映画『リヴ・フォーエヴァー』に触発されて、ブリットポップにハマっていた頃によく聴いていたCDを引っ張り出しては聴いてます。そういう人、結構いるんだろうな~。せっかくなので、その中から何枚かオススメを紹介したいと思います。とりあえず10枚ピックアップしてみました。これに1枚ずつ長々コメント書いてたら長くなってしまうので、なるたけ軽いノリで。
The Stone Roses / The Stone Roses (1989年)
ブリットポップより時期は早いけど、ブリットポップ期に出てきたバンド達に与えた影響は大きい。特にこのファーストは、今にも何かが起こりそうな空気が充満してて、フワフワしてて、これがどうして色褪せない! ジャケットのように新鮮なレモンみたい。再生すると、不思議とそこにはいつも新しい風が吹いてる、みたいな。遠足の前の日のソワソワ~ワクワク気分を味わいたいならこれ!
Suede / Coming up (1996年)
直接脳をいじくり回されるような、クネクネしていて妖しくて少し危険なポップさ。次作『ヘッド・ミュージック』でそれは更に押し進められるが、今作のメロディには“泣き”があって、それが日本人の私の心をくすぐるのか、こっちの方が好き。そう言えば、「トラッシュ」がCMに使われてたなぁ。
Blur / The Best Of (2000年)
『モダン・ライフ・イズ・ラビッシュ』、『パーク・ライフ』、『ザ・グレイト・エスケープ』…ブリットポップのことを考えると、アルバム1枚には搾れなかったのでベストを。起死回生な『ブラー』も良いし。最近じゃブリットポップとはかけ離れた音楽をやってるけど、どんなにアメリカに接近しても、どんなに大胆にワールド・ミュージックを取り入れても、ちらついてしまうユニオン・ジャック。本人の望む望まないに関わらず、ブラーの大和魂ならぬ“大英魂”はかなり根強そうだ。それはそれで羨ましいし頼もしいとも思う。
Oasis / Definitely Maybe (1994年)
『モーニング・グローリー』も捨て難いけど、象徴的な「スーパーソニック」が入ってるからこれ。「リヴ・フォーエヴァー」も入ってるし。このときのメンバー、今やギャラガー兄弟しか残っておりません。リアムのヴォーカルって、傍若無人な感じなんだけど包容力があるんだよねぇ。ふてぶてしいけど優しくて、豪快だけど繊細。バカ(天才)ってこういうこと!?
The Bluetones / Expecting To Fly (1996年)
個人的には一番愛着があるかも。バンド名でもある“青”がイメージ的にホントよく似合う。ストーン・ローゼズの影響が色濃く、“青さ”もそこから? バーズなんかも連想させる。ライナーに、タイトルにかけて「空の飛び方」って書いてあって、スピッツのアルバムと同じタイトルだなぁと思った記憶が。性質的にもスピッツに近いかも。ちなみに、L⇔Rのラジオで「スライト・リターン」を聴いたのが出会いでした。たどたどしいんだけど潔癖で、今すぐ走り出したくなるような清々しさ。そこに見え隠れするケモノ性。そんなブルートーンズの“青さ”が一番よく出たアルバム。空も飛べるはず。
Kula Shaker / K (1996年)
きゃー!クリスピアン! いやぁ、熱狂したなぁ。ヒンドゥー語だのサンスクリット語だのインド哲学だの言ってますけど、そのサウンドは観念的というよりもむしろ肉体的というか本能的というか。頭より先に体が、体より先に心が、グッとくる音楽です。哲学なんて借りなくったって、その音だけで相手を十分ねじ伏せられる。哲学よりも何よりもまずポップ・ミュージックの信者であることをグルーヴしながらスピリチュアルに宣言した作品。ハード・ロックばりのリフがカッコ良い。
Space / Spiders (1996年)
ブリットポップってやつは、こんな変なバンドまで…。いやぁ、リヴァプール万歳! 映画音楽、テクノ、ラップ、パンク…ごちゃ混ぜ&とっ散らかりサウンドに、悲惨な道化を装うトミー・スコットのねちっこいヴォーカルを乗せれば、ウサン臭さ漂うスペース・サウンドのイッチョウ出来上がり!
