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sky is blue

言わなければよかったのに日記

2007年のかじり聴き

2007-12-23 21:54:25 | 音楽
毎年、一年間でよく聴いた音楽のことを“翌年元旦の記事”に書いていたんだけど、まあ別にどの日付でも良いかということで、今回は「2007年に私が聴いた音楽」について書きたいと思います。

振り返ってみて思うのは、結局、私、

『Secret』と『A BEST 2』しか聴いてないじゃん!!

あ、一応、書かなくても良いかも知れませんが、共に「浜崎あゆみ」の作品でございます。誰も気にも留めていないかも知れませんが、『A BEST 2』っていうのは、BLACK・WHITE両方でございます。

もちろん、他の音楽も聴きました。それどころか、ここ数年で一番新しい音楽を聴いたんじゃないでしょうか。しかし、一年間を振り返ってみたときの印象が、あまりにも『Secret』と『A BEST 2』だったというか、色々挙げてはみるものの、「ごめん。やっぱ私、『Secret』と『A BEST 2』しか聴いてなかったわん♪」みたいな、何度やってもそこに辿り着いてしまうのです。

しかし、先ほども書きましたが、色々な音楽を聴いた年でもあって。なんとなく、自分の中で「余裕」が出てきたというか。2004年から「過渡期かも」とか書いてたんですけど、要は、「浜崎あゆみを追いかけるので手一杯!」だったんですね。「何だコイツ!」ぐらいに思っていた彼女を好きになって、自分で自分を納得させるためにも、自分にとっての「浜崎あゆみ」というものを追求しなければいけなくなった。大げさに言えば、自分にとっての「音楽」というものを洗いざらい考え直さなければならなくなった(こんなことばっか書いてるなぁ…汗)。そんなもん、「好きならそれで良いじゃん」なのですが、そうしなければ、「音楽に夢中になった自分」も「自分が夢中になった音楽」も裏切ることになってしまう、そんな気がして。浜崎あゆみは「正しい音楽」だったんだなぁ。

そして、『Secret』と『A BEST 2』な2007年が過ぎていく中で、やっとこさ他の音楽にも耳を傾けられるようになってきたと。や~っと、自分の中で「浜崎あゆみ」と折り合いをつけられたというか。まぁ、うまく言えないけど、今はそんな感じで。だから、結構ちょこちょこ音楽聴いたんですよ。ただ、あくまで『Secret』と『A BEST 2』であり「浜崎あゆみ」な一年だったんで、「ベストアルバム」とかいってアルバム毎に語れるほど聴き込んでいないし、どうしようかな~と思っていたんですけど、まぁ、思いつくままに書いてみようかな~と。

長々と“言い訳”してしまいましたが、「トピック」ごとに書いてみました。聴いた時期とか定かでないので、2006年の作品も入ってしまってると思います。

●ニューレイヴ!? (クラクソンズ、CSS、エンター・シカリ)
ロックとレイヴの融合だか何だか知らないけれど、「ニューレイヴ」というシーンが巻き起こったみたいで。そんなこと言われたって、ロックとダンスの融合なんてずっと前からあったし、このシーンについてはまだよく分からないのですが、そこで語られているアーティストのいくつかが気になりました。
まずは、クラクソンズ(イギリス)。そもそも、このクラクソンズが「ニューレイヴ」って言い出したらしいんだけど、まだよく掴めてません。だから、「ニューレイヴ」についてもよく分からないのかも。でも、とにかくメロディが頭から離れない、呪文みたいなの。あと、パンクな匂いがする。でも、メロディアスでパンクだからといって、グリーン・デイとかそういう感じではなく。なんていうか、胡散臭い感じがすごくする。そういう意味では、スペース(知ってる人いるかな…)の胡散臭さと近いかも知れない。
次に、CSS(ブラジル)。バンド名が「Cansei de Ser Sexy (セクシーでいることに疲れてしまった)」の略だそうですよ。最高ですね。楽器が弾けないままバンドを始めたそうですけど、この彼女たちの感じ、好きなんだよねぇ。アララアララ~♪ そしたら、『iPod touch』のCMに使われてたよ。
そして、エンター・シカリ(イギリス)。「レイヴ×メタル」ってことで、こういう音はそんなに好みではなかったはずなんだけど、「ソーリー・ユーアー・ノット・ア・ウィナー」って曲で掴まれて。面白いなぁって。その曲以外はあまり聴いてないんだけど。
ニューレイヴ――。ここに挙げた3バンドに共通しているのは、パンクな感じ、DIY精神だろうか。あと、胡散臭さ(←これがレイヴの所以か)。

●最近のイギリスバンド (レイザーライト、エア・トラフィック)
レイザーライトの2nd『レイザーライト』(2006年)、良い! ロックバンドってカッコ良い!ってことを改めて味わわせてくれるバンドです。ストロークスでもリバティーンズでもアークティック・モンキーズでもなく、レイザーライトにきました、私は。
それと、エア・トラフィック。これは、私の勝手に一押しバンドです。なんかさ、最近のイギリスって、アークティック・モンキーズとかのやんちゃなロック・バンドと、コールドプレイとかキーンとかの叙情派メロディアス・バンドと、妙に分かれちゃってる気しない? そんなことない? なんだけど、このエア・トラフィックは、リバティーンズとかフラテリスとかのガレージ色も、コールドプレイとかの叙情派ロックも、「エモ」と呼ばれているようなジャンルも、更にはレディオヘッドとかの音響的アプローチも少し、そういった色々な要素が自然に彼らの中を通過して一つのまとまった音になっている!っていう感じがするのよ。ギターバンドでありながらピアノも効いていて、ベン・フォールズ・ファイヴとか好きな人にも受けるかも知れない。

