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sky is blue

言わなければよかったのに日記

ナイロビの蜂

2006-05-31 19:18:12 | 映画
映画『ナイロビの蜂』を観た。

「知る」という行為は、とても尊いものなんだと思った。私には何もできなくても、いや、何もできないからこそ、「知ろうとする」気持ちぐらいは持っていたい。ひょっとしたら、そういうところからすべては始まっていくのかも知れない。

「知らない方が幸せなこともある」という言葉が、ひどく傲慢で乱暴に思えた。

すべてを知ることなんてできないかも知れない。結局なんにも分からなかったで終わるかも知れない。

だけど、いや、だからこそ、「I don't know たゆまずに」(by エレカシ)。


イン・ザ・狸御殿

2006-01-17 22:21:14 | 映画
『イン・ザ・プール』と『オペレッタ狸御殿』を観た。私はそんなにオダギリジョーが好きなのか?!と、自分で自分に突っ込みを入れつつ。2作ともオダギリジョーが出ているのです。

2作とも、面白かった。『イン・ザ・プール』の方は、「こんな切り口でも面白くなるんだぁ!」という面白さ、『オペレッタ狸御殿』の方は、「面白ければなんでも良いのかぁ?」という面白さだった。

『オペレッタ狸御殿』は、鈴木清順監督。世界の巨匠と呼ばれていて、タランティーノ監督もリスペクトしている監督とのことだが、恥ずかしながら、私は、この作品で初めて鈴木清順監督の作品を観ました。そうでなくても、鈴木清順監督については、まったく知識がないと言って良い状態。だから、監督についてなんの知識もない人間が観た感想として述べさせてもらうと、確かに「なんか凄かった」。「観てるだけで楽しい」っていうのはある。でも、「それだけ」な気もする。でも、その「それだけ」が「十分凄い」んだけど。何やら「前衛的らしい」という話は聞いていたので、それなりに覚悟はしていたが(笑)、それでも驚く部分が多々あった。

ところで、「前衛的」っていうのは、どういうことを言うんだろね? 辞書で調べてみると、「時代に先がけているさま」みたいなことが書いてある。前衛的っていうと「よく分からない」ってイメージがあるけど、よく分からないものは、なんでもかんでも「前衛的!アバンギャルド!」で片付けちゃうのはちょっと違う気がするよねぇ。なんでも許されちゃうじゃん、それ。ま、「なんでも許されるのが表現だ!」って言われてしまえば、それまでなんですけど。でも、ホントに「前衛的」な作品に失礼な気もするじゃん。「前衛」って、他には、「(軍隊で)前の方の守り」とか「階級闘争の第一線に立つ指導者」とか書いてある。よし! じゃあ、「前衛的」っていうのは、「時代と闘ってる」ってことにしよう! 自分の行く手をさえぎる古い道徳との闘い、それぞれの道徳革命(by『斜陽』)だ! って、私はなんの話をしてたんだっけ?

そういう解釈でいくと、『オペレッタ狸御殿』が、時代と闘ってるかどうかは、ちょっとよく分からない。

『イン・ザ・プール』は、エンディングロールで流れてきた曲が、とっても良くって、ビビッときちゃって、急いでアーティスト名と曲名をメモった。シュガー・ベイブの「DOWN TOWN」という曲だった。私にとってこの映画での一番の収穫は、この曲かも。


メゾン・ド・ヒミコ

2005-09-29 23:29:15 | 映画
映画『メゾン・ド・ヒミコ』を観た。『ジョゼと虎と魚たち』の犬童一心監督×渡辺あや脚本。出演は、柴咲コウ、オダギリジョー、田中泯ほか。ある日、沙織(柴咲コウ)のもとに、彼女が幼い頃に出ていった父=卑弥呼(田中泯)の恋人、春彦(オダギリジョー)がやってくる。春彦は沙織に、その父が癌に侵されていることを告げる。そして、沙織は、父を否定しながらも、春彦の誘いで、父が経営するゲイのための老人ホーム「メゾン・ド・ヒミコ」を手伝うことになる。

『ジョゼと虎と魚たち』のときにも感じた、生温かい感じが、この映画の中にも脈々と流れている。皆、どこかがズレていて、決してピタリとはハマらない。理想と現実、愛と憎しみ、渇きと欲望、心と体――。その間を脈々と流れている何か。愛なのか憎しみなのか、優しさなのか切なさなのか、欲望なのか。

