!』は、特別新しいことに挑戦したという感じではないけれど、ホフを愛する人にとっては、心地良い既視感が詰まっている素敵なアルバムだ。それでいて、ホフが一度も作っていなかったアルバムでもあると思う。これまでの作品は、ホフディランがホフディランをコントロールし切れていないところがあって、そこが魅力でもあったと思うのだが、今回はなんだかごくごく自然にホフディランだ。
ちなみに、タイトルの『遠距離恋愛は続いた!!』は、1998年のシングル『遠距離恋愛は続く』からきていて、タイトル曲「遠距離恋愛は続いた」は、「遠距離恋愛は続く」のリメイクだ。

そして、この日のライヴも楽しかったのだが、前回の復活ライヴのときよりも、緊張感があって、ホフがグイグイ引っ張っていた。真城めぐみさんとかsarudogとか(鳥まで!)、豪華なゲストありだったけど、ホフがハンドルを握り、ちゃんとホフのペースだったのが嬉しかった。二人の絶妙な掛け合いのMCも聞けたし。

ベイビーが『エビスビール』のCMに出てる(た)らしいんだけど、見たことがない。そういうこともあって、「SUPER DRY」は、“DRY”の部分を“キャー!”に置き換える大人な配慮が(笑)。

田中ゲンショウさんのコーラスが強烈だった(すごすぎ!)、「世界は歌う」が良かった。
特にこの時期は、色々なニュースがあったので(某有名歌手や某有名グループのファンなら分かるはず)、心に沁みた。

この世界は歌う 悲しくてもね
この世界は歌う 苦しくてもね
この世界は歌う さみしくてもね
この世界は歌う ずっといつまでも

この一曲を聴くためだけでも、今日来て良かったと思えたよ。

そんなに大した曲だとは思わなかったのに(ベイビー、ごめん!)、この曲の偉大さに気付かされた。というより、音楽の偉大さに気付かされた。考えてみれば、ベイビーの作る曲っていつもそうだ。

『苦しい時もあるだろさ 悲しい時もあるだろさ それでも いつも歌えるか?』

歌えるよ!歌えるよ!

そして、遠距離恋愛は続いた!!

【メモ】
アンケート用紙にあったクイズ。ホフディランのディレクターが10年以上前に海外のアーティストを担当していた時、あるアーティストとの会食に呼ばれて、最高のステーキを食べたそうです。80年代に最もヒットしたという、その外タレとは? 答えは、「フリオ・イグレシアス」だったそうです。


Syrup16g “DEAD CAN DANCE”

2007-06-03 23:41:53 | ライヴ
今この文章を書いているのが10月なので、もう4ヶ月も前の話でごめんなさい!って感じなのだが、Syrup16g(シロップ16グラム)のライヴに行ってきた。会場は野音。

曲は好きだけど、ここ最近のシロップの活動には、少し違和感を感じていた。違和感というより、「よく分からないなぁ」という感じかな。デビューしてからハイペースで作品をリリースしてきて、「第一期、完結」と銘打った2004年の野音ライヴまでは、そんなことはなかった。

だけど、そこからだんだんとよく分からないことに――。シロップがこの先どうしていきたいのかが、イマイチ伝わってこない。本人達も迷っているのかも知れないが、それならばその“迷い”が伝わってきても良いはずなんだけど、それもあまり感じられないような気がした。迷いがあるとしたら、それは、前に進もうとする上での迷いではなくて、また何か別のものなのだろうか。とにかく、よく分からないんだよなぁ。だから、ライヴがあっても、なかなか足を運ぶ気になれなかった。でも、今回は野音だし、ハイラインレコーズの10周年だというし、“DEAD CAN DANCE”なんていうタイトルまでついてることだし、久しぶりに行ってみることにした。