Cast / Magic Hour (1999年)
普通に(?)聴くと、瑞々しいギター・サウンドの1作目『オール・チェンジ』や、それに渋味が出てきた2作目『マザー・ネイチャー・コールズ』の方がまとまりもあって良い作品なのかも知れません。しかしどちらも、いわゆる「良い人なんだけど…」で終わっちゃいそうな気配が。毒がないというか控えめすぎるというか。かといって、シンプルを極めるほど潔くはなり切れてない。やっぱり良い人のままで終わっちゃいそう…。が、この3作目は違います。過剰なほどに強調されたビートとグルーヴ。ドライヴしまくりの血走ったギター。胸焼けしそうなくらいドラマティックなストリングスに音響。何やら気迫が違います。が、それでもやっぱり毒はありません。しかしここで重要なのは、聴いてる者にも一切の毒を許さないということ。嫉妬、恨み、憎しみ、怒り…あらゆる邪念(毒)、立ち入り禁止! 窒息しそうになるのはそのせい? すべて浄化してやる~ってな勢い。何が彼をこんなに駆り立てるのでしょうか。祈りと怨念、紙一重です。カタルシスもここまでイケばアッパレ。そんなだから、好き嫌いは分かれてしまうかも。でもそれは、良い人から脱した何よりの証拠。これは良い人の復讐劇? その良い人っぷりに1作目か2作目かで迷っていたんですけど、改めて聴いてみたら、このイキっぷりに拍手を送りたくなってしまったので、この3作目を選ばせていただきます。最後まで悩んだのでコメントもこの作品だけ長くなってしまいました(苦笑)。ちなみにこのバンド、元ラーズのジョン・パワーのバンドです。ラーズは、ストーン・ローゼズと同じくらいの時期に活動していてアルバムを1枚だけ出したバンドで、そのアルバムの色褪せなさ&後のバンド達に与えた影響の大きさはローゼズに負けておりません。リヴァプール出身。
The Verve / Urban Hymns (1997年)
オアシスのリアム・ギャラガーが30回以上連続して聴いたと言われる歴史的名曲「ビター・スイート・シンフォニー」――帯にこんなことが書いてあった。リアムが何回聴いたか知らないが、「ビター~」はやっぱり名曲だ。これでもかと言わんばかりに胸を掻き立てるストリングス。これでもかと言わんばかりに人を鼓舞するドラム。クドいのなんの。もう分かったって。でも、ヴァーヴが復活するには(いったん解散していて、これが復活作)、これぐらいの“クドさ”が必要だったんだろうな。そんなクドさ溢れるアルバム。腰が重~い兄さん姉さんも、これには負けて重い腰上げるかも!?
Radiohead / The Bends (1995年)
次の『OKコンピューター』の方が聴いたかも知れないけど、ブリットポップって考えるとこれかなぁ。レディオヘッドの中で一番“ポップ”かも。まるでシングル曲を集めたベストアルバムのよう。トリプル・ギターによる華麗なアンサンブルが秀逸。そういや、「ジャスト(ユー・ドゥー・イット・トゥ・ユアセルフ)」が椎名林檎のライヴ前にかかってたっけ。
というわけで、他にもあれがあるだろ!とか、このバンドならこのアルバムだろ!という声もあるかも知れませんが、あくまで「私にとっての…」ってことで。他にもムーヴァーとか聴いたなぁ。あと、ケミカル・ブラザーズやアンダーワールドなんかのダンス・ミュージックの隆盛もブリットポップには見逃せないですよね。それと映画『トレインスポッティング』。もしかしたら、このサントラが一番ブリットポップ現象を象徴しているかも知れません。でも、今回、「私にとっての…」ってことで選別させていただいたのはこの10枚ですので、良かったら“この10枚の中から!”聴いてみて下さい! 中古だと1000円しないのもあると思うので(笑)。
The Stone Roses / The Stone Roses (1989年)
ブリットポップより時期は早いけど、ブリットポップ期に出てきたバンド達に与えた影響は大きい。特にこのファーストは、今にも何かが起こりそうな空気が充満してて、フワフワしてて、これがどうして色褪せない! ジャケットのように新鮮なレモンみたい。再生すると、不思議とそこにはいつも新しい風が吹いてる、みたいな。遠足の前の日のソワソワ~ワクワク気分を味わいたいならこれ!