この映画について語ろうと思えば、あらゆる角度からさまざまなことを語れるのかも知れない。マイノリティを受け入れる社会のあり方だとか、いや、そもそも社会というものがある限りマイノリティというものもあり続けるのであって、そういう意味では誰もがマイノリティであり、完璧な社会など存在しないのだだとか、それでも、それゆえに、人との関わりを強く求めてしまう矛盾だとか葛藤だとか。夢を求めながらも、やっぱり現実が欲しかったり、また、その逆だったり。越えられない壁と、壁を越えてしまう気持ちと――。それらの根底に渦巻いているもの。

でも、そんなことどうでも良くなってしまった。正確に言うと、語れなくなってしまった。語る気が起こらなくなってしまった。結局、私の心の中に強く残っているのは、沙織の父である卑弥呼のこんな台詞。

「私はお前(沙織)が好きだ」

これだけだった。なんかもう、これだけだった。

オダギリくんをはじめ、皆キレイだったなぁ。ドロドロしていて、決してキレイではないんだけどね。でも、キレイだった。映像もそうだけど、細野晴臣による音楽の効果も大きいのかな。

*********

オダギリくん、好きなんだよなぁ。以前、彼を追っかけたドキュメンタリー番組をやっていて、記者に「あなたはスターだよ」って言われて、「違いますよぉ」と猛烈に否定していた。その記者に向かって、「だって、僕を追っかけていて、僕がスターになりたい人なんだなって思いました?」って。そしたら記者も「思わなかったです」と。でも続けて、「でも、スターって、そう思っちゃったんだから仕方ないじゃないですか」と。悶々としたオダギリくんは、「違いますよぉ。僕がやりたいのは真逆ですよ。もっと本質的なことなんですよ……」と言っていた。番組は、そのまま結論が出ないで終わっていった感じだったけど、ふと思ったんだよね。「スターであること」と「本質的であること」ってのは、真逆なのかな?って。それが共に成立する例だってあるんじゃないかな。というか、やっぱり、本質的なことに触れなければ、本当の意味でのスターにはなれないんじゃないだろうか。一見、真逆なようでいて、それは同じところにあるのではないかな。そのへんのところ、もっと突っ込んでよ!と記者に突っ込みを入れたくなったが(笑)、オダギリくんの言わんとしてることも、何となくは分かる。スターではなく本質を追い求めるオダギリくんと、そんなオダギリくんにスター性を感じてしまう記者。

オダギリくんのこんな言葉が胸に残る。

「“オダギリジョー”でいたいんですよ。たぶん。“オダギリジョー”を作りたいんですよ」

そんなオダギリくんが出ていて、さらに、あゆが主題歌を担当した映画『SHINOBI』。観ようと思っていたけど、もう終わっちゃったかな。いつの時代も、スターは、その本質的な力でもって輝く。


ロッカーズ

2005-07-05 23:48:47 | 映画
すいません。暑さにやられたのか、随分と更新が止まってました。

映画『ロッカーズ』を観た。いやぁ、面白いなぁ。何がって、だって、これは、『アイデン&ティティ』で言うところの「ロックから一番遠いところ」なのかも知れない。でも、観てる間はそんなこと微塵も感じなかった。『ロッカーズ』と『アイデン&ティティ』は、正反対のようでいて、切っても切り離せない「何か」で繋がっているような気がした。その「何か」が、「ロック」または「ロックンロール」なのか? この二作を近いうちに続けて観たのは、偶然だったけれど、良かった気がする。

『ロッカーズ』は、監督である陣内孝則の実体験を基にした映画だ。『アイデン&ティティ』も、原作者であるみうらじゅんの実体験が基になっているから、そういう点でも共通するところがあるのかも知れない。