●インスト (ラタタット、バトルス)
私はやっぱり「歌もの」が好きで、「インスト」はあんまり聴かないんだけど、2007年は気になるインスト音楽がありました。
まずは、ラタタット(NY)。「歌は無いが、そうとう歌える」って帯に書いてあったけど、まさにインストなのに「歌心ありあり」。「合唱系インスト・エレクトロ・ポップ」とも書いてあった。2人組なんだけど、1人がヒップホップ好きで、もう1人がレッド・ツェッペリンとかクイーンが好きらしく、それがモロにサウンドに出ている。ヒップホップにあるようなビートと特徴的なギターリフが重なってて、心地良いんだよねぇ。このラタタット、ビョークのお気に入りらしいですよ。それで、ビョークの自宅スタジオを借りてレコーディングしているみたい。それなら、ビョークとラタタットのコラボを是非とも聴いてみたいなぁ。
そして、もう一組はバトルス(NY)。『ミラード』を、あまり聴かないで放ったらかしにしていたんだけど、つい最近聴いたら、いやはやカッコ良いですね。「レイェンデッカー」あたりでググッときました。後半より前半が好きかなぁ。キング・クリムゾンとかレディオヘッドとか、そういったロックバンドの名が浮かんでは消えていく。祭囃子な感覚もありつつ、でもクール。メンバーのこととか、まったくもって知らないんですけどね。マーズ・ヴォルタとかも聴いてみようかなぁ。

●邦楽
くるりの『ワルツを踊れ』が良かったなぁ。このアルバムはすごく良いと思います。オリジナルアルバムは『THE WORLD IS MINE』(2002年)から買っていなかった私も、買っちゃいましたもん。後は、バックホーンもセルフタイトルのアルバム出しましたね。聴かせるアレンジに挑戦しているなって思いました。

●その他
Electric President っていうユニットが気になって、そこから、「MORR MUSIC」っていうドイツのレーベルが気になりました。そこから何も調べてないけど…。Electric President は、エレクトロニカ×生音×フォークみたいな感じ(ヒップホップも少々?)。デス・キャブ・フォー・キューティーのメンバーがやっている、ポスタル・サーヴィスに近いものを感じました。デス・キャブ・フォー・キューティー絡みといえば、ヴェルヴェット・ティーンも気になる存在です。なんか、よく分からないというか、当たり前の話なんですけど、まだまだ知らない音楽があるんだなぁって。

●ベストソング
「ベストアルバム」は書けないけど、「ベストソング」なら書けるかも!ってことで、グッときた曲&気になった曲を。

エレファントカシマシ 「俺たちの明日」
浜崎あゆみ 「talkin' 2 myself」
安室奈美恵 「Baby Don't Cry」
グレイプバイン 「指先」
エンター・シカリ 「ソーリー・ユーアー・ノット・ア・ウィナー」
レイザーライト 「アメリカ」
the ARROWS 「ONE NIGHT STAR」
中島美嘉 「LIFE」

●ニュース
2007年も色々なことがありました。

浜崎あゆみ、初のアジアツアー、ベスト第2弾発売、長瀬智也との破局。
エレファントカシマシ、ユニバーサル移籍、移籍第一弾シングル発売。
ホフディラン、復活。
ZARDの坂井泉水さん、死去。
Syrup16g、解散を発表。
ポール・マッカートニー、スターバックス設立のレーベル「ヒア・ミュージック」から新作発売。

そうなんです。ポール・マッカートニーの新作『追憶の彼方に~メモリー・オールモスト・フル』はどうしたんじゃいっ!!なのです。はっきり言って、素晴らしいアルバムだと思います。ですが、最初に書いた通り、まだまだ「浜崎あゆみで手一杯!」な一年だったので、なかなかどうして、聴き込むことができずに…。実際は、ここに挙げた諸々の作品よりも聴いてるんじゃないかってぐらいなのですが、なかなかねぇ、ポールについては気軽に書けない!

というわけで、なんだか思いつくままにたくさん挙げてしまったけれど、情けない&恥ずかしいことに、ホントに「かじり聴き」のようなものなんですよ。

だから、2008年は、自分の中でやっと「余裕」が出てきたような気もするし、「かじり聴き」ではなく、色々な音楽を(そんなに多くなくて良いから)、「浅く」ではなく「深く」聴きたいなぁ。


2006年は理解と誤解

2007-01-01 18:47:59 | 音楽
やっと、2007年に突入しました。ということで、2006年を振り返ってみたいと思います。

●ベストアルバム (5枚)

浜崎あゆみ『(miss)understood』
2006年は、愛しのエレカシもアルバムを出したのですけど、今回ばかりはこれを一番最初に持って来なければ嘘になってしまいます。特に順位があって書いてるわけではないんですが、2006年の私は、何はともあれ、このアルバムだったんです。同年、あゆは『Secret』というアルバムも出しましたが、やっぱり、私の2006年は、『(miss)understood』と共にあったと言わなければならないでしょう。

あゆのことを、こんなに好きになってしまうなんて、一番驚いているのは私自身なんです。私の愛する音楽像というものがあるとしたら、浜崎あゆみはそこから最も遠く離れたところにいるんだと思い込んでいたのですから。(こんなことばっか言ってんなぁ)

何度も疑いました。自分の気持ちを、そして、浜崎あゆみを。でも、彼女は、その度に、何度だって、私の気持ちを見透かしているんだろうか?ってくらいの鮮やかさでもって、それを晴らし、吹き飛ばし、笑い飛ばし、その先を私に提示してきたのです。

私が一番、浜崎あゆみを「過小評価」しているのかも知れない――。

あゆの歌は全部同じに聴こえる。そう言う人の気持ち、分からなくもないんです。確かに私も「同じだな」と思う。けど、改めて作品を聴いてみたときに、彼女が、「同じ作品を一枚も出していない」ということに愕然としてしまいます。果たして、『I am...』の頃の彼女が、『(miss)understood』を作れたでしょうか?