Suede / Coming up (1996年)
直接脳をいじくり回されるような、クネクネしていて妖しくて少し危険なポップさ。次作『ヘッド・ミュージック』でそれは更に押し進められるが、今作のメロディには“泣き”があって、それが日本人の私の心をくすぐるのか、こっちの方が好き。そう言えば、「トラッシュ」がCMに使われてたなぁ。
Blur / The Best Of (2000年)
『モダン・ライフ・イズ・ラビッシュ』、『パーク・ライフ』、『ザ・グレイト・エスケープ』…ブリットポップのことを考えると、アルバム1枚には搾れなかったのでベストを。起死回生な『ブラー』も良いし。最近じゃブリットポップとはかけ離れた音楽をやってるけど、どんなにアメリカに接近しても、どんなに大胆にワールド・ミュージックを取り入れても、ちらついてしまうユニオン・ジャック。本人の望む望まないに関わらず、ブラーの大和魂ならぬ“大英魂”はかなり根強そうだ。それはそれで羨ましいし頼もしいとも思う。
Oasis / Definitely Maybe (1994年)
『モーニング・グローリー』も捨て難いけど、象徴的な「スーパーソニック」が入ってるからこれ。「リヴ・フォーエヴァー」も入ってるし。このときのメンバー、今やギャラガー兄弟しか残っておりません。リアムのヴォーカルって、傍若無人な感じなんだけど包容力があるんだよねぇ。ふてぶてしいけど優しくて、豪快だけど繊細。バカ(天才)ってこういうこと!?
The Bluetones / Expecting To Fly (1996年)
個人的には一番愛着があるかも。バンド名でもある“青”がイメージ的にホントよく似合う。ストーン・ローゼズの影響が色濃く、“青さ”もそこから? バーズなんかも連想させる。ライナーに、タイトルにかけて「空の飛び方」って書いてあって、スピッツのアルバムと同じタイトルだなぁと思った記憶が。性質的にもスピッツに近いかも。ちなみに、L⇔Rのラジオで「スライト・リターン」を聴いたのが出会いでした。たどたどしいんだけど潔癖で、今すぐ走り出したくなるような清々しさ。そこに見え隠れするケモノ性。そんなブルートーンズの“青さ”が一番よく出たアルバム。空も飛べるはず。
Kula Shaker / K (1996年)
きゃー!クリスピアン! いやぁ、熱狂したなぁ。ヒンドゥー語だのサンスクリット語だのインド哲学だの言ってますけど、そのサウンドは観念的というよりもむしろ肉体的というか本能的というか。頭より先に体が、体より先に心が、グッとくる音楽です。哲学なんて借りなくったって、その音だけで相手を十分ねじ伏せられる。哲学よりも何よりもまずポップ・ミュージックの信者であることをグルーヴしながらスピリチュアルに宣言した作品。ハード・ロックばりのリフがカッコ良い。
Space / Spiders (1996年)
ブリットポップってやつは、こんな変なバンドまで…。いやぁ、リヴァプール万歳! 映画音楽、テクノ、ラップ、パンク…ごちゃ混ぜ&とっ散らかりサウンドに、悲惨な道化を装うトミー・スコットのねちっこいヴォーカルを乗せれば、ウサン臭さ漂うスペース・サウンドのイッチョウ出来上がり!
