江間章子作詞・團伊玖磨作曲の歌曲。1947年の作品。
子供の頃に学校で習った。歌詞が印象的。
詞の主人公は風(風のリボン、と言っているのは一種の象徴的表現だろう)である。
春風が吹き渡るさまを歌った後で、突然、一人で泣いている人の姿が歌われる。
はっとする表現である。
これでふと思い出したのが、以前フィレンツェへ旅行した時、ピッティ宮殿の近代美術館という所で目にした一枚の絵である。
画家の名は忘れたが、タイトルは「piangentina(泣いている小さい女の子)」という絵で、昼下がりの陽光の中、立ち止まったまま泣いている小さな女の子を描いた絵だった。
なぜ泣いているのかは分からない。しかしそのシクシクという小さな泣き声と、風にざわめく木立の葉の音が聞こえてくるような絵で、大変惹き付けられたのを覚えている。
「花の街」では、窓辺で泣いている(おそらくは女性)姿が歌われているけれども、今回はさきほどの絵の印象とのミックスで、家のそばで泣いている小学生くらいの女の子を描いてみた。ペン入れしようかとも思ったが、エンピツのまま載せることにする。