『(miss)understood』については、やはり、スウィートボックスのGEOとの出会いが大きかったでしょう。GEO提供曲とシングルについては、既に書いたので、今回はそれ以外の曲について書きたいと思います。いや、GEO提供曲で「In The Corner」だけは、スウィートボックスがセルフカヴァーしていなかったので、書いていませんでした。

そう、この「In The Corner」こそ、あゆの曲は全部同じとか言う人に聴いて欲しいですね。R&B調なんですけど、こういうR&Bとか黒っぽい曲は、あゆにどんどんやって欲しいんです。ファーストに収録されていた「from your letter」の時点で、その芽は出ていたと思います。ロックを歌う彼女も大好きですが、実はこういう曲こそ、彼女のヴォーカリストとしての魅力を引き出せるのではないか?と思っております。なんてったって、過去に、「音楽」っていったら「黒人」って答えていた彼女ですからね(笑)。

タイトル曲である「(miss)understood」は、私、このアルバムで一番好きかも知れません。シンプルに削ぎ落とされたストイックなバンド・サウンドと、静けさの中から核心に迫ってくるこの感じ。ニルヴァーナも真っ青です(笑)。ここでも、100sの玉田豊夢がドラム叩いてますね。最近のあゆの作品には、頻繁に登場します。(そういや、100s、エイベックス関連のレーベルに移籍しましたよね?)

「criminal」は、「おお、こういう歌い方もできるようになったんだ!」って思いました。あと、歌詞ね。これ、書けそうで書けないよ。素直にすごいと思う。ほーんと、あゆの歌詞って、「書けそうで書けない」んだもん。「書けなそうで書ける」ってのもあると思うけど、あゆの歌詞は、「書けそうで書けない」って感じだなぁ。

あと、「rainy day」なんですが、これはかなりの新境地なんじゃないか?って思えてきました。淡々としたメロディが、繰り返されるほど美しく映えていく。感情を抑えた歌声から、逆に、溢れる情感が感じ取れる。あのあゆが、一回も感極まらないで歌い終わるんですよ?(笑) やっぱ、新境地です。潤いのあるサウンドも。

ディレイズ『You See Colours(ユー・シー・カラーズ)』
これは久々に私の中でヒットです。「UKロックに求めるものが全てある!」みたいなフレーズがCD屋の紹介に書いてあった気がしますが、それはちょっと言い過ぎかも知れませんが、でも、かつてのブリットポップにハマった人間には、たまらなくツボを突いてくるバンドだと思うのですよ。でも、サウンド的には、そんなブリットポップって感じでもないんですよ、一見。「ラーズ・ミーツ・スクリッティ・ポリッティ」なんて評されたりもしてて、メンバーは、「アバとニルヴァーナを一緒にしたら史上最強のポップ・バンドができると思うんだ(笑)」とか言ってるらしく、プリンスとか好きみたいです。テクノの影響も大きいみたい。でも、ここに内包されている空気に、私はなんか、ブリットポップを感じちゃうんだよなぁ。あと、ストーン・ローゼズ。フランツ・フェルディナンドとかブロック・パーティとか、何故かどうしてもそこまで熱くなれないのよって方は、試しにこのディレイズを聴いてみてはいかがでしょうか。

MUSE『ブラック・ホールズ・アンド・レヴァレイションズ』
前作『アブソリューション』を聴いて、次は厳しいか?って思ってたんです。行くところまで行ってしまった感じがあったので。でも、今作では、それを打破しようって姿勢を見せてくれました。もっともっと過剰な方向に行ってしまうのかと思ったら、抜けの良いサウンドを聴かせたり、ファンキーな曲調を見せたり。元々あったと思うけど、遊び心みたいなもんも顔を出してきたし。

ザ・バックホーン『太陽の中の生活』
良い意味で非常に聴きやすい作品だと思います。バラエティに富んでるし。でも、最近聴かなくなっちゃったなぁ(笑)。

エレファントカシマシ『町を見下ろす丘』
実はまだ、この作品が良いのかどうか、よく分かってないんですよねぇ。で、最近、『チアー&ジャッジ』の“コーネリアス”の回を読んでいて、これを聴いて私が感じたことを思い出しました。要は、「定番感・円熟感/斬新さ・エッジ感」とか「大人/子供」といったテーマなんですが、これって、どんな表現においても、永遠のテーマなんだなぁって、非常に感慨深い思いに耽ってしまいました。定番感・円熟感を良しとする考えでは、「斬新さやエッジ感は円熟を目指していく過程でのオマケ」とし、斬新さやエッジ感を肝とする考えでは、「定番感や円熟感なんて自然に出てくるもの」としている。「エッジ感がなくとも素晴らしい。という事と、エッジだから素晴らしい。というのは、どっちが素晴らしい事だと思う? という古くからある問いかけ」かぁ。「普遍性と前衛性」って話にもなってくるんだろうけど。やっぱ、これは、永遠のテーマなんだなぁ。