Cast / Magic Hour (1999年)
普通に(?)聴くと、瑞々しいギター・サウンドの1作目『オール・チェンジ』や、それに渋味が出てきた2作目『マザー・ネイチャー・コールズ』の方がまとまりもあって良い作品なのかも知れません。しかしどちらも、いわゆる「良い人なんだけど…」で終わっちゃいそうな気配が。毒がないというか控えめすぎるというか。かといって、シンプルを極めるほど潔くはなり切れてない。やっぱり良い人のままで終わっちゃいそう…。が、この3作目は違います。過剰なほどに強調されたビートとグルーヴ。ドライヴしまくりの血走ったギター。胸焼けしそうなくらいドラマティックなストリングスに音響。何やら気迫が違います。が、それでもやっぱり毒はありません。しかしここで重要なのは、聴いてる者にも一切の毒を許さないということ。嫉妬、恨み、憎しみ、怒り…あらゆる邪念(毒)、立ち入り禁止! 窒息しそうになるのはそのせい? すべて浄化してやる~ってな勢い。何が彼をこんなに駆り立てるのでしょうか。祈りと怨念、紙一重です。カタルシスもここまでイケばアッパレ。そんなだから、好き嫌いは分かれてしまうかも。でもそれは、良い人から脱した何よりの証拠。これは良い人の復讐劇? その良い人っぷりに1作目か2作目かで迷っていたんですけど、改めて聴いてみたら、このイキっぷりに拍手を送りたくなってしまったので、この3作目を選ばせていただきます。最後まで悩んだのでコメントもこの作品だけ長くなってしまいました(苦笑)。ちなみにこのバンド、元ラーズのジョン・パワーのバンドです。ラーズは、ストーン・ローゼズと同じくらいの時期に活動していてアルバムを1枚だけ出したバンドで、そのアルバムの色褪せなさ&後のバンド達に与えた影響の大きさはローゼズに負けておりません。リヴァプール出身。
The Verve / Urban Hymns (1997年)
オアシスのリアム・ギャラガーが30回以上連続して聴いたと言われる歴史的名曲「ビター・スイート・シンフォニー」――帯にこんなことが書いてあった。リアムが何回聴いたか知らないが、「ビター~」はやっぱり名曲だ。これでもかと言わんばかりに胸を掻き立てるストリングス。これでもかと言わんばかりに人を鼓舞するドラム。クドいのなんの。もう分かったって。でも、ヴァーヴが復活するには(いったん解散していて、これが復活作)、これぐらいの“クドさ”が必要だったんだろうな。そんなクドさ溢れるアルバム。腰が重~い兄さん姉さんも、これには負けて重い腰上げるかも!?
Radiohead / The Bends (1995年)
次の『OKコンピューター』の方が聴いたかも知れないけど、ブリットポップって考えるとこれかなぁ。レディオヘッドの中で一番“ポップ”かも。まるでシングル曲を集めたベストアルバムのよう。トリプル・ギターによる華麗なアンサンブルが秀逸。そういや、「ジャスト(ユー・ドゥー・イット・トゥ・ユアセルフ)」が椎名林檎のライヴ前にかかってたっけ。
というわけで、他にもあれがあるだろ!とか、このバンドならこのアルバムだろ!という声もあるかも知れませんが、あくまで「私にとっての…」ってことで。他にもムーヴァーとか聴いたなぁ。あと、ケミカル・ブラザーズやアンダーワールドなんかのダンス・ミュージックの隆盛もブリットポップには見逃せないですよね。それと映画『トレインスポッティング』。もしかしたら、このサントラが一番ブリットポップ現象を象徴しているかも知れません。でも、今回、「私にとっての…」ってことで選別させていただいたのはこの10枚ですので、良かったら“この10枚の中から!”聴いてみて下さい! 中古だと1000円しないのもあると思うので(笑)。