北原白秋の作詞による童謡です。
作曲は山田耕筰。
春の川辺でカニの床屋さんが、ウサギをお客に迎えます。
自慢のハサミで仕事を始めたが、
ウサギはせっかち、カニはあわてる。
ウサギの耳はゆらゆら揺れる。
とうとううっかり耳を切り落とします。おこるウサギ。恥じ入るカニ。
ちょっとユーモラスな歌詞ですが、現実的に考えたら、
耳を切り落とすというのは凄惨な情景になるはず。
しかし童謡の世界ではそういう追及は無用でしょう。
「春は早うから川辺の葦に、
蟹が店出し、床屋でござる。」
から、
「為方(しかた)なくなく穴へと逃げる。」
まで、「チョッキン、チョッキン、チョッキンナ。」
という合いの手を入れて、この童話的情景が歌われます。
その雰囲気をこわさないように描いてみました。
映画「二十四の瞳」でも歌われていましたね。