ここでは、その問いかけをリアルに発した作品として、コーネリアスの『MUSIC』を評価しているけど、そういった意味では、エレカシの『町を見下ろす丘』も近いんじゃないだろうか。要は、良い作品ではあるけれど、刺激的かと言われたらよく分からないのよ。でも、今までにない円熟を感じさせるという意味では、今しか出せない音にもなってるんだよ。どのように歳を重ねていくか。つまり、どう生きていくか。そういうことがやっぱ、作品には出るっていうか、切っても切り離せないんだなぁ。そういうことを考えさせてくれたという意味でも、とても意義のある作品だし、ここが一番大事だと思うんだけど、結果的に、「エッジ感」も「円熟感」も、それぞれに素晴らしくて、愛おしいものなんだなって思わせてくれたのだから、それはとても素晴らしいことだと思う。それって、なかなかできることではないと思うから。

そんなわけで、「ベストアルバム」だけでこんなになってしまったので、2006年は「ベストアルバム」のみにしたいと思います。他には、宇多田ヒカルの『ULTRA BLUE』を何気に聴いたような気もします。あ、あと、スウィートボックスの『アディクテッド』ね。それと、ベスト盤が色々出ましたね。今も超出てますけど。あ、あと、リミックスの面白さを発見したりしたなぁ。それでは、2007年も、音楽を理解したり誤解したりしていきましょう!(笑)


2005年の音楽~過渡期の中で

2006-01-01 13:55:21 | 音楽
年が明けた!

そんなわけで、2005年の音楽を振り返ってみたいと思います。2004年版で、自分内で過渡期かもと書きましたが、どうやらそれが続いてるようなんです。でも、何も変わってないような気もするんだよね。だって、つい最近、自分のルーツを掘り下げてみたら、何も変わってないじゃんって思ってしまったんだもん。本格的に音楽にハマッていったキッカケはL⇔Rだったって以前書いたけど、それより前に好きだったアーティストまで遡ってみたのね。ザ・ブーム、東京少年、KAN、ユニコーン…。そういうの聴いてたら、私、何も変わってないじゃん!って。今聴いても良いんだこれがまた。今だから分かることもあったりして。そりゃ~、ビートルズやXTC好きになるわ~って感じ。でもって、そういった中で、エレカシや椎名林檎やあゆとの出会いを渇望したってのも分かった気がしたし。そして今、「過渡期」と言ったけど、それは、「変化の中で、変わらないものを確認してる」ってことなのかもなぁ。

というわけで、2005年に発売された作品の中から、「ベストアルバム」と「ベストソング」を選んでみたいと思います。

●ベストアルバム (6枚)

デペッシュ・モード『プレイング・エンジェル』 (洋楽)
ここでチラッと書いたけど、ザ・デパーチャーという新人UKバンドのメンバーが影響を受けたアーティストとしてこのデペッシュ・モードを挙げてて、『ヴァイオレーター』(90年)を聴いてみたんだけど、凄く良くて。それで、他の作品も聴いていくぞ!と思っていた矢先、4年振りになるという新譜リリースの情報が舞い込んできたもんだから、これは私に買えって言ってるな、みたいな。それがこの『プレイング・エンジェル』です。デペッシュ・モードは、81年デビューとのことで、25年活動してることになるんだけど(U2と同じくらい?)、それなのに「新人です」って言ってもおかしくないくらいのフレッシュさがこの作品にはあるんだよなぁ。ただ、メンバーの脱退やら逮捕やら自殺未遂やら色々あったみたいで、悶々とした時期もあったみたい。そういった色々を乗り越えてのフレッシュさなんだろうな。キャリアを感じさせる深みもあるし。デペッシュ・モード、私のツボみたいで、聴く作品聴く作品良いんだよね。『ソングス・オブ・フェイス・アンド・デヴォーション』(93年)とかも聴いてみたんだけど、やっぱり良いの。私のツボを刺激あるいは愛撫してくれちゃうんだよなぁ。なんで今まで出会わなかったんだろ?って感じ。90年以来、日本には来てないらしいんだけど、是非とも来日公演して欲しいです!

スターセイラー『オン・ジ・アウトサイド』 (洋楽)
スターセイラーも来日して欲しい! 彼らのことは前にここで書いたんだけど、今回、新作が出るってんで嬉しかったなぁ。で、これが、一体どうしたんですか?ってくらいの気迫っぷり。ちょっと疲れちゃうくらい。最初から最後まで、鬼気迫るほどの血走ったソウルソウルソウル…。ちょっと気合入りすぎじゃない?とか思ったんだけど、何より曲が良いからね。ポップだもの。でも、日本ではあまり人気ないみたい。リチャード・アシュクロフトも新作を出したみたいだし(スターセイラーのヴォーカル、ジェイムズ・ウォルシュは、リチャード・アシュクロフトをよく引き合いに出される)、せめて来日公演が実現するくらい人気でてくれー! っていうか、なんで人気ないのかが不思議なくらい。あと必要なのは、プロモーションとかタイミングとかだけな気がする。それが重要なんだろうけど、だとしたら、運が悪いのかなぁ。前作のときは来日したんだけどね。ちなみに、スターセイラーというバンド名は、ティム・バックリィのアルバム名からきてるらしい。

ザ・バックホーン『ヘッドフォンチルドレン』 (邦楽)
実は、「ベストアルバム」として挙げられるのは上記2枚までかな~と思ったんだけど、それじゃ少なすぎるので。や、良いんだけどね、ベストアルバム!って挙げるまではまだいってない気がするんだよね。このアルバム後の「ブラックホールバースデイ」とか聴くと、次が楽しみな感じがしたから、次回作への期待を込めて!

