「かあさん お肩をたたきましょう」で始まる、誰でも知っている童謡。
中山晋平作曲・西條八十作詞。
縁側で、お母さんの肩を叩く小さい子。
うらうらと日が注ぐ縁側、というのは、今は失われつつある、日常の平穏を表す風景。
お母さんの肩を叩いていると、白髪に気付いた。
生まれて初めて感じる、親の老いと苦労。
でもお母さんは、とても気持ちよさそうだ。
とんとん、とんとん、叩いてあげる。
赤いオニゲシの花が、見守るように咲いている。
このまま永遠に閉じ込めておきたいような人生の瞬間。
それを詩人は短い歌詞に結晶させている。
縁側は無くなっても、この歌は残るだろう。