私は新潟市内に行ったことはあるけれど、新潟から直接日本海を見たことはない。
だから佐渡を望む日本海と、海辺の砂山というのを実感としては知らない。
でもこの「砂山」は、子供の頃から親しんだ歌だから、私にとっての「砂山」は確固として存在する。
案外、歌というものはそういう風に受け継がれていくものなのだろうと思う。
それがその作品の持つリアリティというもので、実証的にあれこれ言っても始まらないのである。
というわけで、私なりの「砂山」を描いた。久しぶりに彩色してみた。
やはりこの情景に色彩は必要だろうと思ったからである。
「砂山」作詞・北原白秋(作曲は山田耕筰と中山晋平の二作あり)
一、海は荒海 向こうは佐渡よ
すずめ啼け啼け もう日は暮れた
みんな呼べ呼べ お星さま出たぞ
二、暮れりゃ砂山 汐鳴りばかり
すずめちりぢり また風荒れる
みんなちりぢり もう誰も見えぬ
三、かえろかえろよ 茱萸原(ぐみわら)わけて
すずめさよなら さよならあした
海よさよなら さよならあした