スネオヘアー『カナシミ』 (邦楽)
うう~ん。良いんだけど、惜しい!って気がするのよ。「ワルツ」とか「悲しみロックフェスティバル」とか「空も忙しい」とか、前半は良い流れ。「moon face」は、最近のニューウェーヴな匂いがほのかにしたけど、ちゃんとスネオ流になってて良かった。會田茂一のプロデュースも良いんだろうね。「Merry Christmas to me」(歌詞に山下達郎の「クリスマス・イブ」を思わせる描写が出てくるのが面白い)も良かったし、wyolicaのazumiをフィーチャーした「happy end」も良かった。UNOバンドに提供した「NO.1」のセルフカヴァーも入ってるしね。なんだ、良いんじゃん。でもね、なんか惜しい!って気がするのよ。

【番外編】

ポール・マッカートニー『ケイオス・アンド・クリエイション・イン・ザ・バックヤード~裏庭の混沌と創造』 (洋楽)
本当は【番外編】じゃなくて、堂々とこれを挙げたかった! だけど、いかんせん、まだちゃんと聴き込んでないという大バカ者の私なのよ。でも、言い訳をさせて! 買ってすぐ聴こうとしたら、音が飛んじゃって聴けたもんじゃないのよ(涙)。それでタイミング逃しちゃってさ。コンポ、時々調子悪いんだよなぁ。最近再生してみたら問題なかったので、様子をみて、聴き込ませていただきます。今の時点での感想を書くと、最初「うわっ、ポールだ」ってビックリしたんだよね。何じゃそりゃって感じだけど、ポールが物凄く近くにいる感じがしたの。初めてポールが「一人」になったと感じたんだよなぁ。ほとんど一人で演奏してるからってのもあるんだろうけど、なんていうか、今まで誤魔化されてた何かが一気に押し寄せてきて、パニックになりそうになるっていうか。ポール・ファンには、急所を突かれるアルバムだと思う。当の私も、聴いてるだけで胸が一杯になってきちゃって、泣きそうになってくるんだもん。でも、ポール・ファンじゃない人が聴いたらどう思うかって言ったら、それはもう、分からん!(笑) 確かに「シャウトしてない」んだけど、私には、ポールが「叫んでる」ように感じられたんだよねぇ。「これといった楽曲がない」って、確かにそうなんだけど、それが私には、なんだか恐ろしく感じられました。強いて言えば、その“恐ろしさ”が唯一の欠点だろうか…。

マドンナ『コンフェッションズ・オン・ア・ダンスフロア』 (洋楽)
これはもう、あゆのおかげですよね(笑)。マドンナの作品は数作聴いてたんだけど、もう一歩踏み込めずにいたの。でも、あゆ、そして、ご本人の来日、そしてそして、親愛なる友達のおかげで(MD聴いてるよ!「アメリカン・ライフ」のミックス格好良い!)、その一歩を踏み出すことができました。友達が薦めてくれた『レイ・オブ・ライト』も聴いたんだけど、初心者の私にはこの高みはまだ早いみたい。もっと色々な作品を聴いてからの方が感動できると思ったんだよね。待ってろ~、『レイ・オブ・ライト』! なので、私にとっては初リアルタイムである今作を一番聴いております。それに、ほら、あゆのライヴでかかっちゃったからさ、私にとってはその思い出ともセットになっちゃったわけで、これを聴くとあゆのライヴを思い出すという幸せな相乗効果が。後半とか、凄いよねぇ。あの前半から、こんな風になっちゃうとは。ラスト3曲が興奮するぅ!

●ベストソング (1曲)

浜崎あゆみ「Bold & Delicious」 (邦楽)
もう他に考えるのも面倒くさいし、2005年はこの1曲だけで良いや! 詳しくはこちらに書かせてもらいました。

で、前回、ちょっとムキになりすぎちゃったかな~(笑)と思ったので、少し補足を。あゆがライヴ前にマドンナをかけたことから、彼女の並々ならぬ覚悟と正真正銘のリスペクト精神を感じたなんて、大層エラそうなことを書いてしまいましたが(その気持ちに嘘はないけど)、あゆからしたら、な~んも考えてないかも知れないよね。私がグッときたあゆの言葉「だって、私が今やりたいことはコレなんだもんっていう、それだけなの」って感じで、「マドンナ好きだからかけたい!」ってただそれだけかも知れない。で、私は、彼女のそういった「不敵さ」こそに惹かれてるわけですよ。でね、それが成立するためには、それ相応のものがなきゃ成り立たないと思うんですよ。「ワガママ」と「自由」は紙一重(ファイン・ライン)だと思うんです。「単なるワガママ」と「自由奔放な表現」も。そして、彼女は、意識か無意識か、それを心得てる人だと思うんです。ワガママにならなければ奔放な表現は生み出せないこと、でも、ワガママのままでは自由な表現にはなり得ないこと。凄い表現をしてみせながら、ちゃっかり舌を出してみせる。ちゃっかり舌を出してみせながら、凄い表現をしてみせる。そういうことができる人だと思ってるんです。(「Startin'」のプロモを最後まで見てみてね♪)

