10月19日という日は、私にとって2つの方向性を決めた日として記憶にとどめている。
一つは、確実に命を捨てるという方向性を決定した日である。1944年の今日フィリピン
の日本軍基地にて、神風特別攻撃隊が編成された。皆さんは特攻隊といえば、どのよう
なイメージを持っているのだろうか。操縦する人間もろとも飛行機が武器となって敵の
艦隊に突撃するという、まさに自殺という形で命を落とす行為と理解しているのではな
いかと思う。特攻は、国のために、愛する家族のために、自分の命を武器に変えて戦う
という日本人独特の戦法であった。
もう一つは、無駄に命を捨てたくないとして、闘いをあきらめる方向性を決定した日
でもあった。1812年の今日、ナポレオン=ボナパルト率いるフランス軍がロシアのモス
クワ攻撃をあきらめ撤退を開始した。9月7日のボロディノの戦いで、フランス・ロシア
両軍約24万人の兵が激戦を展開し、生き残ったフランス兵により、モスクワ攻略が計画
されていた。しかし、飢餓と寒さに悩まされたため、命を長らえるための撤退を選択し
たのであった。結局フランスへの帰途に冬将軍に襲われ、多くの兵士が命を奪われる結
果になってしまったという。
この2つの出来事は、結果はどうあれ、命をどう扱うべきなのかをしっかりと考える
契機を私たちに投げかけているように思われてならない。命は何よりも大切なものであ
る。どんなことをしても守らなければならないものである。一生懸命に前向きに生きる
ことは、命を大切にしている証なのだと思う。
皆さんは前向きに生きていますか?
【前向きに作品制作に取り組む生徒たち~美術の授業風景~】
【夢とロマンの宝庫である「宇宙」を表現した作品】