演奏シーンも良かったし、トラヴェラーズとかも出てたみたい(ちゃんと確認してないけど)。大杉漣によるフォークも(大杉漣は『アイデン&ティティ』にも出てる)。ロッカーズが演奏するルースターズの「恋をしようよ」とか良かったな。<お前とやりたいだけ>って、考えてみるとスゴい歌詞だよね。<やりたいだけ>って連呼してるもん(笑)。これこそ、『アイデン&ティティ』で言うところの「ロックから一番遠いところ」でしょ(笑)。でも、こんなどうしようもないことさえも歌にしてしまえるんだから、そしてそれを「カッコ良い」ものとして鳴らせちゃうんだから、やっぱ、「ロック」ってスゴいんだろうな。

『アイデン&ティティ』と『ロッカーズ』を続けて観ることによって、「ロック」の器のデカさを、改めて思い知った気がします。


Jam Films 2

2005-06-09 23:54:20 | 映画
いやぁ、時差(このブログの日付と実際の日付の差)出ちゃってますね。別に、日付が決まっているライヴとか以外は、日付通りに書かなくても良いと思ってるつもりなので(別にライヴも日付通りに書かなくて良いって意見もありますが…笑)、ここいらでバ~ッと時差を埋めたいところなんだけど、最近行ったライヴがねぇ、これがまた、そのことを書いちゃうと、もうその間に色々書きたいと思っていたことが、全部どうでも良くなっちゃいそうな気がして(笑)。それならそれで良いんだけど、だったら、今そのままその最近行ったライヴのことを書けるかって言ったら、書けない気もするから、やっぱり、ちびちびと書いていきたいと思います(スミマセン)。でも、それまでは軽くトントンって調子でいきたいと思っていますので、今後ともよろしくお願いいたします。

で、映画『Jam Films 2』、やっと観ました。言うまでもなく、『Jam Films』の第二弾。第一弾は、普段は長編を手がけている人達が短編に挑戦するというコンセプトだったが、第二弾のコンセプトは、普段はPVやCMなどの短編を手がけている人達が30分弱のその人達にとっては長編に挑戦するというもの。

今回は全部で4作品。「机上の空論」をYUKIやキリンジ等のPVを手がけている小島淳二、「CLEAN ROOM」をイエモンやミスチル等のPVを手がけている高橋栄樹、「HOOPS MEN SOUL」をペニシリンやライムスター等のPVを手がけている井上秀憲、「FASTENER」をミスチルや浜崎あゆみ等のPVを手がけている丹下絋希が監督している。

「机上の空論」は、ラーメンズの小林賢太郎が脚本を手がけていて、ラーメンズも二人とも出演している。タイトルからして興味をそそられるが、内容の方も面白い! 机上の空論が、どれだけ現実の世界では通用しないかという、これまた机上の空論? 無駄な苦労を、無駄な苦労をもってして表現? でも、そんな一見無駄と思えるものも無駄じゃなく思えてくる。いや、うん、ぜったい無駄じゃない!? って、よく分からないよね~(笑)。そんなこと何も考えなくても、楽しめると思います。30分でよくぞここまで詰め込んだ! けど、30分だったから良かったのかも。確実にチャンスをモノにする上手な出逢い方から交際に持ち込むまでの究極の<HOW TO>ここにあり!(笑)

「CLEAN ROOM」は、なんだかよく分からなかったけど、なんか綺麗だった(ってそのまんま…汗)。

「HOOPS MEN SOUL」。もともと私がこの映画を観たいと思ったのは、バナナマンの日村さんが出ているから。でも、日村さん、ほ~~~んのちょっとしか出てないじゃん!(涙) ま、良いけど。ストリート感覚あふれるヒップホップのようなノリでした。大森南朋は、なんか、さり気なく目を引くものがあるなぁ。

「FASTENER」は、ミスチルの同名曲から発想を得たものらしい。結構、興味深い内容。嶋田久作、存在感あるなぁ。

それぞれバラバラな作品に仕上がっていますが、全体的に、普段PV等を手がけられてる方なだけあって、映像で訴えてくる力を感じました。コンセプトがコンセプトなだけに、実験的な側面が大きいところはありますが、PVやCMとかが好きで、もっとその世界を広げてみたものを観てみたいな~って人にはもってこいだと思いますし、そうじゃない人でも、なかなか楽しめる作品になっていると思います。って、なんだか、エラそう…(汗)。

この『Jam Films』シリーズ。最新作の『Jam Films S』では、スネオヘアー、乙葉、大杉漣なんかが出ているとのこと。今度、それも観てみたい。