「マドンナになりたい」とか誤解を招くような書き方しちゃいましたけど、言葉通りのことをあゆが考えてるなんて思ってません。当たり前すぎて書くのもバカバカしいけど、「あゆはあゆ」ですから。以前あゆは、「私は私にしか出来ないことを、ずっと探して生きていきたい」って至極当然のことを言っていたけど、それが如何に難しいかは、誰だって知ってるよね。でも、私は、あゆが、彼女が彼女であるために歌っていると思ってるし、彼女にしかできないことをやっていると思ってます。前、「これなら○○を聴けば良いや」って思わせたら負けとか書きましたけど、私が最近よく感じるのは、「これなら洋楽を聴けば良いや」って思ってしまうような邦楽が増えてきてないかな~ってことなんです。かと思えば、「変に邦楽の中に閉じこもってるなぁ」ってのもありますけど。あゆは、洋楽嗜好かも知れないけど、あゆを聴いていて、「これなら洋楽を聴けば良いや」とは思いません。洋楽じゃなくても、「これなら○○を聴けば良いや」ってのがないんです。引用や類似があったとしても、あゆの作品にしかない何かがある。昨年、「どんなサウンドやスタイルであっても、あゆだってことが伝われば良い。私のソウルが『浜崎あゆみ』であれば」なんてイッチョウマエなことを言ってくれたあゆですが、それが伝わってくるんですよ。そして、それが聴きたいから、それはここでしか聴けないから、だから私は、「浜崎あゆみ」を聴いているんだと思います。ま、これからたくさん音楽聴いていったら、どうなるか分からないけどね(笑)。

●ベストニューカマー (2組)

Sports (邦楽)
スムルース (邦楽)

この2組が気になったなぁ。

今回は「ベストライヴ」と「ベストイベント」は省くことにします。それでは、今年もよろしく!


聴きたい音楽はたったひとつ

2005-08-03 23:15:27 | 音楽
ブログで行き詰まらなくなる、もしくは、長く続けるコツに、「ときどき抜く」と書いてる人がいた。おそらく、私にはそれが足りないんだな。でも、その分、更新ペースがゆっくりだから良いのか。それと、「頑張りますとは言わない」とも書いてあった。私、前の記事で思いっきり「努力します」とか書いてるんですけど(笑)。

なんかね、「大きく書きたがるくせに細かい」んだよなぁ。全部書きたいんだよ。だけど、ついつい一つ一つも細かく書きたくなっちゃうの。気付くと細かく書いちゃってんの。でも、そこにきて、最初に抱いた「全体像」ってのも、なかなか捨てられないんだよね。そんなことやってるから、長くなっちゃうんだよ。

あと、「影響されやすい」ってのもある。友達に言ったら、「今ごろ気付いたの?」って突っ込まれましたが(笑)。でもね、上記のコツを書いてた人と同じ人なんだけど、その人が「影響されやすいのが取り柄。そういう方がいい」みたいに書いてて、救われたなぁ。勝手に引用して本当に申し訳ないのですが、「沢山吸収したうえで、自分の考えを鍛えて、太く強くしていくのがいいよ。そんで他人に言って、反応をまた咀嚼する。頭の中だけで純粋培養した考えなんて、もろいもろい。ちっぽけよ」って書いてて、もうね、超救われた!(笑) だから、影響されやすい自分への言い訳なんだけど、「10年後、見てろよ!」(笑)。

これらを踏まえて(?)、ここから一気に時差をうめたいと思います!(た、たぶん)

今回は、2005年に入ってから現在にいたるまでで、気になったり購入したりした音楽(洋楽)の話をしたいと思います。

まずは、ブリティッシュ・シー・パワーがいつの間にかセカンド『オープン・シーズン』を出していた。ファースト程のインパクトはないものの、なかなかって感じかな~。それと、ザ・コーラルも新譜『インヴィジブル・インヴェイジョン』を出していた。今回は買うか買わないかどうしようかな~と思って試聴してみたら、良いかもと思って購入。最後の「レイト・アフタヌーン」とか好き。でも、どちらもあまり聴き込んでいない。ブリティッシュ・シー・パワーもザ・コーラルも、なんか“ちょっと変”な感じがするんだよなぁ。でも、“真っ当”って感じもする。そんなに好き!って感じじゃないのに、新譜が出ると、何故だか気になってしまう。私にとって“不思議な存在”。

それと、オアシス『ドント・ビリーヴ・ザ・トゥルース』。最初はううーんって感じだったんだけど、これはこれでなかなか良いかも。聴き込んでいくうちに、そう思えてくる。オアシス節オラオラー!って感じではなく、控え目で、アコースティックな感じが新鮮。しかし、“まだまだこんなもんじゃないはず”とも思ってしまう。でも、そう思えるところにこそ、“衰えてない”証拠があるんだと思いたいし、そここそがこのアルバムの肝なのかも。確かに、“新鮮な空気”はあると思うし。まだ、新生オアシスは“生まれる前”なんだと思う。これからどうなるか、かなぁ。ザック・スターキーがほとんどの曲でドラムを叩いている。

