李香蘭こと山口淑子さんが先日亡くなられたが、
さすがに私はスター時代を直接は知らない。
満映時代の作品も断片的にしか拝見したことはない。
知っているのは代表曲の歌唱だけである。
それでも「蘇州夜曲」「蘇州の夜」「夜来香」などを聞くと、
やはり傑出した歌手だったのだなと感じるのだ。
他の曲はまた別の機会に譲るとして、
今回は「夜霧の馬車」を取り上げよう。
作詞・西条八十、作曲・古賀政男。1941年の曲。
何か映画の一場面でも浮かんでくるような歌である(Youtubeで聴けます)。
夜霧の中、馬車で街を去る女。
出だしから一種緊迫感のようなものを感じさせる歌詞である。
嘆きを抱きつつ、ジャンクの浮かぶ港を横目に、胡弓の音を聴きながら、
夜霧の中を馬車は進んで行く。
こんなシーンを映画で見てみたい。
イラストはちょっと勢いで描きました。