曲や演奏を聴きながら、やっぱり好きだなぁと思う。
シロップは、インパクトのある歌詞やその内容から、「暗い」と言われたり、それを深く掘り下げられたりしてると思うけど、まず、なんといっても、“音楽的に”好きなんだよね。なんかさ、ロックなんだけど、ダンス・ミュージックにあるような快楽があると思うんだよね。でも、最近流行ってるような所謂「踊れるロック」とは、明らかに違うんだよなぁ。シロップの音楽にある快楽は、ダンス・ミュージックの中でもトランスに近いのかな。

最後に「Reborn」をやり、いよいよ本当にリボーンするか!?と漠然と期待を感じたんだけど、会場を出たら次のライヴ(シロップ企画のイベント『UP TO THE WORLD』)のお知らせがあって、そこに「FINAL」と書かれていた。今ではそのライヴももう終わっているのだけど、結局私は行かなかった。そして、次のツアーは“END ROLL”というタイトルらしい。

シロップの曲は好きだよ。音楽的にもまだまだ色々できるんじゃないかなぁって思ってる。
でも、「Syrup16g」としては、もうやり尽くしてしまったのかなぁ?
やり尽くしたというより、やるべきことはやってしまったという感じなのかなぁ? 使命を果たしたというか。
もしくは、燃え尽きてしまったのかなぁ?

曲は好きだし、この日の演奏にジワッともしたので、なんだか悔しいような気もするけど、この日も結局、よく分からないままだった。

シロップの「音楽」が好きなので(正確には、五十嵐隆の作る音楽か)、それが何らかの形で続いてってくれることを祈っている。

開演前にはクラシックが流れていて、終演後にはジョン・レノンの「マザー」が流れた。
それが妙に怖くて、良かった。

せっかくなので、セットリストを載せておきます。

*** セットリスト (公式サイトより) ***

01. 新曲
02. イエロウ
03. 神のカルマ
04. 新曲
05. I.N.M
06. 不眠症
07. Sonic Discorder
08. 明日を落としても
09. シーツ
10. My Song
11. ex.人間
12. 正常
13. パープルムカデ
14. 翌日
15. Your Eyes Closed

16. もったいない
17. 天才
18. ソドシラソ
19. 落堕
20. 汚れたいだけ

21. 新曲
22. 空をなくす
23. 真空

24. Reborn

こうしてセットリストを見てみると、1曲目に新曲をやってたりして、やる気が感じられるんだよなぁ。ただただ本当に、レコーディングやその他もろもろの事情に悪戦苦闘しているだけなのかなぁ。


ホフディランですよ! 復活復活また復活

2007-05-02 13:21:24 | ライヴ
ホフディラン復活!!

「渋谷O-East」まで、ホフディランのライヴに行ってきました。

ホフディランとは、ボブディランではなく、ビバリーヒルズ高校白書のディランでもなく、渡辺慎(シン・ワタナベイビー)と小宮山雄飛(テンフィンガー・ユウヒ)によるポップ・ユニットです。

ホフディランは、2002年に活動休止、それからそれぞれソロ活動に入り、2006年に復活。復活後初となるワンマンライヴが、この日のライヴだったのです。

私にとってホフは、無条件で楽しめる、癒しのような存在。5年以上ブランクがあったはずなのに、そこはまったく変わっていなかった。

横に小さいステージを作って、2ステージで楽しませてくれたのには驚いた。小さいステージ、大人っぽくって良かったなぁ。

ベースはいつものごとくキタダマキさん。Syrup16gでも弾いている方。ホフとシロップ、ぜんぜん違うバンドのようだけど、「ポップ」だということに関しては、そしてそれを頑なに信じているということに関しては、共通していると言えるんじゃないかな。
それにしても、ホフで弾いて、シロップで弾いて、それを違和感なくこなせちゃうキタダマキさんってすごい。

ミラーマンが登場したり、最後の最後に、友達だというお笑い芸人らしき方々が登場したり、お祝いムードが漂ってたね。だから、本格的な復活はこれから!って感じ。

6月には、アルバム『遠距離恋愛は続いた!!』が出ます(出ました)。