上記に挙げたバンドはどれもUKだが、最近UKバンドがたくさん出てきてる。とてもじゃないけど追い切れないし、もちろん全部聴いたわけではないが、そんな中、たまたま試聴して気になったのが、ザ・デパーチャー。フランツ・フェルディナンドより、こっちの方が好きかもなぁ。比べる必要は全然ないけれども。ザ・デパーチャーはね、ダンサブルな感じなんだけど、奥行きがあって、それが良いんだよね。アルバム『ダーティ・ワーズ』が出てて、今年のサマソニにも出た。で、そのザ・デパーチャーのメンバーが影響を受けたアーティストとして挙げていたのが、デペッシュ・モード。それで聴いてみることにしたのだ。『ヴァイオレーター』ってアルバムを買ったんだけど、これが良い! 機械的な感じがするけど、メロディが良いんだよね。で、結果的に人間臭い。しかも、アルバム全体を通して、最初から最後まで、“良い”って水準が落ちないで聴けるし、この曲順、この流れで聴いてこそのものがあるし。で、このデペッシュ・モード、最近CMで使われてません? オリジナルじゃなくてカヴァー(女性ヴォーカル)なんだけど、「ジャスト・キャント・ゲット・イナフ」って曲っぽいんだよなぁ。何はともあれ、他の作品も順々に聴いていきたいって、久しぶりにそう思わせてくれたバンドです。キッカケをくれたザ・デパーチャーより、こっちに心奪われてしまいました。スマパンやキュアーなんかが参加したというトリビュート・アルバムも是非聴いてみたい。あと、とあるキッカケで、ティアーズ・フォー・フィアーズも良いかもな~って思ったんだけど、ちょっと同じ匂いするかも。ティアーズ~の方が明るい感じだけど。

あとは、そうそう! たまたまルー・リードの『ベルリン』を聴いたんだけど、なんかこれ、物凄いですね。鬼気迫るものを感じました。ちょっと衝撃かも。これはちょっとまだコメントできないなぁ。聴き込ませていただきます。あと、これもとあるキッカケで聴いたんだけど、ガゼボの「アイ・ライク・ショパン(シングル・エディット)」って曲。これ、良いですね~。最初、イントロが『冬のソナタ』の曲かと思っちゃいました。ガゼボに関しては全然知らないし、むしろ教えてって感じです。

あとは、グリーン・デイの『アメリカン・イディオット』からの数曲を良いかもって思ったり。この辺はノータッチだったっていうか、私の趣味ではないって勝手に思ってたみたいで。でも、聴いたら良いかもって。『ライヴ8』にも出てたよね~。『ライヴ8』と言えば、マドンナかっこ良かったなぁ。何か、奪われちゃいましたよ。同じく『ライヴ8』に出てたブラック・アイド・ピーズの新譜も気になる。コールドプレイも出したよね。

それと、トラヴィス。今さらなんですが、セカンド『ザ・マン・フー』を聴く機会があって、これは良いですね! 最初は、まあ良いんじゃん?ぐらいに思ってたんだけど、何故だかまたすぐ聴きたくなっちゃうんだよね。で、何回も聴いていくうちに、これってもしかして凄く良いかも!って。素晴らしい作品なんじゃ?みたいな。地味なんだけど良い。この作品の中でしか味わえない透徹した空気があって、それに何度も飛び込みたくなっちゃうって感じ。何年も前の話だけど、ファースト『グッド・フィーリング』を聴いたときは、そんなにピンと来なかったのになぁ。まぁ、セカンドで化けたって話だし。で、プロデューサーがレディオヘッドでも有名なナイジェル・ゴドリッチ。タイムリーな話では、そう! 愛しのポール・マッカートニーの最新アルバム『ケイオス・アンド・クリエイション・イン・ザ・バックヤード~裏庭の混沌と創造』のプロデュースを担当しましたぁ! トラヴィスにハマッたのが最近だから、グッド・タイミング! ああ~、楽しみだぁ~♪ (←ポールの新譜のことね ←まだ買ってない)

まぁ、こんな風に色々聴いたりはしてるんですけど、聴きたい音楽はたったひとつですから! たったひとつを聴くために色々聴いてるんだ! 色々聴いてるけどたったひとつを聴いてるんだ! うまく言えないけど、よく分からないけど、なんかそんな感じなんだよな~。色々聴くことによって聴こえてくるたったひとつってのが、あるんだよ、きっと! あくまでも私の場合は、の話だけど。

というわけで、グワーッと勢いで書いてみました。この記事の前半に書いた色々を踏まえて、今回はこんな風に書いてみたんです。相変わらず、長くはなってしまったけど(笑)。


ヘッドフォンチルドレン

2005-04-12 12:35:41 | 音楽
私がどうして乙一に興味を持ったかというと、最近、ザ・バックホーンというバンドが好きでよく聴いていて、そのバックホーンの「奇跡」という曲が『ZOO』という映画の主題歌になっていると知り興味を持ち、その『ZOO』の原作者が乙一だったのです。

バックホーン、良いです。最近『ヘッドフォンチルドレン』というアルバムが出たのですが、今年初めて“新品で”買ったアルバムかな(多分)。やっぱ、私はこういう、クドい(笑)のが好きなんだなと改めて思いました。日本人が好きそうな、ワビサビっていうか、歌謡ちっくっていうか、感極まる感じっていうか、そういう歌心があって、私は好きだなぁ。やっぱ、演歌なんだよ。日本人の根底に流れてるのは、ソウルじゃなくて演歌の血なんだよ!(要はダサいの大好き!ってこと?笑) ま、そんなことはどうでも良くって、バックホーン、私は好きです。バンドの音は単純にカッコ良いし。私の場合、この“ダサさとカッコ良さのブレンド具合”が決め手なのかも知れない。バックホーン、ギターもドラムもベースも、印象的で象徴的で、カッコ良い。だから、まぁ、『VINTAGE 2004』でも書いたように「うるさいバンド」ってことなんだろうけど、そこでも書いたように「全員ヴォーカルみたい」で、なんか楽器も歌ってるんだよね。結局私はこういう“歌もの”に弱いんだろうな。

