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うたのイラスト(「愛して愛して愛しちゃったのよ」)

子供の頃、さんざん聞かされて、「もう飽きた。聞きたくない」
と思っていた、正直な話。
ところが、BSでRag Fairが戸田恵子さんと歌っているのを聞いて、
「こんないい歌だったんだ。」と認識を新たにした。
作詞・作曲、浜口庫之助。1965年の大ヒット曲。
実はこの歌、もしかすると日本語に大きな貢献をしているかもしれない。
というのは、まだこの当時、「愛している」なんて言葉は
翻訳くさい、馴染まない言葉だった記憶があるからだ。
そこをこの歌が、「愛しちゃったのよ」とすこし砕けた感じで
繰り返し人々に口ずさませたおかげで、
「愛する」という言葉を日本人が抵抗なく使えるようになったのではないかと、
私は一人勝手に思っているのだ。
たしか成瀬巳喜男の「稲妻」という映画で、
娘が母親に、「(亡くなった)お父さんの事、お母さん、愛してた?」と訊くと、
母親がてれくさそうに、「愛してるだなんて、そんなハイカラなこと。」
と言うシーンがあった。
それくらい、ハイカラだった「愛する」を、庶民の使える言葉にしたのだとしたら、
大変な貢献、ということになる。
さて、今から見ると、そういう先進的なところより、
誠に素直で愛らしいところがむしろ好ましい。
特にこの歌は、男性がリードするように歌いながら、
実は歌う女性を最大限に可愛らしく見せる工夫があり、
ある意味やはり凄い歌なのである。
浜庫(はまくら)さんて、大変な才人だったんだなあ。
イラストは、田代美代子さんの似顔絵、というわけではないが、
この歌を歌う可愛らしい女性、というイメージで。
意図的に、服だけ着色しました。
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