「せまいながらも 楽しい我家」というフレーズで有名な曲。
1928年のアメリカのヒット曲なのに、もうその年に輸入されている。
訳詞は堀内敬三。名訳でしょう。
日本初のトーキー映画「マダムと女房」(1931年)のラストシーンで主人公の夫婦(渡辺篤・田中絹代)がこの歌を歌う。
このシーンがいい。歌いながら歩いている二人をカメラが瞬時、凝視している。
このカメラアイは、トーキーで音楽と映像が同居するようになって初めて感じられたもののような気がする。
そのはかないけれども至福の瞬間。それにこの曲がとてもよく合っていた。
夕焼けの空の下、家路を辿る勤め人が、ふと我が家の方向をふり仰いで幸せを感じる。
そんなイメージが湧いてくる。イラストもそんな感じで。