このバックホーン、SSTVのイベントやエレカシとの対バン、前述の『VINTAGE 2004』などで観る機会はあったんだけど、そのときも良いなとは思ったんだけど、そこまではハマらず。確か、オダギリジョー主演の映画『アカルイミライ』を観たら、主題歌がバックホーンの「未来」でジーンと来て。で、アルバム『イキルサイノウ』を聴いたら、良いじゃん良いじゃんと。それからしばらく経ったのかな? 最近のシングル群、『夢の花』→『コバルトブルー』→『キズナソング』にどれもググッと来て。で、ファースト『人間プログラム』とかも聴いてみたら、これまた良くてガツンと来てしまったというわけです。アートワークも良いんだよね。

で、最新作『ヘッドフォンチルドレン』を買ったわけですが、菅波栄純(ギター)の書く詞が良いんだよなぁ。汚いこと書いていながら、実はすごくロマンティストな感じが。ベタだけど、そのベタが良いんだよ。「キズナソング」なんてもう…。「キズナソング」の<誰もがみんな幸せなら歌なんて生まれないさ>とか、「ヘッドフォンチルドレン」の<ヘッドフォンの中になんて救いはないよ そんなことはわかってるよ>とか、音楽が抱える矛盾、音楽を鳴らす人が抱える矛盾、音楽を聴く人が抱える矛盾……、そういったもろもろの矛盾を抱えた表現っていうか、その矛盾が音楽になっているというか。ヘッドフォンを取り外すための音楽、この音楽を必要としなくなったときにこそ、その音楽の本当の役割が果たされるみたいな、そういう生まれたときから矛盾している音楽。それはでも、私達の姿によく似ていて…。

バンドサウンドも、いよいよ複雑にこんがらがってきてて、でもそれが、単純なところに向かって突き抜けていく感じで。アルバム全体を通して伝わって来るその流れが気持ち良い。特に、最後の「ヘッドフォンチルドレン」→「キズナソング」→「奇跡」の流れが素晴らしい! 最後の「奇跡」に向かってちゃんと繋がってて、それは、聴くというより、体験するという感じ。

ヘッドフォンを取り外すときが来たなら、音楽を必要としなくなるときが来たなら、ヘッドフォンを取り外すべきなのだろう。でも、恐れなくて良い。だって、きっとまた<悲しみは巡る>から。そしたら、きっとまた歌に会えるから。そんな変な方向から勇気をくれる、ヘッドフォンを取り外す勇気をくれる音楽という、なんとも矛盾した、でもそれでこそ音楽な気がする一枚。ヘッドフォンを付けたままじゃ、聴こえない歌もあるのかも知れない。音楽から手(耳)を離したとき、初めて聴こえて来る歌があるのかも知れない。そんなことをふと思った。

では、他に、最近レンタルで聴いた作品の感想をちょこちょこと。

YUKI 『joy』
歌になるのは悲しみだけじゃない。喜びだって歌になる。というか、喜びがあるから悲しみがあって、悲しみがあるから喜びがある。切り離せるものじゃないんだよねきっと。軽やかでダンサブルな喜び(と悲しみ)のグルーヴ。特に「キスをしようよ」が好き。

銀杏BOYZ 『DOOR』『君と僕の第三次世界大戦的恋愛革命』
いやぁ、これも、これを聴いちゃう自分も、最低で最高! 例えば、グループ魂とかマキシマム・ザ・ホルモン(下記参照)とかは、(本人は本気でも)ギャグとして捉えることもできるかも知れないけど、銀杏はどうもそうもいきそうにない、いかんともしがたい感じ。現実なんてみねえぞ! ライヴが観たい。『君と僕の~』では、YUKIちゃんも参加しております。

中島美嘉 『MUSIC』
「Fed up」は、是非あゆに歌ってもらいたいんですけど!(似合いそ~ただそれだけ)

マキシマム・ザ・ホルモン 『ロッキンポ殺し』
歌詞カードに書いてある解説が最高です。これ読んで借りちゃったくらい。皆ロッキンポだからこそ、「ロッキンポ殺し」が必要なんですよね?

V.A 『avex 10th Anniversary Presents avex THE ALBUM』
これだったのか! あゆがm.c.A・Tと一緒に参加しているというのは。や~っと見つけたよ! エイベックス10周年記念コンピ。あゆがm.c.A・Tと一緒に「m.c.A・T & 浜崎あゆみ」名義で「『A』」という曲で参加しているのですが、こ~れがウケ…いや最高! あゆは多分デビューしたばっかりの頃だったと思うんだけど、<へ~わたしもA Ayuのイニシャルだって誇りのA>とかいって、ご機嫌にラップしちゃってるんですけど! <A・T Ayu そして我らが a,v,e,x やっぱ最初はA>とか! <Ayuの歌届けに会いにいきたい>ってあゆ自分でラップしちゃってますから! きゃ~、会いにきてYO! Ayu、最高っす。

そんな私は最近、スネオヘアーのファースト『スネスタイル』を聴いております。いやぁ、良いですね、これ。名曲揃い。